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BtoB企業のWebマーケティング内製化 - 失敗しない進め方と体制づくり

Webマーケティングの内製化とは、外部委託していたWebマーケティング業務を自社内で実行する体制へ移行することです。BtoB企業が内製化を成功させるには、「意思決定者・専任担当者・外部コンサル」の三位一体の体制を構築し、目標の売上から逆算したKPI設計(商談化率20〜30%、案件化率40〜60%、受注率20〜40%)に基づいてスモールスタートで進めることが重要です。本記事では、6,650社以上のBtoBマーケティング支援実績から見えた、内製化の具体的な進め方と失敗しないためのポイントを解説します。

「代理店に任せているが、施策の意図が伝わらない」「外注コストが膨らむ一方で、社内にノウハウが残らない」──こうした課題を感じているBtoB企業のマーケティング担当者は少なくありません。しかし、いきなり「全部自社でやろう」と舵を切ると、リソース不足や専門知識の壁にぶつかり、かえって成果が落ちるケースもあります。

この記事では、BtoB企業がマーケティング内製化を検討する際に押さえるべきメリット・デメリットから、自社に合った体制の選び方、具体的な5つのステップ、よくある落とし穴と対処法までを体系的にお伝えします。


目次[非表示]

  1. 1.Webマーケティング内製化とは?BtoB企業で注目される背景
  2. 2.Webマーケティング内製化のメリット・デメリット【BtoB視点】
  3. 3.Webマーケティングの内製化 vs 外注 vs ハイブリッド型 ── 自社に合う体制の見極め方
  4. 4.BtoB企業がWebマーケティングの内製化を成功させる5つのステップ
  5. 5.内製化でつまずきやすい3つの落とし穴と対処法
  6. 6.Webマーケティング内製化を加速させるツール・仕組みの選び方
  7. 7.「内製化×伴走支援」で成果を出すという選択肢
  8. 8.よくある質問(FAQ)

Webマーケティング内製化とは?BtoB企業で注目される背景

Webマーケティング内製化とは?BtoB企業で注目される背景

Webマーケティング内製化の定義

Webマーケティングの内製化(インハウスマーケティング)とは、外部委託していたWebマーケティング業務を自社チームで実行する体制に切り替えることです。

対象となる業務は、Webサイトの運用・改善、SEO対策、コンテンツマーケティング、広告運用、メールマーケティング、データ分析など多岐にわたります。Webマーケティングの内製化においては、戦略立案やデータ分析などのコア業務を自社で行い、専門性の高い制作業務は外部に委託する「ハイブリッド型」を採用する企業も増えています。

「内製化」と「インハウスマーケティング」はほぼ同義で使われます。本記事では「内製化」を中心に使いつつ、検索されやすい「インハウスマーケティング」も併記します。

なぜ今、BtoB企業で内製化が注目されるのか

内製化が注目される背景には、大きく3つの変化があります。実際に、BtoB企業の52.4%が運用型広告のインハウス化(代理店と自社運用の併用を含む)を実施しているという調査結果もあり、内製化は一部の先進企業だけの取り組みではなくなっています。

1. 市場変化のスピードが加速している

デジタル技術が普及し、市場環境や顧客ニーズが目まぐるしく変化するなか、スピード感と柔軟性を持って施策を実行できるマーケティングの内製化が注目されています。BtoBの購買プロセスでも、見込み顧客がWebで情報収集を完結させるケースが増え、タイムリーなコンテンツ発信が競争優位に直結するようになりました。

2. データ活用の重要性が高まっている

MA(マーケティングオートメーション)やSFA(営業支援ツール)の普及により、リードの行動データを社内で分析し、施策に反映するサイクルが回しやすくなっています。自社運用の大きな特徴は、現場の声をダイレクトに反映できる点であり、意思決定も速く、柔軟に方針を切り替えることが可能です。

3. 外注コストの構造的な課題

マーケティング内製化は、長期的に見てコスト削減につながります。外部に委託する場合、戦略策定や施策実行の都度、費用が発生し、代理店のマージンも加わります。BtoB企業では年間のマーケティング予算が限られるケースも多く、「投資した分のノウハウが社内に残る」内製化への関心が高まっています。


Webマーケティング内製化のメリット・デメリット【BtoB視点】

Webマーケティング内製化のメリット・デメリット【BtoB視点】

内製化を検討する際は、一般的なメリット・デメリットだけでなく、BtoB特有の事情を踏まえて判断することが重要です。

内製化の4つのメリット

① 意思決定スピードの向上

内製化を進めると、社内で意思決定が完結するため、スピード感のある対応が可能になります。外部の広告代理店を利用する場合、依頼内容の伝達や確認作業に時間がかかることがありますが、内製化すればこうしたタイムロスを最小限に抑えられます。

BtoBでは「展示会後のフォローメールを翌日に送りたい」「競合の動きに合わせてLPを即座に修正したい」といった場面が頻繁にあります。外注の場合、修正・更新の依頼から反映まで数日〜数週間のタイムラグが生じることがありますが、内製化すれば担当者が即座に対応できます。

② ノウハウの蓄積と組織資産化

外注では「やってもらった結果」は残りますが、「なぜその施策を選んだのか」「どのデータを根拠にしたのか」というプロセスの知見は社内に残りにくいものです。内製化は社員のスキルアップと人材育成に寄与します。施策の成功・失敗の両方が組織の学びとなり、次の施策精度が上がっていきます。

③ 長期的なコスト削減

代理店への手数料は、一般的に広告運用費の15〜20%が相場です。たとえば月額100万円の広告予算を代理店に委託すると、毎月15〜20万円の手数料が発生し、年間で180〜240万円のコストになります。内製化すればこの手数料分を施策の拡充や人材育成に回せるため、施策の量を増やしてもコストが比例して増えにくくなります。ただし、後述するように初期投資や人件費は発生するため、「内製化=即コスト削減」ではない点に注意が必要です。

④ 顧客理解の深化と営業連携の強化

BtoBマーケティングの最終ゴールは「商談・受注」です。マーケティング担当や営業担当と連携しながら、リアルタイムで改善案を反映できる点は大きな強みです。内製化により、営業からのフィードバックを即座にコンテンツやLPに反映できるようになり、リードの質と商談化率の向上が期待できます。

内製化の4つのデメリット

① 専門人材の確保が難しい

SEO、広告運用、コンテンツ制作、データ分析など、マーケティングには幅広い専門スキルが求められます。BtoB中堅企業では、これらをカバーできる人材を一度に採用するのは現実的ではありません。

実際、「まずは優秀な経験者を正社員で採用しよう」と考えがちですが、BtoBマーケターの採用難易度は極めて高く、採用活動だけで数ヶ月が経過してしまうケースが多発しています。弊社の支援実績からも、立ち上げ期において「完全内製化(すべてを自社社員で賄うこと)」に固執するのは悪手です。自社でしかできない「顧客へのヒアリング」や「戦略の意思決定(コア業務)」に社内リソースを集中させ、実行負荷の高い「コンテンツ制作」や「ツール運用(ノンコア業務)」は外部パートナーに切り出す「ハイブリッド型」の体制こそが、最短で成果を出す現実的な解です。

② 属人化リスク

担当者が1〜2名の場合、その人が異動・退職すると施策が止まるリスクがあります。「あの人にしかできない仕事がある」「人によって作業の品質がバラバラだ」──これらは多くの企業が抱える「業務の属人化」が引き起こす典型的な悩みです。

③ 初期投資と立ち上げコスト

ツール導入費、人材の採用・育成コスト、業務フロー構築の工数など、成果が出るまでの先行投資が必要です。

④ 最新知識のキャッチアップ負荷

Googleのアルゴリズム変更、広告プラットフォームの仕様変更、新しいマーケティング手法の登場など、常に学び続ける必要があります。外部の専門家であれば複数クライアントの知見を横展開できますが、内製チームでは自社の経験だけが頼りになりがちです。

「内製化すれば必ずコストが下がる」とは限りません。人件費・教育コスト・ツール費用を含めると、外注より高額になるケースもあります。コスト比較は「3年間の総コスト」で試算しましょう。

ポイント: BtoB視点でのメリットは「意思決定スピード」「ノウハウの組織資産化」「営業連携の強化」の3つが特に大きく、デメリットは「専門人材の確保」「属人化リスク」が主要課題です。コスト面は3年スパンの総コストで判断しましょう。


Webマーケティングの内製化 vs 外注 vs ハイブリッド型 ── 自社に合う体制の見極め方

マーケティング体制は「完全内製」か「完全外注」かの二択ではありません。多くのBtoB企業にとって現実的なのは、コア業務を内製化し、専門性の高い領域や一時的なリソース不足を外部で補う「ハイブリッド型」です。

3つの体制の比較

項目

完全内製

完全外注

ハイブリッド型

意思決定スピード

◎ 即座に対応可能

△ 依頼〜反映にタイムラグ

○ コア施策は即対応

ノウハウ蓄積

◎ すべて社内に残る

× 社内に残りにくい

○ コア領域は蓄積される

専門性

△ 自社人材の範囲に限定

◎ 各分野の専門家を活用

○ 外部の知見を取り込める

コスト(初期)

× 採用・育成・ツール費用大

○ 変動費として開始可能

○ 段階的に投資できる

コスト(長期)

○ 施策量が増えても安定

× 施策量に比例して増加

○ バランスを調整可能

属人化リスク

× 少人数だと高い

○ チーム体制で分散

○ 外部がバックアップ

スケーラビリティ

△ 人員増が必要

○ 柔軟に拡大可能

◎ 必要に応じて調整

自社に合った体制を選ぶ3つの判断軸

判断軸1:マーケティングの成熟度

まだマーケティング組織を立ち上げたばかりの段階では、外部の知見を借りながら基盤を作る「ハイブリッド型」が適しています。一定の成果が出てノウハウが蓄積されてきたら、徐々に内製比率を高めていくのが現実的です。

判断軸2:社内リソースの状況

マーケティング専任担当者が確保できるかどうかは大きな分岐点です。専任担当者がいないと、そもそも施策が実行されません。意思決定者がいないと、意思決定が遅れ施策スピードが落ちます。最低でも専任1名+意思決定者1名の体制が必要です。

判断軸3:予算規模と投資期間

内製化は「3年スパン」で投資対効果を見るべきです。販管費と目標のバランスを3年で合わせる考え方が基本となります。初年度は外部支援の比率を高め、2年目以降に内製比率を段階的に引き上げていくロードマップを描きましょう。

監修者

BtoB中堅企業の多くは「ハイブリッド型」からスタートしています。最初から完全内製を目指すのではなく、「どの業務から内製化するか」の優先順位を決めることが成功の鍵です。


BtoB企業がWebマーケティングの内製化を成功させる5つのステップ

BtoB企業がWebマーケティングの内製化を成功させる5つのステップ

ここからは、BtoB企業が内製化を進める際の具体的なステップを解説します。

ステップ1:現状分析と目標設定(KPI逆算)

内製化の第一歩は、「何のために内製化するのか」を数値で明確にすることです。

BtoBマーケティングでは、最終目標の売上・受注件数から逆算してKPIを設計します。

ただし、KPIを設定する前に最も重要なのが、関係者全員で「カスタマージャーニーマップ」を作成することです。弊社の「BtoBグロースステップ」の実務知見として、これを強く推奨しています。顧客が課題を認知し、比較検討を経て発注に至るまでのプロセス全体を可視化し、「このフェーズの顧客には、誰が・どんなコンテンツを届けるか」という一連の設計図を作ります。この戦略(コア業務)を社内でしっかり握ることこそが、その後の制作実務を外部に任せる際にもブレが生じない強固な内製体制の土台となります。

内製化を進める上で最も陥りやすい罠が、「ブログを書く」「Webサイトを改修する」といった施策の実行自体が目的化し、事業目標とマーケティング指標がつながっていない状態に陥ることです。カスタマージャーニーマップがあれば、すべての施策が「どのフェーズの顧客に、何を届けるためのものか」と紐づくため、この罠を回避できます。BtoBは目標の売上/受注件数から必要リード数を算出します。商談化率(リード→商談化)は20〜30%程度、案件化率(商談化→案件化)は40〜60%程度、受注率(案件化→受注)は20〜40%程度です。

KPI逆算の具体例:

  • 目標売上:1億円 / 平均受注単価:500万円 → 必要受注数:20件
  • 受注率30% → 必要案件数:約67件
  • 案件化率50% → 必要商談数:約134件
  • 商談化率25% → 必要リード数:約536件

この数値をもとに、「リード536件を獲得するために、どの施策をどの程度の頻度で実行する必要があるか」を逆算し、内製化すべき業務の優先順位を決めます。

ステップ2:内製化する業務範囲の決定

すべてを一度に内製化しようとすると破綻します。業務を「コア業務」と「ノンコア業務」に分け、まずはコア業務から内製化するのが鉄則です。

成功する内製化の秘訣は、業務の明確な切り分けにあります。「すべての作業を自社の社員が行うこと」が内製化ではありません。戦略なきまま作業の丸投げを行うのは失敗の元ですが、逆にすべてを内製化しようとすると担当者が疲弊し、施策が頓挫してしまいます。

コア業務(自社でやるべき):

  • 営業部門や既存顧客へのヒアリングを通じた一次情報の収集
  • 自社の強みの定義、全体戦略(カスタマージャーニー)の意思決定
  • 戦略設計・KPI管理(自社の事業理解が不可欠)
  • データ分析・施策改善(PDCAを高速で回すため)

ノンコア業務(外部に任せてもよい):

  • 戦略に基づいたSEO記事やホワイトペーパーの執筆
  • MAツールの設定、Webサイトの実装作業
  • デザイン制作(専門スキルが必要、頻度が不定期)
  • 広告運用の初期設計(プラットフォームの専門知識が必要)
  • 大規模なサイトリニューアル(一時的なプロジェクト)
  • 専門的なSEOテクニカル監査(高度な技術知識が必要)

「判断・戦略」は自社でしっかりと握り、「作業・実行」はプロの伴走支援や制作代行を活用する。このハイブリッド体制こそが、社内にノウハウを蓄積しながら最速で事業を成長させる「正しい内製化」の姿です。

ステップ3:体制構築と人材確保

BtoBマーケティングの内製化で最も重要なのが、適切な体制の構築です。

マーケティング施策を成功に導く「三位一体」のチームとして、立ち上げ段階では、施策を決める意思決定者と、施策を実際に動かす専任担当者、および第三者視点でプロの知見を提供する外部コンサルの少なくとも三者を割り当て、共に目標達成へ協力できる体制を作りましょう。

各役割の具体的な責務:

役割

主な責務

必要な人数

意思決定者

予算判断、優先順位決定、施策モニタリング

1名(事業責任者クラス)

専任担当者

施策の実行、結果の振り返り・報告、現場フィードバック

1〜3名

外部コンサル

知見の共有、第三者視点のフィードバック、実行支援

必要に応じて

外部コンサルがいないと、不要な施策にも取り組みがちになります。意思決定者、専任担当者、外部コンサルが三位一体でプロジェクトに取り組むべきです。

専任担当者の採用が難しい場合は、既存社員の中からマーケティングに関心の高い人材を選抜し、外部コンサルの伴走のもとでOJT的に育成する方法が現実的です。

ステップ4:ツール選定と業務フロー整備

内製化を支えるツール基盤を整えます。BtoBマーケティングで最低限必要なツールは以下の3カテゴリです。

CMS(コンテンツ管理システム): Webサイトやブログの更新を社内で完結させるために必須です。Webサイトを制作しただけではリード獲得や売上増加にはつながらないため、Webサイトに訪問したユーザーの行動分析が重要です。分析機能と連携できるCMSを選びましょう。

MA(マーケティングオートメーション): リードのスコアリング、メール配信の自動化、行動トラッキングなど、ナーチャリング施策の効率化に不可欠です。

SFA(営業支援ツール): マーケティングと営業の連携を可視化し、リードの商談化状況をトラッキングします。顧客情報や行動履歴などを管理できるCRM、営業活動を支援するSFA、マーケティング活動を自動化するMAツールなども、仕事を円滑に進めるために役立ちます。

ツール選定の3つの判断基準:

  1. 操作性: マーケティング専門でない担当者でも使いこなせるか
  2. 拡張性: 事業成長に合わせて機能を追加できるか
  3. サポート体制: 導入後の運用支援や問い合わせ対応が充実しているか

ステップ5:スモールスタートとPDCA

内製化は「一気に切り替える」のではなく、小さく始めて成果を確認しながら拡大していくのが成功パターンです。

スモールスタートの具体例:

  1. まずはブログ記事の企画・執筆から内製化する
  2. 月2〜4本のペースで記事を公開し、アクセスデータを分析する
  3. 成果が見えてきたら、LP改善やメールマーケティングに範囲を広げる

記事本数の目安として、理想は120本以上、最低限60本以上が基準値です。実際に、60記事を超えてくると自然検索経由の訪問数がぐっと上がります。60記事以上で約4,000〜4,500の流入数が見込めます。

PDCAを回す際のポイントは、「施策の実行」と「振り返り」を同じチームで行うことです。外注の場合は「レポートを受け取って終わり」になりがちですが、内製化すれば「なぜこの数値になったのか」を自分たちで深掘りし、次の施策に活かせます。

【補足】営業部門との「引き渡し条件(SLA)」を合意する

マーケティングの内製化が進み、自社でリード(見込み顧客)を獲得できるようになっても、それが営業部門の売上につながらなければ意味がありません。「マーケが獲得したリードの質が悪い」「営業がリードを追ってくれない」といった部門間対立は、BtoB企業が必ず直面する壁です。

これを防ぐためには、内製化の初期段階で必ず営業部門と連携し、「どのような行動をとったリード(例:特定の事例ページを閲覧し、資料をDLした等)をホットリードとみなし、何時間以内に営業がアプローチするか」という**引き渡し条件(SLA)**を明確に合意しておくことが不可欠です。この共通の評価基準を泥臭くすり合わせるプロセスこそが、マーケティング活動を「事業貢献」へと直結させます。

ポイント: 内製化成功の5ステップは「①KPI逆算で目標設定 → ②コア業務から範囲決定 → ③三位一体の体制構築 → ④ツール選定と業務フロー整備 → ⑤スモールスタートでPDCA」です。一気に進めず、各ステップの成果を確認しながら段階的に進めましょう。


内製化でつまずきやすい3つの落とし穴と対処法

内製化でつまずきやすい3つの落とし穴と対処法

落とし穴1:「全部内製化」を目指して破綻する

最も多い失敗パターンです。「外注費を削減したい」という動機で、すべての業務を一度に内製化しようとすると、担当者のキャパシティを超えて施策の質が低下します。

対処法: 前述の「コア業務 / ノンコア業務」の仕分けを行い、内製化の優先順位を明確にしましょう。最初の半年は1〜2領域に絞り、成果と体制が安定してから次の領域に進むのが鉄則です。

落とし穴2:担当者1〜2名に業務が集中し属人化する

BtoB中堅企業では、マーケティング担当者が1〜2名というケースが珍しくありません。この状態で内製化を進めると、特定の担当者に業務が集中し、その人が不在になると施策が完全に止まります。

対処法: 業務プロセスをドキュメント化し、標準化することが重要です。「業務標準化」によって、組織全体の生産性を飛躍的に向上させ、企業は持続的な成長基盤を構築できます。具体的には、施策ごとのチェックリスト、レポートのテンプレート、ツールの操作マニュアルを整備しましょう。

落とし穴3:成果が出る前に経営層の理解が得られず頓挫する

Webマーケティング内製化の成果は、特にSEOやコンテンツマーケティングでは半年〜1年かかることが一般的です。短期的な成果を求められると、「やっぱり外注に戻そう」という判断になりかねません。

対処法: 内製化の開始前に、経営層と「3年間のロードマップ」を共有しましょう。短期(3ヶ月)・中期(1年)・長期(3年)それぞれのマイルストーンを設定し、短期では「体制構築の完了」「初期施策の実行数」など、成果以外の進捗指標も報告対象に含めることで、経営層の理解を得やすくなります。

ポイント: 3つの落とし穴は「全部内製化の破綻」「属人化」「経営層の理解不足」です。いずれも「段階的に進める」「標準化する」「ロードマップを共有する」という対処法で回避できます。

Q
内製化の成果が出るまで、どのくらいの期間を見込むべきですか?
A
SEO・コンテンツマーケティングは6ヶ月〜1年、広告運用は3ヶ月程度が目安です。3年間のロードマップを描き、段階的に成果を積み上げましょう。

Webマーケティング内製化を加速させるツール・仕組みの選び方

ツール導入で陥りがちな失敗

「良いツールを入れれば内製化がうまくいく」と考えるのは危険です。ツールはあくまで手段であり、「何を実現するためにツールを使うのか」という目的設計が先です。

よくある失敗例:

  • 高機能なMAツールを導入したが、使いこなせる人がいない
  • CMS・MA・SFAがバラバラで、データが連携できない
  • ツールの設定・運用に時間を取られ、肝心の施策実行が後回しになる

ツール選定で重視すべき3つのポイント

1. 「使いこなせるか」を最優先にする

多機能であることよりも、マーケティング担当者が日常的に使いこなせるかどうかが重要です。Webマーケティングの成功に必要なのは、デザインや動きにこだわったサイトではなく分かりやすい情報構造を重視したサイトであり、時間とお金をかけてじっくり作り込むのではなくスピーディーに最適化することです。ツールも同じ考え方で選びましょう。

2. データの一元管理ができるか

CMS・MA・SFAのデータが連携できないと、「Webサイトの訪問者がどのリードで、商談につながったのか」が追えません。ツール選定時には、既存ツールとの連携性を必ず確認しましょう。

3. 導入後のサポート体制

ツールベンダーの導入支援やカスタマーサクセスの質は、内製化の成否を左右します。特にBtoB企業向けの運用ノウハウを持つベンダーを選ぶことで、立ち上げ期の試行錯誤を大幅に減らせます。

少人数でも「打席数」を増やすノーコードツールの活用

少人数で内製化を進める場合、限られたリソースで施策の「打席数」をいかに増やすかが勝負になります。弊社のウェビナーの調査データでも、担当者が「作業ごとにバラバラなツールを行き来する」「サイト更新をエンジニアに依頼して数週間待つ」といった非効率な環境が、生産性を著しく下げていることが分かっています。

これを解決するには、マーケティング担当者自身がノーコードで直感的に操作できるツール(CMSやMAの一体型など)を導入し、外注や他部署とのコミュニケーションコストを省くことが不可欠です。自分たちの手で即座にPDCAを回せる環境を作ることが、内製化成功の最大の鍵です。

AIエージェントを活用した「ノンコア業務」の効率化

人材不足の中で内製化を加速させる武器が、生成AIの活用です。ただし、単に「記事の文章を書かせる」だけでは効果は限定的です。

最新のAIエージェント(例:ferretソリューションのAIBOWなど)を活用すれば、自社のWebサイト情報を基にしたペルソナ分析や初期戦略の壁打ちから、セミナーテーマの案出し、さらにはMAツールと連携した行動履歴のダッシュボード化まで、マーケティング業務を網羅的に支援させることが可能です。

限られた人数のチームであっても、膨大な作業やデータ集計をAIに任せ、人間は「顧客の生の声を聞くこと」と「意思決定」に集中する。これこそが、これからのBtoB企業が目指すべきスマートな内製化の形です。

「ツール+仕組み」で内製化を定着させる

ツール導入と同時に、以下の仕組みを整えることで内製化が定着しやすくなります。

  • 週次の振り返りミーティング: 施策の進捗と数値を15分で共有する場を設ける
  • 月次レポートのテンプレート化: 報告フォーマットを統一し、誰でも作成できるようにする
  • ナレッジベースの構築: 施策の成功・失敗事例をドキュメントとして蓄積する

「内製化×伴走支援」で成果を出すという選択肢

ここまで内製化の進め方を解説してきましたが、「理屈は分かったが、実際に自社だけで進められるか不安」と感じた方も多いのではないでしょうか。

実は、内製化の成功率を高める最も現実的なアプローチは、「完全に自社だけでやる」のではなく、「伴走支援を受けながら内製化を進める」ことです。

伴走支援付き内製化という考え方

「口も出すし、手も出す。成果にコミットするマーケティングパートナー」として、戦略立案から実行まで一貫して伴走し、マーケティングの成果で事業成長に貢献する──そのスタンスが、選ばれ続ける理由です。

単なる「コンサルティング(口だけ)」でも「制作代行(手だけ)」でもなく、戦略と実行の両方を支援しながら、最終的には自社チームが自走できる状態を目指す。これが「伴走支援付き内製化」の本質です。

ferretソリューションの伴走支援

ferretソリューションは、IT、製造、人材、コンサルティング業など、さまざまなBtoB企業を6,650社以上支援してきました。この実績から生まれたのが、マーケティングを体系化した「BtoBグロースステップ」による支援です。800ページにわたるBtoBマーケの実践知識で、属人化せず、迷わず最短で成果を出せます。

BtoBグロースステップの全体像:

ステップ

テーマ

内容

STEP 0

理想形の把握

目標設定、組織体制、3か年計画の策定

STEP 1

土台づくり

ターゲット特定、競合分析、Webサイト構築

STEP 2

リード獲得の最大化

SEO、広告、コンテンツ、LP改善、ホワイトペーパー

STEP 3

MQLの最大化

ナーチャリング、セグメント配信、コンテンツ多面展開

STEP 4

営業連携の深化

MQLトスアップ、営業支援コンテンツ、失注リサイクル

「戦略はあるが実行が追いつかない」「施策は回しているが全体像が見えない」といったBtoBマーケ特有の課題を解消します。単なる制作代行ではなく、貴社の組織状況に合わせて必要な「ピース」を柔軟に提供します。

800ページ以上にわたる「BtoBグロースステップ」として体系化された知見は、机上の空論ではなく、現場で本当に使える「型」として貴社に残ります。


よくある質問(FAQ)

Q
Webマーケティングの内製化にはどのくらいの期間がかかりますか?
A
体制構築に3〜6ヶ月、施策の成果が見え始めるまでに6ヶ月〜1年が一般的です。3年間のロードマップを描き、段階的に内製比率を高めていくアプローチが成功しやすいです。
Q
内製化に必要な最低限の人数は?
A
意思決定者1名と専任担当者1名の最低2名が必要です。加えて、立ち上げ期は外部コンサルの伴走支援を受けることで、ノウハウ不足を補いながら進められます。
Q
内製化と外注、どちらがコストを抑えられますか?
A
短期(1年以内)では外注のほうが初期投資を抑えられますが、長期(3年以上)では内製化のほうがコスト効率が高くなる傾向があります。ただし、人件費・ツール費用・教育コストを含めた総コストで比較することが重要です。
Q
Webマーケティング未経験の担当者でも内製化できますか?
A
可能です。ただし、体系化されたノウハウと伴走支援があることが前提です。BtoBグロースステップのような実践的なフレームワークに沿って進めれば、未経験者でも着実にスキルを身につけながら成果を出せます。
Q
Webマーケティングの内製化にかかる費用の目安は?
A
ツール費用(CMS・MA・SFAで月額5〜30万円程度)、人件費(専任担当者1〜2名分)、外部コンサル費用(月額20〜50万円程度)が主な項目です。代理店への手数料(広告費の15〜20%)が削減できるため、広告予算が月額100万円を超える企業では長期的にコストメリットが出やすくなります。
Q
内製化に必要なスキルセットは?
A
最低限必要なのは「戦略設計・KPI管理」「コンテンツ企画・編集」「データ分析」の3領域です。すべてを1人でカバーする必要はなく、コア領域を社内で担い、デザインや広告運用の初期設計など専門性の高い領域は外部パートナーと連携するハイブリッド型が現実的です。
Q
内製化を始めるのに適したタイミングは?
A
「代理店への外注費が月額100万円を超えている」「施策の意図が外注先に伝わらずPDCAが回らない」「社内にマーケティングに関心の高い人材がいる」──これらの条件が1つでも当てはまれば、内製化を検討するタイミングです。
Q
内製化と外注を併用する「ハイブリッド型」の具体的な分担例は?
A
戦略設計・KPI管理・コンテンツ企画・データ分析・営業連携を社内で担い、デザイン制作・広告の初期設計・大規模サイトリニューアル・SEOテクニカル監査を外部に委託するのが一般的な分担です。内製比率は初年度30〜40%から始め、2〜3年かけて60〜70%まで引き上げていくのが成功パターンです。

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菊池 貴行(きくち たかゆき)
菊池 貴行(きくち たかゆき)
金融機関、メディア運営会社を経て2018年より株式会社ベーシックへ入社。 ferret Oneカスタマーサクセス部にて、オンボーディングチーム立ち上げメンバーとして活躍し、顧客の「BtoBマーケティング」の立ち上げ支援を行い、 担当社数は累計120社以上。 製造業・ITサービス・コンサルティングサービスなど、有形から無形の幅広い業界の企業に対して、各社の事業理解から組織状態など踏まえた顧客に 寄り添った戦略設計や施策の設計などマーケティング支援を行う。 現在はマーケティング部にてセミナーの企画から講師を担当し、これまでに支援してきた豊富な経験をもとにした、実務に使えるセミナー内容に定評がある。

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