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BtoBマーケティング施策一覧 - フェーズ別ロードマップ【最新版】

BtoBマーケティングの施策は、認知獲得・リード獲得・育成・商談化・顧客維持の5フェーズに分類でき、代表的な手法は20種類以上にのぼります。しかし、すべてを同時に実行する必要はありません。自社が今どのフェーズにいるかを見極め、優先度の高い施策を3つに絞って小さく始めることが、成果を出す最短ルートです。本記事では、BtoBマーケティング施策の全体像をフェーズ別に一覧で整理し、初心者が「何から始めるか」を判断できるロードマップを提供します。


「上司からマーケティングを強化しろと言われたけれど、施策が多すぎて何から手をつければいいか分からない」——BtoBマーケティングの担当者になったばかりの方なら、一度はこう感じたことがあるのではないでしょうか。

SEO、ホワイトペーパー、ウェビナー、MA、ABM……。調べれば調べるほど施策の種類は増え、どれも重要そうに見えます。しかし、これまで営業だけに任せていた「売り上げをつくるプロセス」にマーケティングを組み込んで再編成し、営業の生産性を引き上げることがBtoBマーケティングの本質です。

この記事では、BtoBマーケティングの施策を5つのフェーズに分けて一覧で整理し、初心者でも「自社は今どこにいて、次に何をすべきか」が分かるロードマップをお伝えします。


目次[非表示]

  1. 1.BtoBマーケティング施策とは?BtoCとの違いから理解する
  2. 2.BtoBマーケティング施策の全体像【フェーズ別一覧表】
  3. 3.【認知フェーズ】まず知ってもらうための施策
  4. 4.【リード獲得フェーズ】見込み顧客の情報を得る施策
  5. 5.【育成フェーズ】検討度を高める施策
  6. 6.【商談化フェーズ】受注につなげる施策
  7. 7.【顧客維持フェーズ】LTVを最大化する施策
  8. 8.初心者が失敗しないための施策選びの3ステップ
  9. 9.最新のBtoBマーケティングトレンド
  10. 10.まとめ:自社に合った施策から始めよう

BtoBマーケティング施策とは?BtoCとの違いから理解する

BtoBマーケティング施策の定義

BtoBマーケティング施策とは、企業間取引(Business to Business)において、見込み顧客の獲得から受注・顧客維持までを仕組み化するための具体的な打ち手の総称です。

個人の消費者ではなく「企業の担当者・意思決定者」をターゲットにする点が最大の特徴で、潜在顧客が抱える課題やニーズにマッチしたキーワードで自社サイトを上位表示させるSEOや、ホワイトペーパー・導入事例を用いたリード獲得用コンテンツの作成など、多岐にわたる手法が含まれます。

BtoCとの3つの違い

BtoBマーケティングを理解するうえで、BtoCとの違いを押さえておくことが重要です。

比較項目

BtoB

BtoC

意思決定者

複数人(担当者→上長→経営層の稟議プロセス)

基本的に個人

検討期間

数週間〜数ヶ月(場合によっては1年以上)

即日〜数日が多い

判断基準

ROI・費用対効果・業務課題の解決

感情・ブランドイメージ・価格

この違いがあるからこそ、BtoBでは「一度の接触で売る」のではなく、段階的に信頼関係を構築し、検討度を高めていく施策設計が求められます。

なぜ今BtoBマーケティングが重要なのか

日本企業のバックオフィス系の生産性は世界に引けを取りませんが、「フロント」つまり「売り上げを生み出す」部分の生産性はとても低いのが現状です。

さらに、BtoBの購買担当者は営業に会う前にWebで情報収集を済ませる傾向が年々強まっています。つまり、営業が接触する前の段階で「選ばれる候補」に入っていなければ、そもそも商談の機会すら得られません。だからこそ、マーケティング施策を体系的に整備することが急務なのです。


BtoBマーケティング施策の全体像【フェーズ別一覧表】

BtoBマーケティング施策の全体像【フェーズ別一覧表】

5つのフェーズで施策を整理する

BtoBマーケティングの施策は、顧客の購買プロセスに沿って5つのフェーズに整理できます。「認知→リード獲得→育成→商談化→顧客維持」の流れで、各フェーズに適した施策を選ぶことがポイントです。

以下の一覧表で全体像を把握しましょう。

フェーズ

代表的な施策

難易度

コスト目安

期待効果

①認知

SEO・コンテンツマーケティング

★★☆

低〜中

長期的な流入基盤の構築

SNSマーケティング(LinkedIn等)

★★☆

ブランド認知・業界内での存在感

プレスリリース・メディア露出

★☆☆

低〜中

短期的な認知拡大

②リード獲得

ホワイトペーパー・お役立ち資料

★★☆

低〜中

見込み顧客情報の取得

ウェビナー・セミナー

★★☆

見込み度の高いリード獲得

展示会・イベント

★★★

大量リードの一括獲得

Web広告(リスティング・ディスプレイ)

★★☆

中〜高

短期でのリード獲得

③育成

メールマーケティング(メルマガ)

★★☆

継続的な関係維持

MA(マーケティングオートメーション)

★★★

中〜高

育成の自動化・効率化

インサイドセールス

★★★

リードの温度感見極め

事例コンテンツ・導入事例

★★☆

低〜中

検討度の引き上げ

④商談化

ABM(アカウントベースドマーケティング)

★★★

中〜高

高い商談化率・受注単価

DM・手紙施策

★★☆

意思決定者への直接アプローチ

セールスイネーブルメント

★★★

営業の受注率向上

⑤顧客維持

カスタマーサクセス

★★★

解約防止・活用促進

クロスセル・アップセル

★★☆

既存顧客からの売上拡大

リファラルマーケティング

★★☆

高品質リードの獲得

顧客満足度調査(NPS等)

★☆☆

改善サイクルの構築

すべての施策を同時に始める必要はありません。まずは自社が弱いフェーズを特定し、そこに集中するのが成功の鍵です。

Q
BtoBマーケティングで最初に取り組むべき施策は何ですか?
A
まずはSEO・コンテンツマーケティングとホワイトペーパーの2つから始めるのがおすすめです。SEOで見込み顧客が検索するキーワードからの流入を作り、ホワイトペーパーのダウンロードでリード情報を取得する——この「認知→リード獲得」の導線を最初に構築することで、その後の育成・商談化施策が機能する土台ができます。

施策を「点」で終わらせないカスタマージャーニー設計

フェーズ別に施策を整理したら、次に意識すべきは施策を「線」で繋ぐ視点です。BtoBの購買プロセスは長く、関与者も複数にわたります。施策を羅列するだけでなく、「カスタマージャーニーマップ」上に配置し、顧客の心理状態と行動を可視化しましょう。

「このフェーズの顧客には、どのコンテンツを、どのチャネル(メルマガ・広告・営業)で届けるか」を一気通貫で設計することで、「とりあえず記事を書く」といった施策の目的化を防ぎ、部門間で「いつ・誰に・何をすべきか」の共通認識を持つことができます。

次のセクションから、各フェーズの施策を詳しく解説していきます。


【認知フェーズ】まず知ってもらうための施策

【認知フェーズ】まず知ってもらうための施策

認知フェーズの目的は、ターゲット企業の担当者に「自社の存在を知ってもらう」ことです。BtoBでは「知らない会社には問い合わせしない」が大前提なので、このフェーズが土台になります。

集客の前に「受け皿」を整備する——これが鉄則です。 施策一覧を見ると、つい「とりあえず広告を出そう」「SEO記事を書こう」と単発の集客施策から入りがちです。しかし、ferretソリューションの「BtoBグロースステップ」の実務知見では、集客の前に受け皿となるWebサイト(土台)の整備を鉄則としています。ターゲットの課題を深掘りし、自社の強みを反映したサイトや導線がなければ、どれだけ広告費をかけて集客しても「バケツの穴が空いた状態」になります。まずは戦略設計とサイト改修を行い、「CVが生まれる土台」を作ってから集客施策へ移行することが、無駄打ちを防ぐ最短ルートです。

SEO・コンテンツマーケティング

BtoB特有のキーワード(業界用語、製品名、ソリューション名)を調査し、専門性の高い記事を継続的に発信することで、長期的に安定したリード獲得が期待できます。

実践のコツ:

  • ターゲット企業の担当者が「業務中に検索しそうなキーワード」を起点にコンテンツを設計する
  • 「〇〇とは」系の解説記事だけでなく、「〇〇 比較」「〇〇 選び方」など検討段階のキーワードもカバーする
  • 記事の末尾にホワイトペーパーのダウンロード導線を設置し、リード獲得フェーズへつなげる

項目

内容

向いている企業

中長期で安定した集客基盤を作りたい企業

成果が出るまでの期間

3〜6ヶ月(記事数・ドメインパワーによる)

必要なリソース

ライター、SEO担当者(兼任可)

SNSマーケティング(LinkedIn等)

BtoBのSNS活用では、LinkedIn広告が役職ターゲティング可能でBtoB親和性が高いことから注目されています。

実践のコツ:

  • 企業アカウントだけでなく、経営者や専門家の個人アカウントでの発信も効果的
  • 「業界の課題に対する見解」「自社の取り組み事例」など、専門性が伝わる投稿を心がける
  • 広告を使う場合は、業種・役職・企業規模でターゲティングし、ホワイトペーパーへ誘導する

プレスリリース・メディア露出

新サービスのリリースや調査レポートの公開時に、プレスリリースを配信して業界メディアへの露出を狙います。直接的なリード獲得よりも、信頼性の構築と認知拡大が主な目的です。


【リード獲得フェーズ】見込み顧客の情報を得る施策

【リード獲得フェーズ】見込み顧客の情報を得る施策

認知した見込み顧客の「名前・メールアドレス・企業名」などの情報を取得するフェーズです。BtoBマーケティングではリードジェネレーション(見込み客獲得)と呼ばれ、マーケティング活動の成果を数値化しやすい重要なステップです。

ホワイトペーパー・お役立ち資料

ターゲットの課題を解決するノウハウ資料を作成し、ダウンロード時にフォーム入力を求めることでリード情報を取得します。

実践のコツ:

  • テーマは「自社が売りたいもの」ではなく「ターゲットが知りたいこと」から逆算する
  • 「チェックリスト」「テンプレート」「業界レポート」など、すぐに使える形式が人気
  • ダウンロード後のフォローメールを事前に設計しておく

ウェビナー・セミナー

オンライン(ウェビナー)とオフライン(セミナー)の両方を活用します。参加者は「わざわざ時間を割いて参加している」ため、見込み度が比較的高いリードを獲得できます。

比較項目

ウェビナー

オフラインセミナー

参加ハードル

低い(どこからでも参加可)

高い(会場まで移動が必要)

リード数

多い

少ない

リードの質

やや低め

高い(移動コストを払っている)

コスト

低い

高い(会場費・運営費)

展示会・イベント

業界の展示会に出展することで、短期間で大量の名刺(リード)を獲得できます。ただし、展示会で獲得したリードの多くは「情報収集段階」のため、獲得後の育成施策とセットで設計することが重要です。

Web広告(リスティング・ディスプレイ)

短期でリードを獲得したい場合に有効です。ただし、BtoBでは月間問い合わせ数が10〜20件のケースも珍しくなく、月間CV30件未満の環境ではマイクロCV設計が成果を出すポイントになります。

マイクロCVとは? 「問い合わせ」や「見積もり依頼」だけでなく、「資料ダウンロード」「ウェビナー申込」「メルマガ登録」など、ハードルの低いコンバージョンポイントを設置することです。BtoBでは検討期間が長いため、いきなり問い合わせを求めるよりも、段階的な接点を作る方が効果的です。


【育成フェーズ】検討度を高める施策

【育成フェーズ】検討度を高める施策

リードを獲得しても、すぐに商談化するのはごく一部です。BtoBでは検討期間が長いため、獲得したリードの検討度を段階的に高めていく「育成(ナーチャリング)」が欠かせません。

メールマーケティング(メルマガ)

メール施策はセールスメール(営業起点の1to1メール、商談獲得目的)とマーケティングメール(一斉配信、関係維持・育成目的)に分かれます。メルマガの役割は直接売ることではなく「キープインタッチ」であり、ホワイトペーパーやウェビナー、記事コンテンツを通じて「困ったときに最初に思い出される存在」になることが目的です。

実践のコツ:

メールの種類

目的

頻度の目安

マーケティングメール(メルマガ)

関係維持・育成

週1〜月2回

セールスメール

商談獲得

個別対応

ステップメール

段階的な情報提供

資料DL後に自動配信

Q
メルマガの効果はどう測ればいいですか?
A
開封率・クリック率に加え、資料ダウンロード数やウェビナー申込数など「次のアクションにつながったか」を指標にしましょう。

一斉配信だけでは商談化率は上がりません。 ferretソリューションのウェビナー知見では、顧客を以下の3つのセグメントに切り分けたアプローチを強く推奨しています。

セグメント軸

具体例

配信コンテンツ例

検討フェーズ別

情報収集段階 / 比較検討段階

ノウハウ系WP / 競合比較表・導入事例

行動アクション別

特定の事例ページを閲覧 / 料金ページを閲覧

関連事例の深掘り / 個別相談の案内

業界・業種別

製造業 / IT企業 / サービス業

同業界の成功事例 / 業界特化のノウハウ

顧客の温度感に合わせた最適なコンテンツを多層的にマッピングする——この泥臭いシナリオ設計こそが、休眠リストを有効商談に変える鍵です。

MA(マーケティングオートメーション)

MAを活用することで、リードごとの購買段階に合わせた情報提供やアプローチが可能になり、営業部門との連携もスムーズになって商談化率の向上やROIの最大化が期待できます。

MAでできること(代表例):

  • リードのスコアリング(Webサイトの閲覧履歴やメール開封状況をもとに点数化)
  • スコアが一定以上になったリードを自動で営業に通知
  • 購買段階に合わせたメールの自動配信

MAツールは「導入すれば自動で成果が出る」ものではありません。まずはリードの定義やスコアリングのルールを営業と一緒に設計することが前提です。ツール選定の前に「どのリードを、どの状態で営業に渡すか」を決めましょう。

インサイドセールス

電話やメールを使った非対面の営業活動です。マーケティングが獲得したリードに対して、温度感を見極めて商談化の判断を行う「橋渡し役」として機能します。

実践のコツ:

  • 「売り込み」ではなく「課題のヒアリング」を目的にする
  • MAのスコアリングと連携し、優先度の高いリードから対応する
  • 商談化しなかったリードはマーケティングに戻し、育成を継続する

事例コンテンツ・導入事例

検討段階の見込み顧客にとって、「自社と似た企業がどんな成果を出したか」は最も説得力のある情報です。導入事例は、課題→導入の経緯→成果の3部構成で作成すると、読者が自社に置き換えてイメージしやすくなります。


【商談化フェーズ】受注につなげる施策

【商談化フェーズ】受注につなげる施策

育成したリードを実際の商談・受注につなげるフェーズです。ここでは「広く集める」施策ではなく、ターゲットを絞って深くアプローチする施策が中心になります。

ABM(アカウントベースドマーケティング)

ABM(アカウントベースドマーケティング)は、特定のターゲット企業に対してマーケティングと営業が連携して個別にアプローチする手法です。広く集客するのではなく「この企業に売りたい」という明確な意思を持った戦略的アプローチのため、商談化率や受注単価が高い傾向にあります。

比較項目

一般的なリードジェネレーション

ABM

アプローチ

広く集めて絞り込む

最初からターゲットを絞る

対象

不特定多数の見込み顧客

特定のターゲット企業リスト

マーケと営業の関係

マーケがリードを渡す

マーケと営業が一体で動く

向いているケース

リード数を増やしたい段階

ターゲット企業が明確な段階

DM・手紙施策

デジタル施策では届きにくい経営層・意思決定者に対して、物理的な手紙やDMでアプローチする手法です。特にCxO層向けの手紙施策は、開封率・商談化率ともに高い傾向があります。

実践のコツ:

  • 宛名は個人名で、手書き風の封筒を使う
  • 内容は「御社の〇〇という課題に対して」と具体的に書く
  • 送付後3〜5営業日以内にフォローコールを入れる

セールスイネーブルメント

営業が商談で使える資料・ツール・ナレッジを整備し、営業の受注率を組織的に高める取り組みです。マーケティング部門が作成した事例資料や競合比較表を、営業が商談の場面ですぐに使える状態にしておくことがポイントです。

KPIツリーと営業連携(SLA)の設計

各施策のKPIを設定する際、「月間リード100件」といった部分最適の数字を置くと、営業部門との対立(質の低いリードの押し付け合い)を招きがちです。ferretソリューションの支援現場では、必ず最終的な「売上(KGI)」から逆算したKPIツリーを設計します。

ステップ

内容

目安の係数

①目標売上(KGI)

年間売上目標から必要な受注数を算出

②必要商談数

受注数 ÷ 案件化率

案件化率 40〜60%

③必要リード数

商談数 ÷ 商談化率

商談化率 20〜30%

さらに重要なのが、どの状態のリードを営業に渡すかという「引き渡し基準(SLA)」を両部門で合意することです。「スコア〇〇点以上」「特定ページを閲覧済み」など具体的な基準を設けることで、マーケと営業が事業貢献という同じ方向を向いて伴走できるようになります。


【顧客維持フェーズ】LTVを最大化する施策

【顧客維持フェーズ】LTVを最大化する施策

受注がゴールではありません。BtoBでは特に、既存顧客からの売上拡大(LTV最大化)が事業成長の大きなドライバーになります。新規顧客の獲得コストは既存顧客の維持コストの5倍以上とも言われており、このフェーズの施策は費用対効果が非常に高いのが特徴です。

カスタマーサクセス

受注後の顧客に対して、製品・サービスの活用を支援し、成果を出してもらうための取り組みです。「カスタマーサポート(問い合わせ対応)」とは異なり、能動的に顧客の成功を支援する点が特徴です。

クロスセル・アップセル

既存顧客に対して、関連サービスの追加提案(クロスセル)や上位プランへの移行提案(アップセル)を行います。すでに信頼関係が構築されているため、新規営業よりも成約率が高くなります。

リファラルマーケティング

リファラルマーケティングは、既存顧客からの紹介を通じて新規顧客を獲得する施策です。BtoBでは企業間の信頼関係が重要となるため、紹介によるリードは質が高く、商談化の可能性も高まります。満足度の高い既存顧客を中心に紹介プログラムを設計することで、信頼性の高い顧客基盤を築くことができます。

顧客満足度調査(NPS等)

NPS(Net Promoter Score)などの指標を使って、顧客満足度を定量的に把握します。スコアが低い顧客には早期にフォローを入れ、高い顧客には紹介プログラムへの参加を促すなど、データに基づいた顧客対応が可能になります。


初心者が失敗しないための施策選びの3ステップ

ここまで多くの施策を紹介してきましたが、「結局、自社は何から始めればいいのか?」が最も重要な問いです。以下の3ステップで、優先施策を絞り込みましょう。

ステップ1:ターゲット企業を明確にする

まず、「誰に売りたいのか」を具体的に定義します。以下の項目を埋めてみてください。

項目

記入例

業種

製造業(従業員100〜300名)

部門・役職

経営企画部の部長〜課長クラス

抱えている課題

営業の属人化、リード不足

情報収集の方法

Google検索、業界メディア、展示会

監修者

ターゲットが曖昧なまま施策を始めると、「リードは取れるけど商談にならない」という状態に陥りがちです。最初の10分でこの表を埋めるだけで、その後の施策選びの精度が大きく変わります。

ステップ2:自社の現在フェーズを診断する

次に、自社が今どのフェーズで課題を抱えているかを診断します。以下のチェックリストで確認してみましょう。

チェック項目

該当する場合のフェーズ

そもそもWebサイトへの流入が少ない

認知フェーズに課題あり

流入はあるが、問い合わせや資料DLが少ない

リード獲得フェーズに課題あり

リードはあるが、商談につながらない

育成フェーズに課題あり

商談はするが、受注率が低い

商談化フェーズに課題あり

受注後の解約やダウンセルが多い

顧客維持フェーズに課題あり

ステップ3:優先施策を3つに絞って始める

診断結果をもとに、該当フェーズの施策から最大3つを選んで始めましょう。

選び方の基準:

基準

内容

①すぐに始められるか

社内リソースや予算で実行可能な施策を優先

②効果が測定できるか

KPIが明確で、PDCAを回せる施策を選ぶ

③次のフェーズにつながるか

単発で終わらず、次の施策への導線がある施策を選ぶ

全部同時にやらない——確実な成果を生む「施策の断捨離」が重要です。 ferretソリューションのメソッドでは、以下の順番でのスモールスタートを推奨しています。

  1. ①サイト公開・事例追加(受け皿の整備)
  2. ②リスティング広告(顕在層の刈り取り・検証)
  3. ③ブログ・ホワイトペーパーの仕込み(中長期の資産となる潜在層向け施策)

自社のリソースと予算に合わせて施策を断捨離し、商談に近い(確度の高い)施策から順にPDCAを回していくスモールスタートが成功の秘訣です。

Q
BtoBマーケティングの施策にかかる予算の目安はどれくらいですか?
A
施策によって大きく異なりますが、初期段階の目安は以下のとおりです。SEO・コンテンツマーケティングは月額10万〜50万円(内製なら人件費のみ)、Web広告は月額20万〜100万円、MA導入は月額5万〜20万円+初期設定費用が一般的です。まずは月額30万〜50万円の予算で「SEO+ホワイトペーパー+メルマガ」の3施策から始め、成果に応じて投資を拡大するのが堅実なアプローチです。
Q
BtoBマーケティングの施策で成果が出るまでの期間はどれくらいですか?
A
施策の種類によって異なります。Web広告は出稿後1〜2週間でリード獲得が始まりますが、SEO・コンテンツマーケティングは成果が出るまで3〜6ヶ月が目安です。MA・インサイドセールスによる育成施策は、リードの蓄積が前提となるため6ヶ月〜1年で効果が見え始めます。短期施策(広告)と中長期施策(SEO・育成)を組み合わせることで、早期の成果と持続的な成長を両立できます。

最新のBtoBマーケティングトレンド

基本施策を押さえたうえで、最新の注目トレンドも把握しておきましょう。

AIの実用化(エージェンティックマーケティング・GEO/AIO)

最新のBtoBマーケティングトレンドは大きく3つのテーマに分類できます。中でも最も注目されているのがAIの実用化です。

AIは「コンテンツ生成ツール」から「自律的に施策を実行するエージェント」へと進化しつつあります。また、ChatGPTやPerplexityなどのAI検索エンジンに自社コンテンツが引用されるための最適化(GEO/AIO)も、SEOと並ぶ重要施策になりつつあります。

ABX(アカウントベースドエクスペリエンス)

ABMの進化形として注目されているのがABX(Account-Based Experience)です。ABMが「ターゲット企業への個別アプローチ」に焦点を当てるのに対し、ABXはターゲット企業に対して、マーケティング・営業・カスタマーサクセスが一貫した体験を提供することを目指します。

インテントデータの本格活用

インテントデータとは、見込み顧客の検索行動や閲覧行動から「購買意欲」を推定するデータです。「自社サイトを訪問していないが、競合製品を調べている企業」を特定し、最適なタイミングでアプローチできるようになります。

これらのトレンドは「基本施策ができている企業」が次のステップとして取り組むものです。まずは前述の5フェーズの基本施策を固めることを優先しましょう。


まとめ:自社に合った施策から始めよう

本記事では、BtoBマーケティングの施策を5つのフェーズに分けて解説しました。最後に要点を整理します。

  • BtoBマーケティング施策は「認知→リード獲得→育成→商談化→顧客維持」の5フェーズで整理する
  • すべてを同時に始める必要はない。自社の課題フェーズを特定し、優先施策を3つに絞る
  • 施策選びの基準は「すぐ始められるか」「効果が測れるか」「次のフェーズにつながるか」の3つ
  • 基本施策を固めたうえで、AI活用・ABX・インテントデータなどの最新トレンドに取り組む

とはいえ、「自社のフェーズ診断が合っているか不安」「施策の優先順位をプロに相談したい」と感じる方も多いのではないでしょうか。

ferretソリューションは、6,650社以上のBtoB企業を支援してきた実績をもとに、「BtoBグロースステップ」という体系的なフレームワークで、戦略設計(STEP0)からWebサイト構築(STEP1)、リード獲得(STEP2)、育成・商談化(STEP3〜4)まで、段階的に伴走支援を行っています。

本記事で紹介した5フェーズのロードマップと同じ考え方で、「今の自社に必要な施策は何か」を一緒に整理し、実行まで伴走するのがferretソリューションの特徴です。

「人がいない」を言い訳にしない——コア・ノンコア業務の切り分け

ロードマップを描いても、それを実行する人材が不足していれば施策は頓挫します。すべてを自社で内製化しようとせず、業務を戦略的に切り分けることが重要です。

業務区分

具体例

担当

コア業務(自社集中)

自社の強みの言語化、顧客への直接ヒアリング、営業との連携設計

社内リソース

ノンコア業務(外部活用)

記事・WPの制作、MAツールの設定・運用、広告運用

BtoB知見を持つ外部パートナー

コア業務に自社リソースを集中させ、実行負荷の高いノンコア業務はBtoBの知見を持つ外部パートナーに伴走・代行してもらう「ハイブリッド型」の体制を敷くこと——これが、社内にノウハウを蓄積しながら施策の打席数を最大化し、最短で事業成長を実現する賢い選択です。

「まずは自社の現状を整理したい」という方は、お気軽にご相談ください。

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菊池 貴行(きくち たかゆき)
菊池 貴行(きくち たかゆき)
金融機関、メディア運営会社を経て2018年より株式会社ベーシックへ入社。 ferret Oneカスタマーサクセス部にて、オンボーディングチーム立ち上げメンバーとして活躍し、顧客の「BtoBマーケティング」の立ち上げ支援を行い、 担当社数は累計120社以上。 製造業・ITサービス・コンサルティングサービスなど、有形から無形の幅広い業界の企業に対して、各社の事業理解から組織状態など踏まえた顧客に 寄り添った戦略設計や施策の設計などマーケティング支援を行う。 現在はマーケティング部にてセミナーの企画から講師を担当し、これまでに支援してきた豊富な経験をもとにした、実務に使えるセミナー内容に定評がある。

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