【保存版】BtoBのリード獲得につながるコンテンツマーケティングの戦略設計から実行まで | 失敗しない施策の進め方

「コンテンツマーケティングに取り組んでいるのに、なかなか成果に結びつかない…」と悩んでいませんか。中堅・中小企業のBtoBマーケティング担当者の方からは、「リード獲得の量は増えたが質が低い」「場当たり的な施策になってしまい、営業に説明責任を果たせない」といった課題を多くうかがいます。

BtoBビジネスにおけるコンテンツマーケティングの成功は、単に記事やホワイトペーパーを作る「実行力」だけでは達成できません。その根底には、「誰に、何を、どう伝えるか」という戦略的な「設計力」が不可欠です。コンテンツは、顧客が能動的に情報収集を進め、最終的に「この会社に相談したい」という態度変容を促すための道筋でなければなりません。

この記事では、BtoBマーケティング担当者が直面する課題の根本原因を解き明かし、戦略設計からコンテンツ制作、そして営業連携まで、失敗しないための具体的な手順を解説します。2,000社以上のBtoBマーケティング支援実績から得られた実践的なノウハウに基づき、貴社のマーケティング活動を「施策の実行」から「事業貢献」へと昇華させるための道筋を提示します。

この記事の要点

・戦略不在が失敗の根本原因: コンテンツ制作が「目的化」し、獲得リードの質が低下する原因は、顧客の購買プロセスに合わせた「戦略設計」が欠けていることです。

・購買ファネルに合わせたコンテンツ設計: 潜在層から明確層までの購買フェーズごとに、提供すべきコンテンツ(記事、ホワイトペーパー、事例など)の役割が明確に異なります。

・事業貢献度を高めるKPI・ROI: 追うべき指標は「リード獲得数」だけでなく、「商談化率」「受注率」、そしてLTVとCACに基づくROI(投資対効果)の設計が不可欠です。

・部門連携の仕組み化が鍵: 営業部門と連携し、顧客の行動履歴や失注理由を共有する仕組みを構築することで、リードの質と商談化率の向上が実現します。

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BtoBコンテンツマーケティングで「成果が出ない」根本的な理由

BtoBコンテンツマーケティングで期待した成果が出ない背景には、場当たり的な施策実行の裏側に潜む構造的な課題が存在します。目の前の業務に追われるあまり、その構造に気づきにくいことが、マーケティング施策が停滞する大きな要因です。

コンテンツ施策が「目的化」してしまう3つの罠

多くのBtoBマーケティング組織が陥りがちなのが、コンテンツ制作や広告運用といった「施策の実行」が目的になってしまうという罠です。この背景には、以下の3つの要素が絡んでいます。

戦略が不在のままスタート: 「競合がやっているから」「流行っているから」といった理由で、「誰に、何を、どう伝えるか」という根幹の戦略設計がないまま施策が走り出してしまうケースです。コンテンツの目的が曖昧なため、制作の可否や優先順位がブレ、場当たり的な施策に終始してしまいます。

ノウハウ不足と属人化: BtoBマーケティング全般の知見を持つ人材が不足しているため、施策の成功ノウハウが個人に属人化したり、「とにかく記事を増やせばいい」「広告予算を増やせばいい」といった間違った方向に進みがちです。

内製化の弊害: コスト削減のために内製化したものの、エンジニアやデザイナーではない担当者がコードを書けないCMSや、複数ツールを跨いだ煩雑な運用環境のために、PDCAサイクルが回らず施策が停滞してしまいます。

獲得リードの「質」が低下し、営業との連携に亀裂が生じる構造

ひたすらに獲得リード数のみをKPIの唯一の目標に設定してしまうと、「リードの質」が低下し、結果として営業部門との分断を生み出します。

マーケティング部門: 「目標のリード数は達成した」と報告している

営業部門: 「獲得したリードの質が低く、商談化に結びつかない」とマーケティング部門への不満が集まる

このすれ違いは、最終的に「使えないリードに工数を割く営業」と「質の低いリードを量産するマーケター」という対立構造を生み、組織全体の受注効率を悪化させます。「商談化率」「案件化率」「受注率」といった質的な指標も合わせて追わなければ、この亀裂は埋まりません。

よく弊社へもマーケ担当の方から「営業部門との連携がうまく取れない」、「せっかく獲得したリードなのに、営業が全然フォローしてくれないため放置されたままになっている」といったご相談をいただきます。

マーケは「中長期を見据えた安定・確実的なリード獲得体制作り」営業は「今月、来月の売上達成のための案件創出とクロージング」というようにそれぞれ見ている時間軸が異なります。このように各部門のKPIへ集中するあまり、後続の部門の成果まで踏まえた動きができていないことで、上記の対立構造が要因となっているパターンが非常に多いです。

失敗を回避する鍵は「戦略設計」にある

施策が目的化する状態から脱却し、営業との連携を円滑にする鍵は、何よりも「戦略設計」にあります。

戦略設計とは、単なるWebサイトの設計やコンテンツのテーマ決めではありません。「事業の売上目標」から逆算し、「理想の顧客像(ペルソナ)」を定め、その顧客が商談に至るまでの「心理状態と行動(カスタマージャーニー)」を明確にし、全社的な「KPI設計」を行うことです。

この戦略的な土台を構築することで、施策一つひとつが「なぜ、そのターゲットに、そのメッセージを届けるのか」という明確な「意志」を持つようになります。この意志こそが、質の高いリード(MQL)を生み出し、営業部門が迷わずアプローチできる羅針盤となるのです。

BtoBコンテンツマーケティング成功のための全体像

成果の出るコンテンツマーケティングは、顧客の購買フェーズに合わせた「戦略の設計」と「コンテンツの配置」で決まります。ここでは、まずその全体像を把握しましょう。

成果に直結するコンテンツマーケティングの「3段階フェーズ」とは

(引用:ferret 「BtoBグロースステップ」)

BtoBマーケティングは、大まかに以下の3段階のフェーズに分けて考える必要があります。

目的設定・理想を描く(STEP 0): 自社に対するBtoBマーケティングの必要性の確認と、それを実行するための体制の用意、実施目標(3カ年)を見据え、実行に移る準備を整えるのフェーズです。

土台作り(STEP 1): ターゲットと強みを整理し、顧客起点で情報を提供するWebサイトを構築。PDCAを回すための計測環境を整備するフェーズです。

リード獲得の最大化(STEP 2): SEO、広告、メールマガジンなどを活用し、潜在層から顕在層までのリードを量的に集めるフェーズです。

MQLの最大化と営業連携(STEP 3・4): 獲得したリードの中から質の高いリード(MQL)を抽出し、育成(ナーチャリング)する仕組みを作り、営業にスムーズに連携するフェーズです。

中でもコンテンツマーケティングは、この全てのフェーズを支える根幹となる施策です。

購買ファネルに合わせたコンテンツの役割と設計(潜在層〜明確層)

顧客の検討段階(購買ファネル)によって、求めている情報は全く異なります。コンテンツを制作する際は、そのコンテンツがどのフェーズの顧客に、どんな態度変容を促すのかという役割を明確にすることが重要です。

(引用:ferret 「BtoBグロースステップ」)

検討段階

顧客の状態

求める情報(コンテンツの役割)

潜在層

課題に気づいていない

課題の存在に気づき、興味を持ってもらう(例:業界トレンドの調査レポート)

準顕在層

課題は感じているが、情報収集はしない

課題の解決策があることを認知してもらう(例:課題解決型のホワイトペーパー、ノウハウ記事)

顕在層

解決策を積極的に探している

自社サービスが最良の解決策であることを理解してもらう(例:サービス資料、導入事例)

明確層

具体的な発注先を絞り込んでいる

意思決定に必要な情報を提供し、商談・契約の後押しをする(例:料金プラン、上申資料)

コンテンツを単に制作するだけでなく、どのフェーズの顧客が触れるのかを意識し、次のフェーズへ進むための「はしご」となるように設計しましょう。

BtoB特有の「意思決定フロー」を理解したコンテンツ設計の考え方

BtoBビジネスでは、意思決定に関わる人が複数いる(担当者と決裁者)ことや、検討期間が長いといったBtoCとは異なる特性があります。コンテンツ設計においても、この複雑性を解消するための配慮が必要です。

担当者向け: 「導入後の具体的なイメージ」や「使いやすさ」を訴求する実務的なノウハウや操作デモ動画などが必要です。情報収集の入り口となるSEO記事や課題解決型のホワイトペーパーが有効です。

決裁者向け: 「投資対効果(ROI)」「導入実績(特に有名企業)」「事業への貢献度」といった費用対効果と信頼性を裏付ける情報が必要です。稟議書に添付しやすい事例集や比較資料が有効です。

コンテンツを制作する際は、誰が、どのタイミングで、どういう目的でこの情報を活用するのかを常に意識し、一つのコンテンツが担当者の情報収集と決裁者への上申の両方をサポートできるように設計することが成功の鍵となります。

成功に導く「戦略設計」の具体的な進め方

戦略の重要性を理解した上で、実際に成果の出るコンテンツマーケティングの戦略をどう設計すべきか、具体的なステップで解説します。

顧客解像度を高める「ペルソナ・カスタマージャーニー」の再構築

既にマーケティング施策に着手している企業であっても、初期に設定したペルソナ(理想の顧客像)やカスタマージャーニー(購買プロセス)が、現在の顧客の「リアルな声」や「行動」と乖離していないか、再構築が必要です。

行動ログの分析: 獲得リードの行動履歴を分析し、商談や受注に至った顧客が「どの記事を見ていたか」「どの資料をダウンロードしたか」「どのページに再訪問したか」といった「勝ちパターン」を特定します。

営業からのフィードバック: 営業部門から、「顧客が商談時にどのような言葉を使うか」「失注した主な理由」「競合との比較で決め手となった要素」などの定性情報をヒアリングし、顧客の「真の課題」を深く理解します。

これらのインサイトを基に、ペルソナとカスタマージャーニーマップを「顧客のリアルな行動」に合わせてアップデートすることが、コンテンツの質を高める最も重要なステップです。

事業貢献度を高めるKPI・ROIの設計と目標設定

コンテンツマーケティングの評価指標は、単なる「リード獲得数」では不十分です。事業の成功に直結する「質的な指標」を組み込んだKPI・ROI設計が不可欠です。

指標

意味

なぜ重要か

MQL数

マーケティング活動で創出された、営業がアプローチすべき質の高いリード数

営業がフォローすべき対象を明確化し、部門間の連携をスムーズにする

商談化率

MQLが実際に商談に移行した割合

獲得リードの「質」を測り、マーケ施策のターゲット設計の妥当性を評価する

ROI

投資対効果(Return On Investment)

LTV(顧客生涯価値)とCAC(新規顧客獲得コスト)に基づき、マーケティング投資の経済合理性を経営層に説明するための最重要指標

目標設定は、売上目標(KGI)から逆算して、必要な受注数→案件化数→商談数→MQL数とブレイクダウンして算出します。特にROIにおいては、多くのSaaS企業でLTVがCACの3倍以上であることを健全性の目安としており、この基準を満たすための目標CPA(顧客獲得単価)を算出し、広告予算や施策の優先順位に反映させましょう。

営業活動と連動させる「セールスコンテンツ」の洗い出し

戦略設計の最終段階として、営業活動を直接的に支援する「セールスコンテンツ」を洗い出します。これは、顧客が商談や稟議のフェーズで「欲しい」と思う情報であり、マーケティングが一方的に作る「マーケティングコンテンツ」とは目的が異なります。

営業からの要望ヒアリング: 営業担当に「商談時に顧客からよく聞かれる質問」「競合との比較で困る点」「上長への稟議書に使える情報」を具体的にヒアリングします。

コンテンツの連携: 制作したセールスコンテンツ(料金プランの個別試算資料、業界特化の導入事例集など)を、営業がすぐに使えるよう共有する仕組みを構築します。

成果を最大化するコンテンツ制作と運用の実践ステップ

戦略に基づいたコンテンツを、リソースの制約内でいかに効率的かつ質の高く制作し、運用に繋げるかの実務的なノウハウを解説します。

リード獲得に強い「キラーコンテンツ」(WP/事例/記事)の優先順位

コンテンツ制作において、まず優先すべきは「キラーコンテンツ」の整備です。BtoBマーケティングにおいては、ホワイトペーパー(WP)と導入事例が特に重要です。

ホワイトペーパー(WP): 潜在層〜準顕在層のリード獲得に効果的です。単なる機能紹介ではなく、顧客の課題解決に役立つノウハウ提供を主眼に置くことが重要です。目安として最低3本のWPを整備することで、リード獲得の受け皿を広げられます。

導入事例: 顕在層〜明確層の受注意思決定の後押しに効果的です。顧客が「自分と同じ課題だ」と感じられるよう、業界別、企業規模別、課題別の事例を揃えることが重要です。目安として最低12件の事例記事をWebサイトに掲載することで、CVRの向上が期待できます。

SEO記事: 潜在層・準顕在層への新規流入を担います。WPや事例といったキラーコンテンツへの導線を張る役割も担うため、最低60本以上の記事数を目標に継続的な制作が必要です。

各コンテンツの役割を理解し、「WPを作ったから終わり」ではなく、記事からWP、WPからサービス資料へと顧客の態度変容を促す道筋を設計しましょう。

記事・ホワイトペーパー制作で「一次情報」を盛り込む重要性

コンテンツの質を高め、競合との差別化を図るためには、Googleが提唱するE-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)の観点から、「一次情報」を盛り込むことが不可欠です。

コンテンツの信頼性: 公的機関の統計データ、専門家のコメント、業界特化の調査レポートを引用することで、権威性と信頼性を高めます。

独自性の確保(E-E-A-Tの「経験」): 自社の成功事例(顧客のBefore/After)、顧客への独自アンケート結果、営業活動で得られた知見、製品開発の背景にあるノウハウなど、他社には真似できない「経験」に基づく情報を盛り込むことで、コンテンツの価値を最大化します。

単なる情報収集で書かれたコンテンツではなく、「この会社ならではの視点」が詰まったコンテンツこそが、顧客の心を掴み、信頼を勝ち取るのです。

リソース制約を乗り越える「制作体制」の選び方(内製/外注/常駐)

コンテンツ制作は時間がかかるため、特にリソースの限られた中堅企業では制作体制の確立が課題となります。

体制

メリット

デメリット

内製

ノウハウ蓄積、専門性、低コスト(外注費)

人的リソース負荷、品質のバラつき、属人化リスク

制作代行(外注)

プロの品質、リソース負荷軽減、納期が明確

コストが高い、商材への専門性に劣る可能性、内製ノウハウが溜まらない

人材常駐

戦略設計から実行までプロが伴走、ノウハウが社内に蓄積される、リソース不足解消

コストが高い、適切なスキルを持つ人材を見つけるのが難しい

コンテンツ制作リソースが不足しているが、戦略設計から実行、そしてノウハウの蓄積までを一本化したい場合は、プロによる伴走支援(人材常駐)や制作代行を検討するのも有効な選択肢です。特に「リソースはあるがノウハウがない」「ノウハウはあるが実行リソースがない」といった課題に応じて、必要な専門性とリソースを外部から補完することで、施策の停滞を防げます。

社内合意を形成するコンテンツ活用術

マーケティング施策の継続的な予算確保や、営業部門との建設的な協力体制構築のために不可欠な、「社内説得」のためのコンテンツ活用方法と連携の仕組みを解説します。

見込み顧客の社内稟議をスムーズに通すための上申コンテンツ(事例/比較資料)の作り方

商談フェーズの顧客は、最終的な「社内説得」のために情報収集を行っています。稟議をスムーズに通すためのコンテンツ(上申コンテンツ)を事前に用意し、営業に提供することが、受注率向上に直結します。

上申コンテンツの役割: 担当者が「このサービスは良い」と感じても、決裁者(事業部長、役員など)は「なぜ、この金額を投資すべきか」「導入リスクはないか」という視点で判断します。稟議資料は、これら決裁者の疑問を解消する内容でなければなりません。

事例の重要性: 特に同業界・同規模の成功事例は、上申における強力な武器となります。事例では、単なる成果だけでなく、「導入前の課題」「サービス導入の決め手」「導入後の具体的な変化(定量的な成果)」の3要素を具体的に記述し、決裁者が懸念を払拭できる説得力を持たせることが重要です。

部門間の連携を円滑にする仕組み

続いて、自社のマーケティングが生み出したリードを適切に営業部門へトスアップを行い、スムーズに連携を取って動くためには、顧客情報を一元管理する仕組みが不可欠です。顧客データを連携し、部門間で共通の顧客情報を持つことが重要です。

データ連携の設計: フォームで取得した顧客の基本情報に加え、Webサイトの行動履歴、メールの開封・クリック履歴、営業が入力した商談ステータスや失注理由といった情報を集約します。

共通認識の構築: この一元化されたデータをもとに、マーケティングと営業が「どのリードが今、最も熱いのか(MQLの定義)」「どの施策が質の良いリードを生んでいるか」について、データに基づいた共通認識を持つことができます。

これらのデータ周りの整備を行い、マーケのCV情報→営業の商談情報→マーケへ情報をフィードバックする流れを作ることにより、自社のターゲットを見失わず、適切にコンテンツ発信を行い続けていくことができるのです。

コンテンツマーケティングの「よくある失敗」と回避策

2,000社以上のBtoBマーケティング支援実績から得られた知見に基づき、コンテンツ施策で多くの企業が陥りがちな失敗パターンと、その回避策を具体的に紹介します。

中堅企業が陥りがちな3つの失敗パターン(リソース・戦略編)

「戦略なき施策」を実行してしまう: 「誰に、何を」が曖昧なまま、「とりあえず記事を60本」「とりあえずWPを3本」といった目標を立て、施策が目的化して失敗するパターンです。

回避策としてはコンテンツ制作を行う前に、必ず戦略設計(ペルソナ、カスタマージャーニー、KPI設計)を行い、「なぜそれを作るのか」という羅針盤を持つことです。

仮説ベースでも良いのでこうした立ち返る「基準」を作ることで、「CVした顧客がターゲットではなかった」「商談には繋がらないリードだった」という振り返りが正しく行えるようになります。

リソース制約による停滞: 制作リソースやノウハウが不足しているにも関わらず、すべてを内製化しようとしてPDCAサイクルが回らず停滞するパターンです。

回避策としては記事制作や運用の一部を外部のプロに代行・常駐支援として依頼し、「内製化のノウハウ蓄積」と「施策実行スピードの維持」を両立することです。

よくあるパターンとしては「これまで付き合いのあった外部パートナーで成果が思うように生まれず、社長が外注することに対して良いイメージを持っていない」といったケースが見られますが、マーケティングは専門知識が求められる上、施策の量も一定動かさなければならないため、戦略と戦術を同時に社内で進めようとすると、マーケの人材が潤沢ではない内製ではかえってスピード感不足になるケースが多いです。専門知識が必要またはリソースがかかる部分については線引をしっかり行い、適切に外部の助けを借りることも選択肢として考えることをおすすめします。

営業連携の放棄: 獲得リードの質が悪いという営業からのフィードバックに対し、「営業のフォローが悪い」と責任を押し付けあい、獲得リードの質改善に着手しないパターンです。

回避策は「共通の目標(新規売上額など)」を持ち、獲得リードの「質」(商談化率)を計測して、データに基づいた改善議論を行うことです。ポイントとしては、営業部門に対して「小さな成功体験」を積んでもらうこと。
まずは小規模で良いのでマーケ部門で獲得したリードに対して、営業にフォローしてもらいつつ、「商談が生まれた」「有効な商談になった」「マーケのリードから受注が1件生まれた」というポジティブな事例を作り、社内の協力を得やすくすることから始めていくことが重要です。

質の高いリードを見極める「行動検知」とナーチャリングの基本

検討度の低いリードを放置せず、適切なタイミングで営業にトスアップするためには、スコアリングのような複雑な仕組みに依存せず、「検討度の高い特定の行動(HOTアクション)」を検知するシンプルな仕組みが有効です。

HOTアクションの定義: 「料金ページに再訪問した」「導入事例をダウンロードした」「特定セミナーに申し込んだ」など、検討度が高いと推測できる単一の行動をHOTアクションとして定義します。

1アクション1検知の仕組み: これらのHOTアクションを検知した際、リアルタイムで営業担当者に通知する仕組みを構築します。これにより、顧客の検討モチベーションが最高潮に高まった「まさにその瞬間」を逃さず、営業がタイムリーにアプローチできるようになります。

まとめ

BtoBコンテンツマーケティングの成功は、単なるコンテンツの量や派手なデザインではなく、顧客起点での戦略設計と、それを支えるPDCAサイクルを回し続ける実行力にかかっています。

特に中堅・中小企業のマーケティング担当者の方々が事業貢献を最大化するためには、戦略設計、質の高いコンテンツ制作、そして営業連携の仕組み化が不可欠です。

もし現在、「施策が場当たり的で成果が出ない」「リソースやノウハウが不足している」「営業連携がうまくいかず質の高いリードが増やせない」といった課題に直面しているなら、その根本原因は戦略の土台にあるかもしれません。

2,000社以上の豊富な実績と体系化されたBtoBノウハウを持つferretソリューションは、貴社の事業フェーズに合わせ、戦略設計から実行、内製化までを柔軟に支援します。この土台作りに課題を感じる場合は、ぜひ専門家の支援を検討してみてください。

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菊池 貴行(きくち たかゆき)
菊池 貴行(きくち たかゆき)
金融機関、メディア運営会社を経て2018年より株式会社ベーシックへ入社。 ferret Oneカスタマーサクセス部にて、オンボーディングチーム立ち上げメンバーとして活躍し、顧客の「BtoBマーケティング」の立ち上げ支援を行い、 担当社数は累計120社以上。 製造業・ITサービス・コンサルティングサービスなど、有形から無形の幅広い業界の企業に対して、各社の事業理解から組織状態など踏まえた顧客に 寄り添った戦略設計や施策の設計などマーケティング支援を行う。 現在はマーケティング部にてセミナーの企画から講師を担当し、これまでに支援してきた豊富な経験をもとにした、実務に使えるセミナー内容に定評がある。

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