
BtoB企業の被リンク獲得方法|権威性を高める実践手法
BtoB企業の被リンク獲得は、導入事例の相互リンク化・業界団体への加盟・パートナー企業との連携など、自社の商習慣を活かした手法が最も効率的です。さらに、営業・CS部門との社内連携フローを構築することで獲得効率は飛躍的に向上します。本記事では、BtoB企業が明日から着手できる被リンク獲得手法を7つ、実行優先度付きで紹介します。
「SEO記事は書いているのに、なかなか検索上位に入れない」——その原因の多くは、ドメインパワーの不足にあります。そしてドメインパワーを左右する最大の要因が「被リンク」です。
しかし、BtoC企業のようにバズコンテンツやSNSキャンペーンで大量のリンクを集める手法は、BtoB企業にはフィットしません。BtoB企業には、BtoBならではの被リンク獲得戦略が必要です。
この記事では、被リンクの基礎知識は最小限にとどめ、BtoB企業が実際に使える実践手法に集中して解説します。被リンクSEOの基礎から学びたい方は、BtoB企業のための被リンクSEO完全マニュアルをあわせてご覧ください。
目次[非表示]
BtoB企業の被リンク獲得が重要な3つの理由

BtoB企業における被リンク獲得方法とは、導入事例の相互リンク化や業界団体への加盟、パートナー企業との連携など、BtoB特有の商習慣を活かして外部サイトからの被リンクを戦略的に増やす手法の総称です。BtoB企業にとって被リンク獲得が特に重要な理由は、以下の3点に集約されます。
① ドメインパワーが「指名検索されにくい問題」を補う
BtoC企業と異なり、BtoB企業はブランド認知度が低く、社名やサービス名で直接検索されることが少ない傾向にあります。そのため、「課題系キーワード」で検索上位を取る必要があり、ドメインパワーの強化が不可欠です。被リンクはドメインパワー向上の最重要ファクターであり、良質な被リンクを獲得できるとWebサイトの評価が高まり、検索順位の向上やサイト巡回率の改善が期待できます。
② E-E-A-Tの「権威性」「信頼性」を外部評価で証明する
Googleが重視するE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)において、被リンクは第三者からの「推薦状」として機能します。業界団体など権威性の高いドメインからの被リンクは、1本でも大きなSEO効果が期待できます。特にYMYL領域に近いBtoBサービス(金融、人材、コンサルティング等)では、この外部評価が検索順位を左右します。
2,000社以上のBtoB企業を支援してきた経験から言えるのは、Googleが求める「権威性」の本質は、小手先の被リンク集めではなく**「顧客の課題解決に直結する実践的な知見(一次情報)」の発信**にあるということです。Web上の一般論をまとめただけの記事では権威性は生まれません。トップセールスの商談録画や既存顧客へのインタビューから「現場で実際に起きたトラブル事例」や「独自の解決ノウハウ」を抽出し、自社にしか語れない一次情報として発信すること。これこそが、他サイトから「信頼できる専門ソース」として自然な被リンク(ナチュラルリンク)を獲得する最短ルートです。
③ AI検索(AEO/LLMO)時代に「引用される情報源」になる
最近は検索エンジンだけでなく生成AIで検索するユーザーも増えており、AIに自社のサービスや商品が選ばれるためのGEO対策(LLMO対策)が重要になっています。AIに選ばれるには外部からの評価が大切であり、被リンクだけでなくサイテーション(言及)という考え方も注目されています。
BtoB企業が今日から使える被リンク獲得方法7選

ここからが本記事の核心です。BtoBの商習慣を活かした7つの手法を、実行優先度別に紹介します。
1.【すぐできる】導入事例ページの相互リンク化
BtoB企業にとって最も着手しやすい手法のひとつです。自社サイトに掲載している導入事例の顧客企業に対し、「御社のサイトからもリンクを貼っていただけませんか」と依頼します。
自社が利用しているサービスやSaaSの導入事例記事に協力することで、被リンクを獲得できます。取引先であることから関係性が構築できているため、リンク先URLやアンカーテキストなど自社の要望に合わせて調整できることも多いでしょう。
顧客企業にとっても「先進的な取り組みのPR」になるため、Win-Winの提案として受け入れられやすい手法です。
2.【すぐできる】業界団体・協会への加盟と会員ページ掲載
業界団体や協会のWebサイトには会員企業一覧ページが設けられているケースが多く、加盟すれば自社サイトへの被リンクを獲得できます。団体のドメインは.or.jpが多く、権威性の高いリンクとして評価されます。
年会費は団体により異なりますが、数万円〜10万円程度が一般的です。DR(ドメインレーティング:サイトの被リンク評価を数値化した指標)の高いリンクが得られるため、コストパフォーマンスに優れた施策です。地方自治体や公的機関の企業登録(.go.jp/.lg.jp)も同様に有効です。
3.【すぐできる】取引先・パートナー企業との相互掲載
パートナーページや導入ツール紹介ページなど、ユーザーにとって有益な文脈でのリンク掲載を依頼します。
検索順位操作のみを目的としたリンク交換はGoogleガイドライン違反です。あくまで「ユーザーにとって有益な情報提供」の文脈で行いましょう。
4.【中期】独自調査データ・ホワイトペーパーの公開
Web上で自然な被リンクを集める最も効果的な手法の一つが、独自の調査データや統計データをまとめたコンテンツの公開です。BtoB企業が持つ業界データを調査レポートとして公開すれば、メディアや他社ブログからの引用リンクを獲得できます。
最低100〜300サンプル以上の調査が目安です。視覚的にわかりやすいインフォグラフィック形式にすると引用されやすくなります。実務で即活用できるチェックリストやテンプレートなどの実用的なリソースは、実務者のブログや企業のナレッジベースから参照リンクを獲得しやすい特徴があります。
プレスリリースと組み合わせることで、メディア露出を最大化できます。
弊社が実施した『BtoBマーケティング調査レポート』(自社調べ)では、最もリード獲得に繋がったSEO記事のトップは「調査・データ分析記事(34.3%)」でした。自社サービス内に蓄積された業界特有のトレンドデータ(一次情報)は、他社のブログやニュースサイトが記事を書く際に「客観的な根拠」として引用されやすく、質の高い被リンクを自動的かつ継続的に生み出します。自社に眠るデータを「調査レポート」として体系化することは、最強の被リンク獲得資産になります。
5.【中期】共催セミナー・ウェビナーの開催
共催企業のセミナー告知ページ、登壇者の所属企業の登壇実績ページ、イベントプラットフォームのイベント詳細ページなど、複数の被リンクを一度に獲得でき、リード獲得と被リンク獲得を同時に狙えるためBtoB企業にとって最もROIの高い施策のひとつです。
Peatix、connpassなどのセミナー告知サイトへの掲載も有効です。申し込みページは必ず自社サイト内に設置し、外部プラットフォームからのリンク導線を確保してください。開催後のレポート記事化で、さらにリンク獲得の機会を増やせます。
また、BtoB企業ならではの泥臭く確実な手法として、展示会やカンファレンスへの登壇情報の活用も見逃せません。業界の大型展示会に登壇する際、そのイベント情報を関連する業界メディアやPRサイトへプレスリリースとして積極的に提供しましょう。関連性が高くドメイン評価の強い業界メディアからの質の高い被リンクを獲得できるだけでなく、ターゲット層への認知拡大にも直結し、SEOと集客の両面で一石二鳥の成果を生み出します。
6.【中期】業界専門メディアへの寄稿(ゲストポスト)
DRが高い業界メディアに専門記事を寄稿し、著者プロフィールや本文中から被リンクを獲得する手法です。寄稿先は、自社ターゲットの読者層と一致するメディアを優先して選定しましょう。
大学教授や権威ある専門家への取材を通じて被リンクを獲得した事例もあり、取材を実施した場合は相手のWebサイトで紹介してもらえるよう交渉することが効果的です。
なお、リンクにはdofollow(SEO評価を渡す)とnofollow(渡さない)の属性がありますが、Googleは2019年以降nofollowを「ヒント」として扱うため、nofollowリンクでも一定の効果が見込めます。
7.【長期】被リンク営業(アウトリーチ)の仕組み化
被リンク営業を始める前に、まず競合分析ツール(Ahrefsなど)を活用して、競合サイトの「ドメイン評価(被リンクの質と量)」を客観的に測りましょう。すでに強力な被リンクを多数獲得している大手企業と、検索ボリュームの大きいビッグキーワードで正面衝突するのは賢策ではありません。自社の現在のドメインパワーでも勝負できる**「検索ボリュームは小さいが、商談に直結する確度が高いニッチなキーワード」**にリソースを集中させましょう。自社の一次情報が活きる「狭い土俵」で確実に上位表示と被リンクを獲得し、徐々にドメイン評価を育てていく戦略設計こそが、中堅・中小企業の勝率を最大化します。
その上で、Ahrefsなどのツールで競合が獲得している被リンクを抽出し、ターゲットリストを作成します。メールや問い合わせフォームを通じて、リンク設置を依頼する「被リンク営業」です。
リンク切れ(404エラー)を発見して「代わりに自社コンテンツをリンクしませんか」と提案するブロークンリンクビルディングも有効な手法です。月次で定期的に実施する運用体制を構築することで、継続的な被リンク獲得が可能になります。
7つの手法すべてを同時に始める必要はありません。まずは「すぐできる」3つから着手し、成果を実感してから中期・長期の施策に広げていくのがおすすめです。
筆者から:被リンク獲得で本当に大切なこと
ここまで7つの手法をご紹介しましたが、私たちferretソリューションが6,650社以上のBtoB企業を支援してきた経験から、補足としてお伝えしたいことがあります。
共催ウェビナーは「被リンク資産」になる
共催ウェビナーを実施する際、共同でプレスリリースを配信し、その中に自社サイトのURLを掲載することで、被リンク資産として蓄積できます。ただし、すべてのケースでdofollowリンクになるわけではないため、事前にリリース掲載先の仕様を確認しておくことをおすすめします。
PR TIMESなどで「話題を自ら作る」
被リンクは「待つもの」ではなく「仕掛けるもの」です。PR TIMESなどのプレスリリース配信サービスを活用し、自社の調査データ発表、新機能リリース、業界レポート公開などのタイミングで積極的に情報発信することで、業界メディアやニュースサイトからの被リンク獲得につなげられます。
自社事例:別サイトからの転載・寄稿でSEOパワーを強化
実は弊社でも、元々運営していた「ferretメディア」や「OneTip」といった別ドメインのオウンドメディア内に、記事を転載・寄稿する形でサービスサイト(ferretソリューション)側への被リンクを獲得し、SEOパワーの向上につなげてきました。すでに自社で複数のWebサイトやメディアを運営している企業は、この「自社メディア間の連携」も有効な選択肢です。別サイトへ転載する場合、かならず元記事のURLをカノニカルURLで指定しないと、「重複コンテンツ」としてペナルティを受ける可能性が高いため要注意です。
結局、一番大事なのは「一次情報」
被リンク獲得というとテクニカルな施策に目が行きがちですが、結局のところ、他社が「真似したい」「参考にしたい」と思う情報を発信できているかどうかが最も重要です。それは自社の専門知識や支援事例から生まれる一次情報にほかなりません。テクニックはあくまで一次情報を届けるための手段であり、発信する中身そのものが被リンクを引き寄せる最大の武器になります。
被リンク獲得の手法は数多くありますが、どの手法も「自社にしか語れない価値ある情報」があってこそ機能します。まずは一次情報の棚卸しから始めてみてください。
営業・CS部門と連携する被リンク獲得フロー
被リンク獲得フローとは、マーケティング部門が候補リストを作成し、営業・CS部門が顧客接点の中で自然にリンク掲載を依頼する、部門横断型の被リンク獲得プロセスです。
被リンク獲得をマーケ部門だけで完結させようとしていませんか? 実は、営業・CS部門との連携が被リンク獲得の成功率を大きく左右します。
なぜ営業・CS連携が鍵になるのか
マーケ部門だけでは「顧客との直接的な関係性」を活かせません。営業やCSは日常的に顧客と接点を持っており、被リンク依頼を自然な文脈で行えるポジションにいます。営業連携を深めることは、被リンクの数を増やすだけでなく、商談化率・受注率という最終成果に繋がる質の高い被リンクを増やす最短ルートです。
社内連携フロー(4ステップ)
- マーケが「被リンク候補リスト」を作成する:導入事例掲載企業、パートナー企業、業界団体をリストアップし、優先順位を付ける
- 営業・CSに依頼テンプレートと趣旨説明を共有する:「なぜ被リンクが必要か」を30秒で伝えられる資料を用意する
- 営業・CSが顧客対応の中で自然に依頼する:商談後のフォローアップや定例MTGの際に、関係構築の一環として依頼する
- マーケが獲得状況をモニタリングし、月次でフィードバックする:成果を共有することで、営業・CSのモチベーションを維持する
依頼時に使えるメールテンプレート
【導入事例掲載企業向け】
件名:導入事例掲載のお礼と、ご相談
〇〇様
いつもお世話になっております。先日は導入事例の掲載にご協力いただき、ありがとうございました。おかげさまで多くの方にご覧いただいております。
つきましては、御社のWebサイトでも弊社サービスの活用についてご紹介いただくことは可能でしょうか。御社の先進的な取り組みのPRにもなるかと存じます。
ご検討いただけますと幸いです。
【パートナー企業向け】
件名:パートナーページでの相互掲載のご提案
〇〇様
いつもお世話になっております。弊社Webサイトのパートナーページに御社を掲載させていただいておりますが、御社サイトでも弊社をご紹介いただくことは可能でしょうか。
双方のお客様にとって有益な情報提供になると考えております。掲載内容やリンク先については、ご要望に合わせて調整いたします。
獲得した被リンクをマーケティング成果につなげる管理法
被リンクの管理法とは、獲得した被リンクの流入元・CV貢献度をCRM/MAで追跡し、月次モニタリングでリンクの質を維持しながら、事業貢献(ROI)で施策を評価する一連の運用プロセスです。
被リンクは「獲得して終わり」ではありません。マーケティング成果につなげるための管理・活用が重要です。
被リンク元からの流入をCRM/MAで追跡する
UTMパラメータを活用し、どの被リンク元からどれだけの流入・CV(コンバージョン)が発生しているかを計測しましょう。被リンク経由のリードは「第三者の推薦を経由している」ため、通常のオーガニック流入より信頼度が高く、商談化率が高い傾向にあります。
この計測データは、次にどのサイトからの被リンク獲得を優先すべきかの判断材料にもなります。
月次モニタリングで被リンクの「質」を維持する
Google Search ConsoleやAhrefsで、被リンクの増減と質を定期的にチェックしましょう。確認すべきポイントは以下の3つです。
- 新規獲得リンクの質:スパムサイトからのリンクが増えていないか
- 既存リンクの維持:獲得した被リンクが削除されていないか
- リンク否認の必要性:低品質なリンクが増えた場合はGoogleの否認ツールで対処する
被リンク施策を「事業貢献」で評価する
被リンク獲得施策を含むSEO対策を進める際、マーケティング担当者が陥りがちな罠が「目標キーワードでの上位表示」や「被リンク数の増加」自体をKPIにしてしまうことです。
経営層が求めているのは順位ではなく**「事業の売上拡大と利益貢献」**です。そのため、施策の効果測定は「獲得した被リンクによって順位が上がり、結果として『質の高いMQL(有効リード)』が何件創出され、いくらの『受注』に繋がったのか」というROI(投資対効果)のロジックで説明できなければなりません。
SEOを単なる技術施策ではなく「Web資産への投資」として捉え、商談化率の改善をゴールに据えることが、社内稟議を通し施策を継続させるための絶対条件です。
AI検索(AEO/LLMO)時代に被リンクが果たす新たな役割
被リンク獲得は「Google検索で上位表示される」ためだけの施策ではなくなっています。現在も被リンクが重要なSEOの指標であることは間違いなく、さらに生成AIで検索するユーザーも増えているため、AIに自社のサービスや商品が選ばれるためのGEO対策(LLMO対策)が大切になっています。
AIに「引用されやすいコンテンツ」の3つの条件

- 独自データ・調査結果を含む:他にない一次情報はAIが引用元として選びやすい
- 明確な定義・手順がリスト形式で構造化されている:AIが回答を生成する際に参照しやすい
- 専門家の監修・著者情報が明示されている:E-E-A-Tの観点からAIの信頼性評価に影響する
これらの条件は、被リンク獲得にも有効な要素です。つまり、SEOとAEOの施策は重なっており、被リンク獲得に取り組むことがそのままAI検索対策にもなります。
まとめ:BtoB企業の被リンク獲得は「社内連携」と「仕組み化」がカギ

本記事のポイントを整理します。
- BtoBの商習慣を活かす:導入事例、業界団体、パートナー企業など、既存の関係性を活用した被リンク獲得が最も効率的
- 営業・CS部門と連携する:マーケ部門だけで完結せず、社内連携フローを構築することで獲得効率が飛躍的に向上する
- AI検索時代にも対応する:被リンクの重要性はSEOだけでなくAEO/LLMOの文脈でも増しており、「引用される情報源」を目指す戦略が有効
被リンク獲得はSEO施策の重要な一部ですが、それだけで成果が出るわけではありません。ターゲット設計→Webサイト構築→コンテンツ制作→被リンク獲得という全体戦略の中に位置づけてこそ、個別施策の効果が最大化されます。
そして、被リンクを獲得するための質の高いコンテンツを継続的に発信するには、膨大なリソースが必要です。すべてを内製化しようとすると担当者がパンクしてしまいます。そこで推奨したいのが、「コア業務」と「ノンコア業務」の切り分けです。
- コア業務(自社でやるべき):ターゲットの定義、営業部門へのヒアリングによる「一次情報(生々しい課題や事例)」の抽出、効果測定(ROI評価)
- ノンコア業務(プロに任せるべき):抽出した一次情報を基にしたSEO記事・ホワイトペーパーの執筆、被リンク獲得に向けたテクニカルなサイト設定
自社にしかできない「戦略設計と一次情報の収集」にリソースを集中させ、制作実務は外部の専門パートナーにアウトソースする「ハイブリッド型」の体制を敷くことこそが、最短で権威性を高める賢い戦略です。
ferretソリューションは6,650社以上のBtoB企業を支援してきた実績に基づき、IT・製造・人材・コンサルティング業など、さまざまな業種のBtoBマーケティングを支援しています。戦略立案から実行まで一貫して伴走し、マーケティングの成果で事業成長に貢献するスタンスが、選ばれ続ける理由です。
「一次情報の収集は自社で、コンテンツ制作と被リンク戦略はプロに」——この体制づくりから始めたい方は、お気軽にご相談ください。
















