BtoBオウンドメディアの5つの失敗パターンとは?立ち上げ期〜成熟期に押さえるべきポイントを解説
「オウンドメディアを立ち上げたものの、コンテンツ作成がゴールになってしまい、事業の売上に貢献できていない…」「記事を増やしているのに、一向に商談に繋がるリードが獲得できない…」「リソースが不足していて、効果的なPDCAが回せず手探り状態だ…」
このように、オウンドメディア運用に多大な時間とコストを投資しても、期待する成果が得られず悩んでいるBtoBマーケティング担当者の方は少なくありません。特にリソースが限られている中堅・中小企業のマーケティングチームにとって、オウンドメディアの失敗は事業成長の大きな足かせとなります。
本記事では、BtoBオウンドメディアが失敗する典型的なパターンを分析し、失敗を回避するために最も重要となる戦略設計の具体的なステップと、成果を継続的に出すための成功法則を解説します。2,000社以上のBtoBマーケティング支援実績から得られた実践的なノウハウに基づき、貴社が事業の成果に貢献できるオウンドメディアを構築するためのロードマップを提示します。
この記事の要点
BtoBオウンドメディアの失敗の多くは、コンテンツ制作を始める前の戦略設計の曖昧さに根本原因があります。
成果を出すためには、売上から逆算したKPI設計と、営業部門との密な連携体制の構築が不可欠です。
コンテンツは「作る」ことが目的ではなく、顧客の検討フェーズを引き上げる態度変容のコース設計に基づき、戦略的に制作・活用する必要があります。
リソースやノウハウが不足している場合は、戦略設計から実行支援まで対応できる専門パートナーの活用が、失敗を回避し最短で成果を出すための有力な選択肢です。
BtoBオウンドメディアの「よくある失敗パターン5選」と失敗の根本原因
オウンドメディアの失敗にはいくつかのパターンがありますが、多くの場合、コンテンツ制作や運用を始める前の戦略設計の曖昧さに根本的な原因があります。まずは、多くの企業が陥りがちな典型的な失敗パターンと、その根本的な原因を理解しましょう。
失敗①「コンテンツ作成」が目的化し、事業貢献に繋がらない
「記事をひたすら量産しているが、問い合わせや商談に全く繋がらない」というケースは、オウンドメディアの失敗事例で最も多く見られます。これは、オウンドメディアの目的が「コンテンツを作る」こと自体になってしまい、「事業の成果に貢献する」という本来のゴールを見失っているためです。
コンテンツの方向性が曖昧なまま記事を量産しても、読者が抱える課題と記事の内容がズレてしまい、結果的に「誰にも響かないコンテンツ」となってしまいます。その根本原因は、「誰のどんな課題を、どう解決できるのか」という戦略設計が曖昧なまま、施策が開始されていることにあります。戦略設計が欠如していると、コンテンツの企画や流入キーワード選定の軸がブレてしまい、事業貢献には繋がりません。
失敗②PDCAが回らず、改善施策が打てない(リソース・ノウハウ不足)
Webサイトの改修や新しいコンテンツの公開に、毎回のようにエンジニアやデザイナーの工数が必要になる場合、PDCAのスピードは著しく低下します。特に中堅・中小企業では、技術的なリソースが不足していることが多く、Webサイトの保守・運用が外注先の制作会社に依存しがちです。
結果として、コンテンツ公開やページの改善に長い納期と高額な費用がかかり、「施策を実行するコストが高止まり」してしまいます。また、コンテンツ制作のノウハウが社内に蓄積されず、常に外部に依存する体制から脱却できません。PDCAを高速で回せないため、成果が出ない要因を特定・改善する前に次の施策が始まり、常に「打ち手がない手探り状態」に陥ります。
失敗③営業部門と連携できず、リードが商談に繋がらない
マーケティング部門が獲得したリードが、営業部門で「アプローチする優先度が低い」「活用しづらい」と判断され、放置されてしまうマーケと営業の分断も典型的な失敗です。
原因として、獲得したリード情報が営業活動に活用できる粒度になっていないことや、マーケティング部門から営業部門への情報連携の仕組みがないことが挙げられます。また、コンテンツのテーマが顧客の「検討フェーズ」に合っていない(例:潜在層向けのノウハウ資料ばかりで、購買直前の顧客に必要な「事例」や「価格」の情報が不足している)ことも大きな要因です。これにより、せっかく獲得したリードが有効活用されず、商談化率や受注率の低下に直結してしまいます。
失敗④経営層の理解が得られず、継続的な予算が確保できない
オウンドメディアへの投資を「コスト」と見なされ、成果が見えないという理由で予算が削減されてしまうケースです。これは、オウンドメディアの成果を「売上(KGI)」に結びつけて説明できていないために起こります。
オウンドメディアは即効性の高い施策ではないため、短期的な成果(PV数や記事数など)だけを報告しても、経営層は投資対効果を理解できません。「この投資が、3年後にどれだけの売上貢献に繋がるのか」という費用対効果を定量的に示せないと、継続的な予算確保は困難になります。マーケティング活動が事業全体の目標から切り離され、「コストセンター」として見られてしまうと、オウンドメディアの存続自体が危ぶまれます。
失敗⑤サイト制作・運用体制が整わず、施策実行が滞る
CMSの操作が複雑で、非エンジニアの担当者ではコンテンツの更新やページの追加ができない場合、コンテンツ制作が滞り、施策の実行力が低下します。
また、Webサイトが古くなった際に「リニューアルをしたいが、サイト構造が複雑すぎてどこから手をつければいいかわからない」という状態も、運用体制の失敗です。特定の担当者や外部ベンダーに運用ノウハウが「属人化」してしまい、チーム全体でPDCAを回すための環境が整っていないことが、施策実行の大きな障害となります。コンテンツ制作のスピードが落ちると、旬な話題を逃したり、競合に遅れをとったりするリスクが高まります。
失敗を回避する!成果を出すための「戦略設計」3つのステップ
失敗の根本原因は、コンテンツ制作を始める前の戦略設計の曖昧さにあります。成果を出すためには、まずこの戦略設計を強固に設計し直すことが最重要です。
ステップ①理想の顧客像と課題を再定義する(組織・個人ターゲット)
BtoBビジネスでは、購入の意思決定が個人ではなく組織全体で行われるため、「組織ターゲット」と「個人ターゲット」の両方を定義する必要があります。
【組織ターゲット(企業)】 貴社のサービスを最も必要としている企業規模、業界、抱えている事業課題(KGI)を明確にします。特にリソースが限られる中堅・中小企業(従業員100名〜500名未満)の場合、「事業の生産性向上」や「デジタル人材不足の解消」といった、彼らが抱える切実な経営課題を軸に設定することが重要です。
【個人ターゲット(担当者・決裁者)】 その組織内で、「情報収集を行う担当者(起案者)」と「最終決裁を行う経営層(決裁者)」の2つの役割を具体的に定義します。例えば、担当者は「このツールは使いやすいか、リソースを削減できるか」という実務的な情報を求め、決裁者は「この投資は売上貢献に繋がるか、他社事例はあるか」といった経営的な情報を求めます。この違いを明確にすることで、各ターゲットに合わせた適切なコンテンツの企画が可能になります。
ステップ②競合が「打ち出していない強み」を明確化する
競合他社がWebサイトや広告でどのようなメッセージを打ち出しているかを徹底的に調査します。その上で、自社の強みを「顧客にとっての提供価値」という視点で明確化します。
自社の強みを洗い出す際は、ノウハウ、実績(導入社数)、技術(特許製品、独自の機能)といった「資産」を分解し、それが顧客の課題解決にどう活かせるかという文脈で整理します。競合が「機能の豊富さ」をアピールしているなら、自社は「非エンジニアでも簡単に運用できる操作性」を打ち出すなど、競合と差別化できる独自の優位性を見つけることが、成果を出すための鍵です。競合がまだ注力していない、潜在層向けの「ノウハウ提供」に焦点を当てるのも有効な戦略です。
ステップ③顧客の検討段階に合わせた「態度変容のコース」を設計する
コンテンツを単発で作るのではなく、顧客が「課題に気づいていない潜在層」から「具体的な発注先を決める明確層」へと進むための「態度変容のコース」を設計します。これがカスタマージャーニーマップの核心です。
各検討段階で、顧客が「次に知りたい情報」と、コンテンツを読んだ後に「どういう状態になってほしいか(態度変容のゴール)」を定義します。例えば、「課題に気づいていない潜在層」には「業界のトレンドレポート」を提供し、「課題を認識してもらう」ことをゴールとします。一方、「発注先を絞り込んでいる明確層」には「導入事例」を提供し、「社内稟議の説得材料」を提供することをゴールとする、といった設計です。このコース設計が、コンテンツ企画の揺るぎない土台となります。
BtoB企業が知るべき「成果に繋がるコンテンツ」の種類と設計
戦略設計に基づき、オウンドメディアで実際に制作・活用すべきコンテンツの種類と、その役割を明確にしましょう。
検討フェーズ別に見る「コンテンツマップ」の作り方
顧客の検討フェーズと、そのフェーズで必要なコンテンツ、取るべきCTA(次の行動喚起)は以下の通りです。このマップに基づき、自社に不足しているコンテンツを見つけることが重要です。
検討フェーズ | 顧客の状態 | コンテンツの役割 | 代表的なコンテンツ | CTA (次のアクション) |
|---|---|---|---|---|
潜在層 | 課題がない/気づいていない | 課題の存在を示唆し、認知させる | 調査レポート、トレンド記事 | 「課題示唆系」のホワイトペーパー |
準顕在層 | 課題はあるが情報収集はしない | 課題解決策の存在を認知させる | ノウハウ記事、課題解決型WP | 「課題解決型」のホワイトペーパー |
顕在層 | 解決策を積極的に探している | 自社サービスを比較検討させる | 事例記事、LP、サービス比較WP | サービス紹介資料、無料デモ |
明確層 | 発注先を絞り込んでいる | 導入の意思決定を後押しする | サービスサイト、価格表 | 問い合わせ、個別相談 |
成果に貢献したコンテンツ事例(従業員300名規模の製造業のケース)
「自社に近い企業の成功事例」は、特に中堅企業の社内稟議を進める上で大きな後押しになります。
ある従業員300名規模の製造業の企業様は、従来の「営業の属人化」という課題を解決するためにWebマーケティングを立ち上げました。戦略設計に基づき、特に「同業界の成功事例」と「自社の強み(製品の企画・製造まで一貫サポート)」を明確に打ち出すコンテンツに注力。
その結果、Webサイト経由の問い合わせ数が1.6倍に向上し、受注率も改善しました。これは、「製造業特有の課題」を抱える担当者にとって、「自社と同じ製造業で成果が出ている」という事例が、「うちでも成功できる」という成功イメージの想起と「この会社なら信頼できる」という安心感に繋がったためです。特に決裁者は、感情論ではなく客観的な実績を重視するため、「第三者の声」である事例コンテンツは、稟議を通すための強力な材料となります。
コンテンツ制作の内製・外注を判断する基準とリソース確保の考え方
コンテンツ制作を内製するか外注するかは、「コンテンツの品質を担保できるか」と「社内リソースへの負荷」のバランスで判断すべきです。
比較軸 | 内製(自社で制作) | 外注(制作代行) |
|---|---|---|
品質 | 社内にノウハウがない場合、担保が難しい | 経験値に基づくプロの品質を担保できる |
費用 | 社外に発注するより低コスト | 外注コストがかかる |
専門性 | 商材について高い専門性が期待できる | 内製と比較し、商材への専門性に劣る場合がある |
リソース負荷 | 社内リソースに負荷がかかる | 社内リソースの負荷を抑え、他作業に充てられる |
高品質のコンテンツを安定的に制作・供給し、かつ社内リソースの負荷を抑えるためには、専門パートナーによる制作支援を活用するのも有効な手段です。
ferretソリューションでは、リソース不足でコンテンツ施策が滞る企業様向けに、SEO記事、ホワイトペーパー、導入事例などのコンテンツ制作支援サービスを提供しています。プロのノウハウを活かした質の高いコンテンツが安定的に供給可能となり、貴社のブランド力を高めながらリード獲得を促進します。
オウンドメディアの費用を「コスト」でなく「事業成長への投資」として社内説得を行う方法
オウンドメディアの導入を成功させるには、初期投資を「コスト」ではなく「事業成長への投資」と経営層に認識してもらうことが不可欠です。ここでは、ROIを定量的に示し、社内稟議を通すための具体的な手順を解説します。
KGI(売上目標)から逆算するKPI・CPAの考え方
オウンドメディアのROIを説明するためには、KGI(売上目標)から逆算して、コンテンツ施策の成果であるリード獲得数(KPI)を設定します。
具体的には、「受注数(KGI)× 受注単価 = 売上」の達成に必要な「案件化数」→「商談数」→「リード数」を、過去の実績に基づく歩留まり(転換率)の目安を交えて算出します。
また、獲得リードの質を測る指標として、LTV(顧客生涯価値)を算出し、それに対するCPA(顧客獲得単価)の適正値を設定します。とくにSaaS企業では、「LTVの1/3以下を獲得コストとする(ユニット・エコノミクス)」という目安があり、この適正値を守ることで、「この投資は費用対効果が高い」と定量的に示すことができます。
経営層への説得材料となる「費用対効果のシミュレーション」
オウンドメディアへの投資を「コスト」ではなく「投資」として示すには、将来の売上貢献を具体的に予測することが求められます。
「オウンドメディアへの投資で、3年後にどれだけの売上貢献が見込めるか」を試算するためのシミュレーションテンプレートの例と、その算出に必要な「戦略設計」が土台となることを解説します。このシミュレーションは、以下の項目を含むことで説得力を持ちます。
このシミュレーションを成立させるためには、初期の段階で「ターゲット」「競合優位性」「歩留まりの転換率」といったデータに基づいた「戦略設計」が不可欠となります。戦略設計が甘いと、シミュレーションの数値も根拠のないものとなり、経営層の納得は得られません。
マーケティングの課題を「経営課題」として提言する社内合意の図り方
オウンドメディアの導入を稟議として進める際は、「コンテンツを作りたい」というマーケティング部門の希望としてではなく、「営業の属人化」「新規リードの頭打ち」といった事業全体の構造的な課題を解決するための施策として提言する必要があります。
オウンドメディアの導入は、コンテンツ制作によるリード獲得だけでなく、「戦略設計の曖昧さ」や「部門間の連携不足」という構造的な課題を解決し、「事業成長の土台構築」に繋がることを説明しましょう。特に、「ターゲット・ペルソナ設計」「競合優位性の明確化」「KGI/KPIの統一」「3カ年計画の提示」といった戦略設計の具体的な成果が、部門間の共通認識を生み、社内合意形成を強力に後押しします。
オウンドメディアを成功に導く、支援パートナー選定の3つの評価軸
リソース不足やノウハウ不足を補い、オウンドメディアの導入を成功させるには、適切な支援パートナーの選定が不可欠です。ここでは、失敗しないための評価軸を3つ紹介します。
評価軸①戦略設計を重視し、「誰に・何を・どう解決するか」を共に定義できるか
オウンドメディアの失敗の根本原因は「戦略設計の甘さ」にあるため、単に制作や運用代行だけを行うパートナーではなく、戦略立案から伴走し、ターゲットの再定義、競合優位性の明確化、そして営業戦略まで含めた全体設計を支援できるパートナーを選ぶべきです。
ferretソリューションでは、この戦略設計を最重要視しています。ペルソナ、カスタマージャーニーマップ、営業戦略との連携を網羅的に支援するサービスを提供することで、コンテンツ制作に入る前に「誰に何を届けるか」というブレない軸を確立し、施策実行の目的化を防ぎます。
評価軸②体系化されたBtoBノウハウと豊富な実績があるか
BtoBマーケティングは、意思決定者の多さ、検討期間の長さ、購買動機の論理性の高さなど、BtoCとは異なる特有の難しさがあります。そのため、BtoB事業に特化したノウハウを持つパートナーを選ぶことが、失敗を避ける上で重要です。
評価軸③制作・運用代行や人材派遣など「柔軟な支援体制」を構築できるか
特に中堅・中小企業が抱える「人的リソース不足」の課題に対応できる柔軟性も、重要な評価軸です。
コンテンツの品質を担保しつつ継続的に施策を実行するには、「コンテンツ制作代行」や、日々のWebサイト運用やレポート作成などの定型業務を任せられる「マーケティング作業人材の常駐」など、「単発施策から包括支援まで」支援範囲を柔軟に調整できる体制が求められます。これにより、貴社の状況に合わせた最適なリソース配分を実現し、運用負荷を大幅に軽減できます。
BtoBオウンドメディア成功に向けた、3ステップのロードマップ
BtoBマーケティングにおける「BtoBグロースステップ」の考え方に基づき、オウンドメディアの立ち上げから成果創出までの具体的なロードマップを3つのステップでご紹介します。
立ち上げ期: 最低限必要な13の必須ページを整える
まず、BtoBサイトとして最低限の信頼を獲得し、CVの受け皿となる「必須の13ページ」を整備します。
- TOPページ:何のサイトか、どんな価値を提供できるかを端的に伝える。
- サービス紹介:機能・サービスの詳細を顧客の課題解決視点で解説。
- 導入事例(一覧/詳細):成功イメージと信頼性を訴求するキラーコンテンツ。
- プラン/価格:導入検討に必要な費用感を明確に示す。
- 資料ダウンロード/お問い合わせ:CVのための明確な導線(CTA)。
- 会社概要/プライバシーポリシー/利用規約/ニュースリリース/よくある質問:信頼性を担保する必須情報。
サイト公開前には、ドメイン設定、SEOの基本設定、そしてCTAの設置とサービス紹介資料の準備を完了させ、最低限のCV(コンバージョン)の受け皿を準備しましょう。
成長期: EFOや事例コンテンツの充実でCVRを改善する
サイト公開後、流入数が安定してきたら、次にCVR(コンバージョン率)の改善に焦点を移します。
EFO(エントリーフォーム最適化): 入力項目を必要最低限に絞り込み、入力所要時間を明記するなどしてフォームからの離脱率を改善します。ただし、営業に必要な顧客情報(業種、役職など)を確保できる最低限の項目は残し、CVRと営業効率のバランスを取ることが重要です。
事例コンテンツの充実: 「自社に近い(業種・規模・課題)」事例コンテンツを最低12本以上に増やし、読者に「信頼の獲得と成功イメージの想起」を促します。事例記事から「事例集ダウンロード」といったCTAを設置することで、有望なリード獲得を最大化します。
成熟期: MQLの定義と営業連携を深め、受注率を最大化する
リード獲得が安定したら、リードの「量」から「質」への転換(MQLの最大化)と、受注率向上に注力します。
MQL(商談確度の高いリード)の定義: 「問い合わせ」「無料デモ申込み」といったCVポイントに加え、「料金ページに再訪問」「特定の事例記事を複数回閲覧」といった顧客の行動履歴に基づき、MQLの定義を営業部門と共通認識として確立します。
営業への迅速な情報連携: MQLが発生した際、顧客の行動履歴(アクセスしたページ、ダウンロードした資料など)を添えて、営業担当者に即座に通知する仕組みを構築します。これにより、営業は顧客の興味関心に基づいた適切なトークや提案資料を用意でき、商談化率の向上に繋がります。
失注リードのリサイクル: 失注したリードを放置せず、失注理由に応じて再育成(ナーチャリング)のシナリオに追加。再検討のタイミングで適切なコンテンツを提供し、機会損失の防止と受注数の最大化を目指します。
オウンドメディア失敗に関するFAQ
Q. どのCMSツールを選べば失敗しないですか?
CMS選定で失敗する主なパターンは、「非エンジニアが運用できない」「他のマーケティングツールとの連携ができない」ことです。これを避けるためには、「BtoBマーケティングに特化したオールインワンCMS」を選ぶことが最善の策です。
具体的には、Webサイトの制作機能、MA機能(メール配信、行動履歴分析)、そしてアクセス解析やCV管理機能がオールインワンで搭載されているツールを推奨します。これにより、ツール間のデータ連携の複雑さが解消され、非エンジニアのマーケティング担当者だけでもPDCAを高速で回せる運用体制が実現します。
BtoBマーケ特化型CMSツール「ferret One」の詳細はこちら
Q. オウンドメディアの運用体制は、何人から始めるべきですか?
オウンドメディアの立ち上げ期は、「専任の担当者1名」と、「顧客の解像度の高い人材(営業経験者など)」を含む「少数精鋭のミニマムスタート」を推奨します。コンテンツ制作は最初から全てを内製しようとせず、プロの知見を持つ外部コンサルを活用し、社内にノウハウを蓄積していく体制を整えるべきです。
その後の「成長期」には、コンテンツの量産が必要となるため、「コンテンツ担当」や「広告運用担当」など、施策の役割に応じたリソース(社内人材または外部パートナー)を追加で配置し、体制を拡大していくことが理想です。
まとめ
BtoBオウンドメディアの失敗は、「コンテンツを作ること」が目的化してしまい、その土台となる戦略設計(ターゲット、課題、強みの定義)が曖昧なことに起因します。成果を出すためには、まず事業のKGIから逆算したKPIを設定し、顧客の態度変容を促すコンテンツを、営業連携の仕組みを通じて届ける体制を構築することが重要です。
自社にノウハウやリソースがない場合、この戦略設計と施策の実行を自社だけで進めるのは非常に困難です。ferretソリューションは、2,000社以上のBtoB支援実績から得た体系化されたノウハウに基づき、戦略設計から、コンテンツ制作、Webサイト構築、そしてマーケティング人材の常駐まで、貴社の課題に合わせた柔軟な支援体制で成果にコミットします。
貴社のオウンドメディアを「コスト」ではなく、「売上と事業成長に貢献する資産」へと転換させるために、ぜひ弊社の専門家にご相談ください。












