
TERAKOYA講座第1回|BtoBマーケティングは何から始める?成果が出る企業が必ずやっている「設計」の考え方
TERAKOYAとは株式会社ベーシックが提供する、BtoBマーケティングの戦略設計からリード獲得、ナーチャリング、営業連携までを体系的に学べる全6回の実践型研修プログラムです。詳細はこちら
BtoBマーケティングに取り組んでいるものの、「施策がバラバラで成果につながらない」「何から始めるべきかわからない」といった課題を感じていませんか。
本記事は、これまで6,000社以上のBtoBマーケティングを支援してきた株式会社ベーシックが実際に提供している研修プログラムの内容をもとに構成しています。
この研修は、戦略設計からリード獲得、ナーチャリング、営業連携までを全6回で体系的に学べる内容となっており、「成果につながるマーケティングの全体設計」を身につけることを目的としています。
本シリーズでは、その研修内容をもとに、各テーマごとに分解しながら、実務で活用できる形で解説していきます。
今回はその第1回として、BtoBマーケティングの全体像と、成果を出すための戦略設計の考え方について解説します。
この記事のもととなっているBtoBマーケティング研修の詳細はこちら
BtoBマーケの“やっているのに成果が出ない”問題の原因は何か
施策単位で考えてしまっている
BtoBマーケティングで成果が出ない企業の多くは、SEO、広告、メルマガ、ホワイトペーパー、セミナーといった施策をそれぞれ別物として扱っています。
もちろん各施策を改善すること自体は重要です。ただし、次の流れがつながっていなければ、部分的な改善は全体成果に結びつきません。
流入を増やす施策
問い合わせにつなげる施策
営業へ渡すための施策
たとえばSEOで記事流入を増やしても、次のような状態では、せっかく集めた見込み顧客が途中で離脱します。
記事の次に何を見せるのかが決まっていない
資料請求後のフォローが設計されていない
営業に渡す判断基準が曖昧
施策ごとのKPIだけが並び、受注までの導線として管理されていない状態こそが、成果が頭打ちになる大きな原因です。
「誰に何を届けるか」が曖昧
もう一つの典型的な問題は、「誰のどんな課題に対して情報を届けるのか」が曖昧なまま運用されていることです。BtoBでは商材が複雑になりやすく、自社が伝えたいことをそのまま発信しがちですが、それでは顧客の検討に必要な情報になりません。
重要なのは、自社起点ではなく課題起点で情報を設計することです。顧客はサービスそのものを探しているのではなく、自社の課題をどう解決できるかを知りたがっています。
ここが曖昧だと、次のような問題が起こります。
コンテンツのテーマが散らばる
訴求の軸が定まらない
問い合わせの質が安定しない
全体設計がないため再現性がない
全体設計がない組織では、成果が出たとしても担当者の経験や勘に依存しやすくなります。うまくいった施策の理由が言語化されず、次の施策に再利用できないため、改善のたびにゼロから考えることになります。
この状態では、担当者が変わった瞬間に運用品質が落ちたり、営業とマーケティングの認識がずれたりしやすくなります。BtoBマーケティングで必要なのは、単発の成功ではなく、継続的に改善できる設計思想と運用の再現性です。
BtoBマーケティングの本質は「課題解決設計」である
「誰のどんな課題をどう解決するか」からすべてが始まる
BtoBマーケティングの出発点は、チャネル選びでもコンテンツ制作でもありません。まず明確にすべきなのは、「誰のどんな課題をどう解決するのか」です。これはマーケティングだけでなく、営業トークや提案内容にも通じる考え方であり、顧客に選ばれる理由をつくる中核でもあります。

BtoBマーケティングは“顧客の課題解決”を起点とする考え方です。上記が示す通り、単なる情報発信ではなく、課題に対する解決策を届けることが本質となります。
顧客理解が浅いまま施策を増やしても、情報はノイズになりやすくなります。
一方で、どの顧客のどの課題に向き合うかが定まると、記事のテーマ、LPの訴求、セミナーの切り口、営業のヒアリング内容まで一貫させやすくなります。
売るのではなく“選ばれる設計”をつくる
現在のBtoB購買では、企業が一方的に売り込むプッシュ型だけでは成果を出しにくくなっています。
顧客は比較検討の初期段階からWebで情報収集を進め、自分たちに合う会社を見極めようとします。
そのため必要なのは、売り込みの強さではなく、検討の過程で自然に選ばれる状態をつくることです。
そのためには、顧客が知りたい順番に沿って情報を届けることが必要です。
課題認識の段階では、気づきを与えるコンテンツ
比較検討段階では、選定に役立つコンテンツ
社内検討段階では、稟議に使える情報
この順番で設計できると、売り込みではなく「この会社なら理解してくれている」と感じてもらいやすくなります。
マーケと営業は分断できない
BtoBマーケティングを語るうえで、マーケティングと営業を切り離して考えることはできません。
なぜなら顧客は営業に会う前から検討を進めており、マーケティングがつくる情報接点がその後の商談の質を大きく左右するからです。
マーケティングはリードを集めるだけでなく、営業が提案しやすい状態まで見込み顧客を育てる役割を持ちます。
営業は商談現場で得た情報をマーケティングへ返し、より精度の高い設計につなげる必要があります。
両者がつながってはじめて、成果につながる仕組みになります。
成果が出る企業がやっているBtoBマーケの全体設計
戦略 → 施策 → 営業までを一貫して設計する
成果が出る企業は、戦略、施策、営業を別々に管理していません。
誰を狙うのか、どの課題を入口にするのか、どの施策で接点をつくるのか、どの段階で営業へ渡すのかまでを一つの流れとして設計しています。

このフレームワークの重要なポイントは、戦略から営業までが分断されずにつながっていることです。
部分最適ではなく、全体設計で考えることが成果につながります。
部分最適 | 全体設計 | |
|---|---|---|
評価対象 | 各施策の数値だけを見る | 売上までの流れで評価する |
起こりやすい状態 | PVや資料DLは増えるが受注に結びつかない | どこがボトルネックか特定しやすい |
改善の進め方 | 施策ごとに個別改善する | 顧客導線全体を見て優先順位を決める |
流入だけ、問い合わせだけ、商談だけを切り出して見ても、根本課題は見えません。
戦略から営業までをつなげて見ることで、どこがボトルネックなのか、どこを先に改善すべきかが分かります。
顧客の検討プロセスに沿って設計する
全体設計で忘れてはいけないのが、企業の都合ではなく、顧客の検討プロセスに沿って設計することです。顧客は突然問い合わせるわけではなく、課題認識、情報収集、比較検討、社内調整という段階を踏みながら動きます。
そのため、各段階で必要な情報を定義し、適切なコンテンツや導線を置くことが重要です。
顧客が今どの段階にいるかを想定できるようになると、記事や資料の役割が明確になり、営業への連携もスムーズになります。
KPIを売上から逆算する
全体設計を成果に結びつけるには、数値設計も不可欠です。
BtoBマーケティングではPVや資料DL数だけを追いかけても、事業成果とつながらないことがあります。
だからこそ、売上から逆算して次のように分解する視点が必要です。
売上目標
必要な受注数
必要な商談数
必要なリード数
数値が売上とつながっていれば、マーケティング施策の優先順位を判断しやすくなり、営業とも共通の目線で会話できます。
全体設計とは、構造だけでなく数字の整合性まで含めて設計することです。
この記事のもととなっているBtoBマーケティング研修の詳細はこちら
BtoBマーケ戦略設計の具体ステップ
戦略設計は、思いつきで進めるものではありません。
売上から逆算し、誰に何をどう届けるかを順番に定義することで、施策の精度が高まります。
ステップ | 整理すること | 見えるようになること |
|---|---|---|
1.KPI設計 | 売上から必要件数を逆算する | 必要な母数と目標の妥当性 |
2.組織ターゲット定義 | 狙う企業群を絞る | 優先すべき市場 |
3.ペルソナ設計 | 担当者と決裁者を具体化する | 伝えるべき内容 |
4.ジャーニー設計 | 検討プロセスを可視化する | 必要な情報と導線 |
5.競合整理 | 自社の違いを明確にする | 差別化ポイント |
①KPIを分解し、目標構造を設計する
最初に取り組むべきなのは、目標構造の整理です。
売上目標から受注件数を算出し、さらに案件化数、商談数、リード数へ分解していくことで、必要な母数が見えるようになります。
ここが曖昧だと、問い合わせ数は増えたが受注に結びつかない、といった状況から抜け出せません。

売上から逆算してKPIを設計することで、マーケティング施策と事業成果がつながります。
また、KPIはマーケティング部門だけで決めず、営業の実績値も踏まえて設定することが重要です。
商談化率はどの程度か
受注率はどの程度か
今の体制で対応できる件数はどの程度か
こうした現実的な数値を把握することで、無理のない設計ができます。
②ターゲット企業(法人)を定義する
BtoBではまず、どの企業群を狙うのかを明確にする必要があります。
業種、企業規模、対象地域、抱えやすい課題、単価感、導入までのリードタイムなどを整理することで、優先すべき市場が見えてきます。

BtoBでは“企業(組織)としてのターゲット”を定義することが重要です。
ここを決めずに情報発信をすると、メッセージが広がりすぎて、誰にも刺さらない状態になります。
受注確率が高いか
単価が見合うか
課題の切実度が高いか
成果が出る企業は、こうした観点を踏まえながら、狙うべき組織を絞っています。
③ペルソナ(個人)を設計する
企業ターゲットを定義しただけでは不十分です。
実際に情報を集め、比較し、社内で検討を進めるのは個人だからです。
担当者と決裁者では役割も関心も異なるため、誰が情報収集を行い、誰が最終判断に関わるのかを具体化する必要があります。

企業ターゲットに加えて、実際に情報収集・意思決定に関わる“個人”を具体化する必要があります。
部署、役職、ミッション、日常業務の課題、情報収集手段、重視する判断軸まで整理できると、記事や資料で伝えるべき内容がぐっと明確になります。
④カスタマージャーニーを設計する
次に必要なのが、顧客の検討プロセスを可視化することです。
顧客がどの段階でどのような疑問を持ち、どんな情報を必要とするのかを整理することで、各コンテンツの役割が決まります。

顧客がどのように検討を進めるのかを可視化することで、適切なタイミングで情報提供が可能になります。
記事、導入事例、サービスページ、ホワイトペーパー、セミナーなどは、それぞれ担うべき段階が異なります。
ジャーニーが整理できると、どこにコンテンツが足りないのか、どこで次の行動を促すべきかが見えるようになります。
⑤競合と自社のポジションを整理する
最後に、競合と比較したときの自社の立ち位置を整理します。単なる機能比較ではなく、競合がどの課題をどう訴求し、どこにCTAを置き、どんな構成で情報を見せているかを確認することが大切です。

競合の情報発信を分析することで、自社の差別化ポイントが明確になります。
この比較を通じて、自社がどの切り口で戦うべきか、どの情報が不足しているか、CTAの改善余地はどこかを整理できます。
競合分析は模倣のためではなく、選ばれる理由を明確にするために行うものです。
この設計ができていないと何が起こるか
リードは増えるが受注につながらない
設計が弱い状態では、流入やリード数だけが増えても、受注につながりにくくなります。ターゲットがずれていたり、営業に渡すタイミングが不適切だったりすると、商談化率や受注率が伸びません。
営業とマーケの認識がズレる
マーケティングが集めたいリードと、営業が受け取りたいリードの基準が揃っていないと、部門間の摩擦が起こります。これが続くと、施策改善よりも責任の押し付け合いが起きやすくなります。
施策の改善ができない
全体構造が見えていないと、どこが悪くて成果が出ないのか判断できません。結果として、毎回違う施策に手を出しながら、本質的な改善が進まない状態に陥ります。
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設計を自社でやる難しさ
全体を横断して考える必要がある
BtoBマーケティングの設計は、コンテンツや広告だけの話ではありません。ターゲット、営業連携、KPI、サイト構造、ナーチャリングまで横断して考える必要があります。
部門間の調整が必要
設計を実務に落とすには、営業、マーケティング、場合によっては経営層まで巻き込む必要があります。部門ごとの視点が異なるため、合意形成にも一定の負荷がかかります。
経験がないと精度が出ない
設計のフレームを知っているだけでは不十分で、実際にはどこを深く見るべきか、どこを簡略化すべきかといった判断が求められます。経験が浅いと、形だけの設計になってしまいがちです。
まずやるべきアクション
現状のマーケ設計を棚卸しする
まずは現在実施している施策を一覧化し、それぞれがどの顧客段階に向けた施策なのか、どのKPIに貢献する想定なのかを整理します。これだけでも、抜け漏れや重複が見えやすくなります。
KPIとターゲットの再定義
次に、売上から逆算したKPIと、狙うべき組織・担当者ターゲットを見直します。ここが定まると、優先的に改善すべき施策が明確になります。
顧客プロセスの可視化
最後に、顧客の検討プロセスを可視化し、各段階で必要な情報と導線を整理します。
検討段階 | 顧客が知りたいこと | 用意したい施策 |
|---|---|---|
課題認識 | 何が問題なのか | 記事、セミナー、ホワイトペーパー |
比較検討 | どの選択肢が合うのか | 比較資料、事例、サービス紹介 |
社内調整 | 社内でどう説明するか | 料金情報、導入フロー、稟議向け資料 |
これにより、記事や資料、営業接点がばらばらではなく、一つの流れとして機能する状態をつくりやすくなります。
戦略設計から支援を受けたい方へ
戦略設計は専門知識と経験が必要
BtoBマーケティングの成果は、施策の量よりも設計の質で大きく変わります。だからこそ、最初の設計段階で正しい視点を持つことが重要です。
外部パートナーを活用するメリット
外部パートナーを活用することで、自社だけでは見えにくい課題を整理しやすくなり、営業とマーケティングの橋渡しもしやすくなります。第三者視点が入ることで、優先順位づけも進めやすくなります。
まずは全体設計を整理したい方へ
「今の施策がつながっていない」「成果につながる設計から見直したい」と感じている方は、まずサービス資料のダウンロードやお問い合わせからご相談ください。
どこから見直すべきか整理したい
営業とマーケの連携を整えたい
施策を売上につながる形で再設計したい
全体設計の整理から実行フェーズまでを見据えて支援を受けることで、施策の再現性と成果の両立がしやすくなります。
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BtoBマーケティングに取り組んでいるものの、「施策がバラバラで成果につながらない」「何から始めるべきかわからない」といった課題を感じていませんか。
本記事は、これまで6,000社以上のBtoBマーケティングを支援してきた株式会社ベーシックが実際に提供している研修プログラムの内容をもとに構成しています。
この研修は、戦略設計からリード獲得、ナーチャリング、営業連携までを全6回で体系的に学べる内容となっており、「成果につながるマーケティングの全体設計」を身につけることを目的としています。
本シリーズでは、その研修内容をもとに、各テーマごとに分解しながら、実務で活用できる形で解説していきます。
今回はその第1回として、BtoBマーケティングの全体像と、成果を出すための戦略設計の考え方について解説します。
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BtoBマーケの“やっているのに成果が出ない”問題の原因は何か
施策単位で考えてしまっている
BtoBマーケティングで成果が出ない企業の多くは、SEO、広告、メルマガ、ホワイトペーパー、セミナーといった施策をそれぞれ別物として扱っています。
もちろん各施策を改善すること自体は重要です。ただし、次の流れがつながっていなければ、部分的な改善は全体成果に結びつきません。
流入を増やす施策
問い合わせにつなげる施策
営業へ渡すための施策
たとえばSEOで記事流入を増やしても、次のような状態では、せっかく集めた見込み顧客が途中で離脱します。
記事の次に何を見せるのかが決まっていない
資料請求後のフォローが設計されていない
営業に渡す判断基準が曖昧
施策ごとのKPIだけが並び、受注までの導線として管理されていない状態こそが、成果が頭打ちになる大きな原因です。
「誰に何を届けるか」が曖昧
もう一つの典型的な問題は、「誰のどんな課題に対して情報を届けるのか」が曖昧なまま運用されていることです。BtoBでは商材が複雑になりやすく、自社が伝えたいことをそのまま発信しがちですが、それでは顧客の検討に必要な情報になりません。
重要なのは、自社起点ではなく課題起点で情報を設計することです。顧客はサービスそのものを探しているのではなく、自社の課題をどう解決できるかを知りたがっています。
ここが曖昧だと、次のような問題が起こります。
コンテンツのテーマが散らばる
訴求の軸が定まらない
問い合わせの質が安定しない
全体設計がないため再現性がない
全体設計がない組織では、成果が出たとしても担当者の経験や勘に依存しやすくなります。うまくいった施策の理由が言語化されず、次の施策に再利用できないため、改善のたびにゼロから考えることになります。
この状態では、担当者が変わった瞬間に運用品質が落ちたり、営業とマーケティングの認識がずれたりしやすくなります。BtoBマーケティングで必要なのは、単発の成功ではなく、継続的に改善できる設計思想と運用の再現性です。
BtoBマーケティングの本質は「課題解決設計」である
「誰のどんな課題をどう解決するか」からすべてが始まる
BtoBマーケティングの出発点は、チャネル選びでもコンテンツ制作でもありません。まず明確にすべきなのは、「誰のどんな課題をどう解決するのか」です。これはマーケティングだけでなく、営業トークや提案内容にも通じる考え方であり、顧客に選ばれる理由をつくる中核でもあります。

BtoBマーケティングは“顧客の課題解決”を起点とする考え方です。上記が示す通り、単なる情報発信ではなく、課題に対する解決策を届けることが本質となります。
顧客理解が浅いまま施策を増やしても、情報はノイズになりやすくなります。
一方で、どの顧客のどの課題に向き合うかが定まると、記事のテーマ、LPの訴求、セミナーの切り口、営業のヒアリング内容まで一貫させやすくなります。
売るのではなく“選ばれる設計”をつくる
現在のBtoB購買では、企業が一方的に売り込むプッシュ型だけでは成果を出しにくくなっています。
顧客は比較検討の初期段階からWebで情報収集を進め、自分たちに合う会社を見極めようとします。
そのため必要なのは、売り込みの強さではなく、検討の過程で自然に選ばれる状態をつくることです。
そのためには、顧客が知りたい順番に沿って情報を届けることが必要です。
課題認識の段階では、気づきを与えるコンテンツ
比較検討段階では、選定に役立つコンテンツ
社内検討段階では、稟議に使える情報
この順番で設計できると、売り込みではなく「この会社なら理解してくれている」と感じてもらいやすくなります。
マーケと営業は分断できない
BtoBマーケティングを語るうえで、マーケティングと営業を切り離して考えることはできません。
なぜなら顧客は営業に会う前から検討を進めており、マーケティングがつくる情報接点がその後の商談の質を大きく左右するからです。
マーケティングはリードを集めるだけでなく、営業が提案しやすい状態まで見込み顧客を育てる役割を持ちます。
営業は商談現場で得た情報をマーケティングへ返し、より精度の高い設計につなげる必要があります。
両者がつながってはじめて、成果につながる仕組みになります。
成果が出る企業がやっているBtoBマーケの全体設計
戦略 → 施策 → 営業までを一貫して設計する
成果が出る企業は、戦略、施策、営業を別々に管理していません。
誰を狙うのか、どの課題を入口にするのか、どの施策で接点をつくるのか、どの段階で営業へ渡すのかまでを一つの流れとして設計しています。

このフレームワークの重要なポイントは、戦略から営業までが分断されずにつながっていることです。
部分最適ではなく、全体設計で考えることが成果につながります。
部分最適 | 全体設計 | |
|---|---|---|
評価対象 | 各施策の数値だけを見る | 売上までの流れで評価する |
起こりやすい状態 | PVや資料DLは増えるが受注に結びつかない | どこがボトルネックか特定しやすい |
改善の進め方 | 施策ごとに個別改善する | 顧客導線全体を見て優先順位を決める |
流入だけ、問い合わせだけ、商談だけを切り出して見ても、根本課題は見えません。
戦略から営業までをつなげて見ることで、どこがボトルネックなのか、どこを先に改善すべきかが分かります。
顧客の検討プロセスに沿って設計する
全体設計で忘れてはいけないのが、企業の都合ではなく、顧客の検討プロセスに沿って設計することです。顧客は突然問い合わせるわけではなく、課題認識、情報収集、比較検討、社内調整という段階を踏みながら動きます。
そのため、各段階で必要な情報を定義し、適切なコンテンツや導線を置くことが重要です。
顧客が今どの段階にいるかを想定できるようになると、記事や資料の役割が明確になり、営業への連携もスムーズになります。
KPIを売上から逆算する
全体設計を成果に結びつけるには、数値設計も不可欠です。
BtoBマーケティングではPVや資料DL数だけを追いかけても、事業成果とつながらないことがあります。
だからこそ、売上から逆算して次のように分解する視点が必要です。
売上目標
必要な受注数
必要な商談数
必要なリード数
数値が売上とつながっていれば、マーケティング施策の優先順位を判断しやすくなり、営業とも共通の目線で会話できます。
全体設計とは、構造だけでなく数字の整合性まで含めて設計することです。
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BtoBマーケ戦略設計の具体ステップ
戦略設計は、思いつきで進めるものではありません。
売上から逆算し、誰に何をどう届けるかを順番に定義することで、施策の精度が高まります。
ステップ | 整理すること | 見えるようになること |
|---|---|---|
1.KPI設計 | 売上から必要件数を逆算する | 必要な母数と目標の妥当性 |
2.組織ターゲット定義 | 狙う企業群を絞る | 優先すべき市場 |
3.ペルソナ設計 | 担当者と決裁者を具体化する | 伝えるべき内容 |
4.ジャーニー設計 | 検討プロセスを可視化する | 必要な情報と導線 |
5.競合整理 | 自社の違いを明確にする | 差別化ポイント |
①KPIを分解し、目標構造を設計する
最初に取り組むべきなのは、目標構造の整理です。
売上目標から受注件数を算出し、さらに案件化数、商談数、リード数へ分解していくことで、必要な母数が見えるようになります。
ここが曖昧だと、問い合わせ数は増えたが受注に結びつかない、といった状況から抜け出せません。

売上から逆算してKPIを設計することで、マーケティング施策と事業成果がつながります。
また、KPIはマーケティング部門だけで決めず、営業の実績値も踏まえて設定することが重要です。
商談化率はどの程度か
受注率はどの程度か
今の体制で対応できる件数はどの程度か
こうした現実的な数値を把握することで、無理のない設計ができます。
②ターゲット企業(法人)を定義する
BtoBではまず、どの企業群を狙うのかを明確にする必要があります。
業種、企業規模、対象地域、抱えやすい課題、単価感、導入までのリードタイムなどを整理することで、優先すべき市場が見えてきます。

BtoBでは“企業(組織)としてのターゲット”を定義することが重要です。
ここを決めずに情報発信をすると、メッセージが広がりすぎて、誰にも刺さらない状態になります。
受注確率が高いか
単価が見合うか
課題の切実度が高いか
成果が出る企業は、こうした観点を踏まえながら、狙うべき組織を絞っています。
③ペルソナ(個人)を設計する
企業ターゲットを定義しただけでは不十分です。
実際に情報を集め、比較し、社内で検討を進めるのは個人だからです。
担当者と決裁者では役割も関心も異なるため、誰が情報収集を行い、誰が最終判断に関わるのかを具体化する必要があります。

企業ターゲットに加えて、実際に情報収集・意思決定に関わる“個人”を具体化する必要があります。
部署、役職、ミッション、日常業務の課題、情報収集手段、重視する判断軸まで整理できると、記事や資料で伝えるべき内容がぐっと明確になります。
④カスタマージャーニーを設計する
次に必要なのが、顧客の検討プロセスを可視化することです。
顧客がどの段階でどのような疑問を持ち、どんな情報を必要とするのかを整理することで、各コンテンツの役割が決まります。

顧客がどのように検討を進めるのかを可視化することで、適切なタイミングで情報提供が可能になります。
記事、導入事例、サービスページ、ホワイトペーパー、セミナーなどは、それぞれ担うべき段階が異なります。
ジャーニーが整理できると、どこにコンテンツが足りないのか、どこで次の行動を促すべきかが見えるようになります。
⑤競合と自社のポジションを整理する
最後に、競合と比較したときの自社の立ち位置を整理します。単なる機能比較ではなく、競合がどの課題をどう訴求し、どこにCTAを置き、どんな構成で情報を見せているかを確認することが大切です。

競合の情報発信を分析することで、自社の差別化ポイントが明確になります。
この比較を通じて、自社がどの切り口で戦うべきか、どの情報が不足しているか、CTAの改善余地はどこかを整理できます。
競合分析は模倣のためではなく、選ばれる理由を明確にするために行うものです。
この設計ができていないと何が起こるか
リードは増えるが受注につながらない
設計が弱い状態では、流入やリード数だけが増えても、受注につながりにくくなります。ターゲットがずれていたり、営業に渡すタイミングが不適切だったりすると、商談化率や受注率が伸びません。
営業とマーケの認識がズレる
マーケティングが集めたいリードと、営業が受け取りたいリードの基準が揃っていないと、部門間の摩擦が起こります。これが続くと、施策改善よりも責任の押し付け合いが起きやすくなります。
施策の改善ができない
全体構造が見えていないと、どこが悪くて成果が出ないのか判断できません。結果として、毎回違う施策に手を出しながら、本質的な改善が進まない状態に陥ります。
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設計を自社でやる難しさ
全体を横断して考える必要がある
BtoBマーケティングの設計は、コンテンツや広告だけの話ではありません。ターゲット、営業連携、KPI、サイト構造、ナーチャリングまで横断して考える必要があります。
部門間の調整が必要
設計を実務に落とすには、営業、マーケティング、場合によっては経営層まで巻き込む必要があります。部門ごとの視点が異なるため、合意形成にも一定の負荷がかかります。
経験がないと精度が出ない
設計のフレームを知っているだけでは不十分で、実際にはどこを深く見るべきか、どこを簡略化すべきかといった判断が求められます。経験が浅いと、形だけの設計になってしまいがちです。
まずやるべきアクション
現状のマーケ設計を棚卸しする
まずは現在実施している施策を一覧化し、それぞれがどの顧客段階に向けた施策なのか、どのKPIに貢献する想定なのかを整理します。これだけでも、抜け漏れや重複が見えやすくなります。
KPIとターゲットの再定義
次に、売上から逆算したKPIと、狙うべき組織・担当者ターゲットを見直します。ここが定まると、優先的に改善すべき施策が明確になります。
顧客プロセスの可視化
最後に、顧客の検討プロセスを可視化し、各段階で必要な情報と導線を整理します。
検討段階 | 顧客が知りたいこと | 用意したい施策 |
|---|---|---|
課題認識 | 何が問題なのか | 記事、セミナー、ホワイトペーパー |
比較検討 | どの選択肢が合うのか | 比較資料、事例、サービス紹介 |
社内調整 | 社内でどう説明するか | 料金情報、導入フロー、稟議向け資料 |
これにより、記事や資料、営業接点がばらばらではなく、一つの流れとして機能する状態をつくりやすくなります。
戦略設計から支援を受けたい方へ
戦略設計は専門知識と経験が必要
BtoBマーケティングの成果は、施策の量よりも設計の質で大きく変わります。だからこそ、最初の設計段階で正しい視点を持つことが重要です。
外部パートナーを活用するメリット
外部パートナーを活用することで、自社だけでは見えにくい課題を整理しやすくなり、営業とマーケティングの橋渡しもしやすくなります。第三者視点が入ることで、優先順位づけも進めやすくなります。
まずは全体設計を整理したい方へ
「今の施策がつながっていない」「成果につながる設計から見直したい」と感じている方は、まずサービス資料のダウンロードやお問い合わせからご相談ください。
どこから見直すべきか整理したい
営業とマーケの連携を整えたい
施策を売上につながる形で再設計したい
全体設計の整理から実行フェーズまでを見据えて支援を受けることで、施策の再現性と成果の両立がしやすくなります。
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