BtoB企業が本当に選ぶべきSEOコンサルティング会社の見極め方

BtoBビジネスのマーケティング担当者様、SEO施策に注力しているのに「なかなか成果につながらない」「記事を増やしてもリードが増えない」といったお悩みはありませんか?

BtoB商材は、BtoCと異なり検討期間が長く、複数の決裁者が関わるため、そのSEO施策にはBtoB特有の戦略が必要です。場当たり的な記事の制作や、一般的なノウハウの導入だけでは、貴重なリソースが無駄になりかねません。

この記事では、既にSEOに取り組んでいるマーケティング担当者が、成果の壁を乗り越えるために知っておくべきSEO施策の構造的な課題と、本当に事業成長に貢献できるSEOコンサルティング会社を見極めるための具体的な4つの比較軸を解説します。

SEO投資の「費用対効果(ROI)」を経営層に明確に説明し、社内での合意形成をスムーズにする実践的なノウハウもご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

この記事の要点

  • BtoB-SEOの失敗は「戦略不在」が原因:単に記事を量産する「施策の目的化」を避け、事業目標に紐づいた戦略設計から着手することが重要です。

  • コンサル選定の4つの比較軸:「BtoBの意思決定構造の理解」「柔軟な支援体制」「戦略設計の重視」「同規模・同業界の実績」といったBtoB特有の観点で見極めましょう。

  • 成果に繋がるKPI設定:SEOの成果を流入数だけでなく、商談化率や受注率まで追いかける営業連携が成功の鍵となります。

  • リソース不足の解決策:SEO成功に必要な最低60本以上の記事コンテンツを確保するためには、コンテンツ制作支援やマーケティング人材常駐といった外部リソースの活用も有効です。

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なぜBtoBのSEO施策は成果が出ず、コンサルが必要になるのか

SEO施策が「なんとなく」で進んでしまう構造的な課題

多くのBtoB企業でSEO施策が停滞する原因は、施策の実行自体が目的化してしまうという構造的な課題にあります。

「競合がオウンドメディアをやっているから」「Webからの流入が欲しいから」といったあいまいな理由で施策を始めると、「記事を増やすこと」が目標になってしまいがちです。しかし、事業の最終目標である「売上や受注数」と、日々の「記事の制作本数」が紐づいていないため、成果が出ても出なくても、その施策が正しかったのかを評価できません。この「なんとなく」進む施策は、結果的に貴重な「リソースの無駄遣い」になりかねません。

BtoBマーケティングにおいては、まず事業目標を起点にSEO施策のKGI(最終目標)とKPI(中間目標)を設定し、すべての施策がその目標達成に貢献しているかを検証するPDCAの仕組みが必要です。

記事を量産しても成果が出ない「コンテンツ過多」の罠

闇雲に記事を量産しても成果が出にくいのは、ターゲットの検討段階に合致しないコンテンツばかりになっているためです。

BtoBの購買プロセスにおいて、顧客は「課題を認知する潜在層」から「発注先を絞り込む明確層」へと段階を踏んで情報を収集します。例えば、「○○とは」といった潜在層向けの基礎知識の記事ばかり増やしても、すぐに商談につながる顕在層のリードは獲得できません。

特にBtoBでは、企業の「課題解決」に直結する質の高いコンテンツが求められます。単に競合が書いているテーマを模倣するだけでは、「うちの会社の課題とは違う」「具体的な解決策がない」と判断され、記事からの離脱を招きかねません。

経営層への「ROI説明」ができない社内合意の壁

SEO施策は効果が出るまでに半年から1年程度の時間がかかります。そのため、短期的な成果を求める経営層に対し、「この投資は将来的にどれだけの収益を生むのか(ROI)」を明確に説明できないと、予算やリソースの継続的な確保が難しくなります。

感情論やあいまいな「PV数」「記事本数」の報告では、経営層の納得を得ることはできません。SEOへの投資を「将来の売上を生むための資産構築」と位置づけ、その投資対効果(ROI)をデータに基づき算出し、報告するためのフレームワークを用意することが、社内合意形成の壁を乗り越える鍵となります。

BtoB事業を成功に導くSEOコンサルティングの選び方

比較軸①BtoB特有の「意思決定構造」を理解しているか?

BtoCとBtoBの最も大きな違いは、複数の意思決定者が関わる複雑な購買プロセスにあります。

優れたSEOコンサルは、単にWebサイトの技術的な課題を指摘するだけでなく、「担当者が情報収集し、決裁者が稟議を通す」という組織の購買行動を理解しています。

  • リード獲得段階:担当者が検索する「課題解決」をテーマにしたコンテンツを提案できるか。
  • 意思決定段階:決裁者が最終的に確認する「費用対効果(ROI)」「導入実績」「競合優位性」などの情報を、コンテンツ内でどう提示すべきかを設計できるか。

このように、リード獲得の裏にある組織の購買プロセスを深く理解し、リードの質を高めるための施策を提案できるかが、SEOコンサル選定の重要な評価軸となります。

比較軸②戦略設計から実行支援まで「柔軟な体制」が組めるか?

BtoBマーケティング担当者の多くは、「リソース不足」や「ノウハウ不足」に悩んでいます。

コンサルティング会社を選定する際は、「戦略設計」といった上流工程の支援だけでなく、貴社のリソース状況に合わせ、記事制作代行やサイト改修サポートなど、必要な工程だけを支援できる柔軟な体制があるかを評価軸とすべきです。

特にBtoB業の場合、専任のSEO担当者が不在の場合や、マーケティング担当者が3〜5名程度の少数体制で運営しているケースも多いため、必要な時に必要なスキルを補完してくれるパートナーを選ぶことが、施策のスピードを落とさないために重要です。

比較軸③成果を出すための「戦略設計」を重視しているか?

小手先のSEOテクニックや記事の添削だけでは、根本的な課題解決にはつながりません。本当に成果を出すコンサルは、まず「戦略設計」を徹底します。

  • KGI/KPIの明確化:事業目標から逆算し、SEOが貢献すべき売上目標と、それを達成するための中間指標(KPI)を明確にします。
  • ペルソナ・カスタマージャーニーの定義:誰に、どんなメッセージを、どのタイミングで届けるかを明確にするため、ターゲット像と購買プロセスを深く掘り下げます。
  • コンテンツ戦略の策定:ペルソナとカスタマージャーニーに基づき、どのフェーズの顧客にどのようなコンテンツを提供すべきか、優先順位を明確にします。

戦略設計が不明確なまま施策を進めると、「リソースの無駄遣い」に直結します。コンサルが、初期段階でこれらの上流工程の設計にどれだけコミットするかを見極めましょう。

比較軸④自社と「同規模・同業界」の成功事例があるか?

大手企業の派手なSEO成功事例は魅力的ですが、中堅・中小企業は大手企業と予算やリソース、組織構造が大きく異なります。そのため、自社と同規模・同業界の成功事例を持つベンダーが、より現実的なノウハウと再現性の高い戦略を提供できるといえます。

特に製造業やITソリューション系など、BtoB特有の複雑な商材を扱っている場合、その業界知識や顧客が抱える具体的な課題を理解しているコンサルでなければ、刺さるコンテンツを企画することはできません。自社のターゲット企業に近い企業への支援実績や、特定の業界に特化したノウハウを持っているかを、具体的な事例を通じて確認を行うようにしましょう。

失敗しないBtoB向けSEOの進め方

SEO施策を成功させるためには、場当たり的な記事制作ではなく、「戦略設計」から着手することが最も重要です。

なぜ「戦略設計」が甘いとSEO施策が頓挫するのか

ターゲット、強み、購買決定要因(KBF)が曖昧なまま施策を進めると、施策の方向性がブレるだけでなく、PDCAの評価基準も定まりません。その結果、「この施策が本当に売上に貢献しているのか?」という疑問に答えられず、リソースの無駄になってしまいます。

この問題を回避するには、事業目標を起点とした戦略設計が不可欠です。ferretソリューションは、2,000社以上のBtoB支援実績から体系化したノウハウに基づき、事業目標とKGI/KPIの明確化、ターゲット像(ペルソナ)と購買プロセス(カスタマージャーニー)の定義を行う戦略設計の支援を提供しています。戦略の土台を固めることで、その後のSEO施策が成果に直結しやすくなります。

成果に直結する「ペルソナ・カスタマージャーニー」設計

SEOコンテンツの企画において、ペルソナとカスタマージャーニーマップは不可欠です。

特にBtoBでは、「組織」と「個人」の両ターゲットを考慮し、情報収集プロセスを定義することが重要です。

  • 組織ターゲット:業種、企業規模、抱える事業課題など、「企業として」の商品選定条件を定義します。
  • 個人ターゲット:役職、役割、情報収集の手段など、「担当者として」の行動特性を定義します。

この設計を通じて、「顕在層が検索しそうな比較キーワード」や「潜在層が関心を持つノウハウ記事」といった、顧客の課題解決に合わせたコンテンツのアイデアが生まれます。

営業活動と連携する「KPI設定と社内合意」の進め方

SEO施策の最終的な成果は「受注額」です。そのため、SEOのKPIをリード獲得数だけでなく、商談化率や受注率まで追いかける営業連携が不可欠となります。

BtoBマーケティングの目標設定は、「受注数」から「案件化数」「商談数」へと逆算して必要なリード数を算出するトップダウンのアプローチが基本です。

このKPIを営業部門と共通目標として設定することで、「どの施策で獲得したリードの質が高いか」「どのような訴求が商談につながりやすいか」といった定性・定量的なフィードバックを営業から得られ、SEOコンテンツの軌道修正が可能になります。

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BtoB-SEOの実行体制を内製化/外注で確保する方法と検討軸

記事制作・分析リソース不足を解消する「コンテンツ制作支援」の考え方

SEO施策で成果を出すためには、最低でも60本以上、理想的には120本以上のコンテンツが必要になるというデータがあります。マーケティング担当者が他の業務と兼任しながらこの本数を内製で賄うのは、現実的に困難です。

内製でのリソースが不足している場合は、記事制作代行やホワイトペーパー制作支援といった外部リソースの活用が有効です。ただし、単に記事を外注するだけでなく、「BtoBのノウハウを体系化した専門家」に依頼することで、ターゲットの課題に深く刺さる質の高いコンテンツを効率的に確保できます。

社内の専門人材を確保する「マーケティング人材常駐」という選択肢

「社内に専門知識を持つ人材がいない」「ノウハウが属人化している」といった課題を持つ企業にとって、SEOの専門家を社内に招き入れる「マーケティング人材常駐」は、有効な選択肢です。

外部のプロ人材が貴社のチームに常駐することで、ノウハウの内製化を支援しながら、施策実行のスピードを確保できます。特に、Webサイトの改修やSEO分析は専門知識が求められるため、プロ人材の支援を受けることで、「知識の問題」「人の問題」を同時に解決し、PDCAサイクルを高速化できます。

内製と外注の費用対効果(ROI)を比較する評価軸

SEO施策の投資判断は、その「費用対効果(ROI)」に基づいて行うべきです。ここで重要なのが、LTV(顧客生涯価値)とCAC(顧客獲得コスト)の関係性です。

一般的に、BtoB事業の健全な成長のためには、「LTVの3分の1以下をCACとする」というベンチマークが目安とされます。

  • SEOのCPA(顧客獲得単価):SEOコンサルティングの費用相場は、月額30万円〜50万円以上が一般的です。
  • LTVとの比較:貴社の受注単価や契約継続期間からLTVを算出し、このCPAがLTVの3分の1以下に収まっているかを常にモニタリングする必要があります。

内製は直接的なコストは抑えられますが、ノウハウ不足による「機会損失」という見えないコストが発生するリスクがあります。一方、外注はコストがかかりますが、プロのノウハウで短期間に質の高い成果を得られる可能性があります。この両者をLTV・CACの視点で比較し、自社に最適な投資判断を行いましょう。

【BtoB企業向け】SEO投資対効果(ROI)を経営層に報告するフレームワーク

SEO投資が事業成長に貢献した企業の成功事例

従業員300名規模のある製造業の企業様は、「従来の展示会やテレアポに依存した集客からの脱却」を目指し、SEO施策に注力されました。初期段階ではWebからの問い合わせが月に数件でしたが、戦略設計を徹底し、ターゲットの「課題解決」に特化したコンテンツを記事制作代行で約60本集中的に制作・公開しました。

その結果、半年後にはWebサイトへのオーガニック流入が約3倍に増加し、リード獲得数は月間30件を超えました。特に、SEO施策を導入したことで「内製化による広告依存度の低下」「安定的な集客チャネルの確保」が実現し、経営層からは「将来の事業成長の土台ができた」として高い評価を得ました。

このように企業にとってSEOは、単なる集客手段ではなく、安定した事業成長を支える強固な基盤となり得るのです。

SEOの成果を「リード獲得数」から「受注額」へ紐づける算出方法

経営層に響く報告をするには、SEOの成果を最終的な売上に紐づけることが必須です。

BtoBマーケティングでは、「受注額から逆算して必要なリード数を算出する」という基本の考え方を活用し、SEOリードのROIを報告します。

指標

算出方法

経営層への意味合い

リード数

受注数から逆算した必要リード数

事業目標達成のための「種まき量」

商談化率

商談数 ÷ リード数

リードの「質」と営業連携の効率

受注率

受注数 ÷ 案件化数

「営業のクロージング力」

ROI

(売上額 - 投資額) ÷ 投資額

「投資対効果」

SEO施策が最終的に「いくらの売上」に繋がったのかを示すレポートを、SFA/CRMツールと連携して作成することが、データに基づく議論の土台となります。

BtoB SEOコンサルティングに関するよくある質問(FAQ)

Q.SEOの成果が出るまでの期間の目安は?

一般的に、SEOの成果が出るまでには半年から1年程度の時間がかかります。

そのため、BtoBマーケティングの初期段階では、短期的な成果が見込める広告運用を同時に行い、Webサイトへの流入を確保しつつ、その間にSEO施策を中長期的な資産として構築していくハイブリッドな戦略が有効です。

Q.既に公開している記事のリライトだけでも効果はありますか?

はい、リライトは非常に効果的な施策の一つです。特に「検索順位が11〜20位にいる記事」は、少しの改善で一気に上位表示される可能性が高いため、優先的にリライトすべきです。

リライトの際は、以下の3点に焦点を当てましょう。

  • タイトル・ディスクリプションの改善:検索意図に合ったキーワードを含め、クリック率(CTR)を高めるよう調整します。
  • 記事構成の最適化:ユーザーの疑問に網羅的かつ簡潔に答えられるよう、見出しの順番や構成を見直します。
  • 一次情報(自社ノウハウ)の追加:競合にはない自社の成功事例や独自の分析データを追加し、記事の専門性・信頼性を高めます。

まとめ

BtoBマーケティングにおけるSEO施策の成功は、単なる記事制作の技術ではありません。その根幹には、「戦略設計」「リソースの確保」「社内合意形成」という、事業全体を見据えた3つの要素が不可欠です。

特に、「成果が出ない」「リソースが不足している」といった課題を抱える中堅・中小企業のマーケティング担当者様にとって、場当たり的な施策の実行は、リソースの無駄遣いに直結します。

BtoBマーケティングの戦略を見直したい、専門家の支援を受けたい、リソース不足を解消したいというお悩みを抱えている場合は、2,000社以上のBtoB支援実績と体系化されたノウハウを持つパートナーの活用も検討することで、施策成功の確率を上げられます。

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菊池 貴行(きくち たかゆき)
菊池 貴行(きくち たかゆき)
金融機関、メディア運営会社を経て2018年より株式会社ベーシックへ入社。 ferret Oneカスタマーサクセス部にて、オンボーディングチーム立ち上げメンバーとして活躍し、顧客の「BtoBマーケティング」の立ち上げ支援を行い、 担当社数は累計120社以上。 製造業・ITサービス・コンサルティングサービスなど、有形から無形の幅広い業界の企業に対して、各社の事業理解から組織状態など踏まえた顧客に 寄り添った戦略設計や施策の設計などマーケティング支援を行う。 現在はマーケティング部にてセミナーの企画から講師を担当し、これまでに支援してきた豊富な経験をもとにした、実務に使えるセミナー内容に定評がある。

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