成果を出すBtoBサイトリニューアルは「戦略設計」が9割|順位を落とさないSEO対策とBtoB成果を最大化する実践手順

「サイトリニューアルを検討しているが、現在のSEO順位や検索流入が落ちてしまわないか不安だ」 「せっかく予算をかけてリニューアルするなら、単にデザインをきれいにするだけでなく、もっと商談につながるサイトにしたい」

Webサイトのリニューアルを任されたBtoBマーケティング担当者の方なら、このようなプレッシャーや期待を背負っているのではないでしょうか。特に月間の検索流入がある程度確保できている場合、リニューアルによる「順位下落」は絶対に避けたいリスクです。

しかし、失敗を恐れて「守り」に入りすぎると、今度は「デザインは新しくなったが、問い合わせ数は変わらない(あるいは減った)」という、投資対効果が見えない結果に陥りがちです。

本記事では、2,000社以上のBtoBマーケティング支援実績を持つ筆者が、リニューアル時のSEOリスクを最小化する「守りの技術」と、MQL(質の高い見込み顧客)や商談数を最大化するための「攻めの戦略設計」について解説します。デザイン会社任せにせず、事業成長に貢献するリニューアルを実現するための実践的なガイドとしてご活用ください。

この記事の要点

  • 守りのSEO: 301リダイレクト設定やURL構造の継承など、順位下落を防ぐ技術的な移行手順がわかる
  • 攻めの戦略: BtoB事業の成長プロセスに基づき、営業連携やMQL最大化を狙ったサイト設計手法がわかる
  • 社内説得: 経営層に対して、リニューアルを「コスト」ではなく「投資」として説明するための考え方がわかる
  • リソース確保: リニューアル後の「作って終わり」を防ぐための運用体制と外部パートナー選定基準がわかる

目次[非表示]

  1. 1.この記事の要点
  2. 2.なぜBtoBサイトリニューアルのSEOは失敗しやすいのか
    1. 2.1.リニューアルで「デザイン刷新」が目的化する構造的課題
    2. 2.2.成果が出ないサイトが陥る「戦略設計の甘さ」という根本原因
  3. 3.守りのSEO対策:リニューアル時の「順位下落」を防ぐ技術的チェックリスト
    1. 3.1.301リダイレクト設計の徹底と検証方法
    2. 3.2.クローラビリティ・インデックス設定の最適化
    3. 3.3.サイト構造・URL構造の最適化ポイント
  4. 4.攻めの戦略設計:事業成果(MQL/商談)を最大化するリニューアルの土台
    1. 4.1.BtoB事業目標と連動したサイトコンセプトの再定義
    2. 4.2.ペルソナ・カスタマージャーニーに基づくコンテンツの棚卸しと新規設計
    3. 4.3.営業連携を前提としたMQL定義とサイト導線設計
  5. 5.BtoBサイトリニューアルを成功に導く具体的な手順と失敗パターン
    1. 5.1.失敗パターン1:リソース不足によるコンテンツ放置と回避策
    2. 5.2.失敗パターン2:KPIがバラバラでPDCAが回らない構造
    3. 5.3.成功事例から学ぶ業種特性別のサイトアプローチ(IT vs 製造業)
  6. 6.リニューアルの価値を経営層に説明する方法
    1. 6.1.事業成果を見据えたKPI設定と測定期間
    2. 6.2.経営層・事業責任者を納得させる稟議資料作成の3つの論点
  7. 7.サイトリニューアルの実行リソース確保と外部パートナー選定基準
    1. 7.1.恒常的なコンテンツ制作リソース不足への対策
    2. 7.2.支援実績豊富な外部ベンダーを見極める5つの評価軸
  8. 8.サイトリニューアル後の効果測定と運用PDCAの回し方
    1. 8.1.リニューアル後の効果測定で見るべき重要指標(SEO/MQL/商談数)
    2. 8.2.サイト公開後のPDCAを自走させるための組織体制構築
  9. 9.FAQ:サイトリニューアルのSEOに関するよくある質問
    1. 9.1.サイトリニューアルで順位が落ちる期間はどのくらいか?
    2. 9.2.URL構造を変更する場合の注意点は?
  10. 10.まとめ

なぜBtoBサイトリニューアルのSEOは失敗しやすいのか

多くの企業がサイトリニューアルに踏み切りますが、BtoB領域において「成功した」と胸を張れるケースは実は多くありません。なぜなら、リニューアルプロジェクトの目的がいつの間にか「古くなったデザインの刷新」や「スマホ対応」といった見た目の改善にすり替わってしまうからです。

リニューアルで「デザイン刷新」が目的化する構造的課題

リニューアルプロジェクトが始動すると、社内の関心事はどうしても「トップページのデザイン」や「自社のブランドイメージ」といった視覚的な要素に集まりがちです。経営層からは「かっこいいサイトにしてほしい」と言われ、営業現場からは「製品カタログが見にくい」と言われる。

担当者はこうした各方面からの要望を調整することに追われ、「今のWebサイトが抱えている本質的なマーケティング課題は何か」「顧客はどのような情報を求めてサイトに来訪しているのか」という議論が後回しにされてしまいます。その結果、見た目は綺麗になったものの、導線が複雑化してCVR(コンバージョン率)が下がったり、重要なSEO評価を受けていたページが削除されたりする事態が起こるのです。

成果が出ないサイトが陥る「戦略設計の甘さ」という根本原因

SEOの順位を落とさず、かつ商談数を増やすリニューアルにするために最も重要なのは、CMSの選定でもデザインカンプの作成でもありません。「誰に、何を、どのように届けて、どのような行動変容を促すか」という戦略設計です。

多くの失敗事例では、ペルソナやカスタマージャーニーの設計が曖昧なまま、サイトマップの作成に着手してしまっています。これでは、どのコンテンツを優先すべきか、どのページをSEOのランディングページとすべきかの判断軸が定まりません。

技術的なSEO対策はあくまでマイナスを防ぐための「守り」です。プラスの成果を生み出すには、事業戦略とWebサイトの役割を合致させる「攻め」の設計図が不可欠です。多くの企業がここを軽視し失敗していますが、2,000社以上の実績から、リニューアルの「意志」を明確にする戦略設計こそが最も重要であるという知見が得られています。

守りのSEO対策:リニューアル時の「順位下落」を防ぐ技術的チェックリスト

Webサイトリニューアルにおいて、担当者が最も懸念するのが「検索順位の大幅な下落」です。これを防ぐためには、既存サイトが持っている「ドメインパワー」や「各ページの評価」を、新しいサイトへ正しく引き継ぐ必要があります。ここでは、必ず実施すべき技術的なチェックポイントを解説します。

301リダイレクト設計の徹底と検証方法

SEO評価を引き継ぐ上で最も重要なのが「301リダイレクト」です。これは、古いURLにアクセスがあった際に、恒久的に新しいURLへ転送する処理のことです。

リニューアルに伴いURL構造が変わる場合、301リダイレクト設定を行わないと、Googleは新旧のページを「全く別のページ」として認識します。その結果、これまで積み上げた被リンクや評価がリセットされ、順位が急落します。

実践チェックリスト

  • 全ページ対照表の作成: 現行サイトの全URLリストを作成し、それぞれの対となる新サイトのURLをマッピングする(1対1での対応が理想)
  • .htaccess等での設定: サーバーサイドで301転送を設定する
  • リダイレクトの検証: ツール(screaming frogなど)を使用し、旧URLにアクセスした際に正しく新URLへステータスコード301で遷移するか確認する
  • リダイレクトチェーンの回避: A→B→Cのように複数回リダイレクトさせず、A→Cへ直接飛ばすように設定する

クローラビリティ・インデックス設定の最適化

新しいサイトをGoogleの検索エンジンロボット(クローラー)に正しく認識させるための設定も重要です。特に開発環境から本番環境へ移行する際のミスが多発するため注意が必要です。

実践チェックリスト

  • noindexタグの解除: テスト環境で設定していた「noindex」タグが、本番公開時に残っていないか必ずソースコードを確認する。これが残っていると検索結果から消滅します
  • XMLサイトマップの送信: 新しいURL構造に基づいたXMLサイトマップ(sitemap.xml)を作成し、Google Search Consoleから送信する
  • robots.txtの記述: クローラーの巡回を不当にブロックしていないか確認する
  • 内部リンクの更新: 記事内のリンクなどが旧URLのままになっていないかチェックし、新URLへの直接リンクに修正する(リダイレクトに頼りすぎない)

サイト構造・URL構造の最適化ポイント

リニューアルはサイト構造を整理する好機ですが、SEOの観点からは「むやみにURLを変えない」のが鉄則です。しかし、論理的なディレクトリ構造にするために変更が必要な場合は、以下の原則に従ってください。

  • 階層を深くしすぎない: 重要なページへはTOPから2クリック以内で到達できるようにする
  • 意味のあるディレクトリ名: /services/marketing-tool/ のように、URLを見ただけで内容が推測できる英単語を使用する(日本語URLは避けるのが無難)
  • パンくずリストの設置: ユーザーとクローラーの両方に現在地を伝えるため、全ページに構造化データをマークアップしたパンくずリストを設置する

攻めの戦略設計:事業成果(MQL/商談)を最大化するリニューアルの土台

守りの対策で「負けない」状態を作ったら、次はBtoBマーケティングの成果を最大化する「勝てる」戦略を設計します。ここではWebサイトを単なる「会社案内」から「優秀な営業マン」へと進化させるためのポイントを解説します。

BtoB事業目標と連動したサイトコンセプトの再定義

Webサイトのリニューアル戦略は、事業全体の目標から逆算されている必要があります。「リード数を2倍にしたい」のか、「リードの質(商談化率)を高めたい」のかによって、サイトのコンセプトは大きく異なります。

例えば、リード数が不足しているなら「お役立ち資料」や「ブログ」への導線を強化し、ハードルの低いCVポイントを増やす必要があります。一方、商談化率が課題なら、製品の「導入事例」や「料金表」への導線を強め、検討度合いの高いユーザーを営業へ送客する設計が必要です。

ペルソナ・カスタマージャーニーに基づくコンテンツの棚卸しと新規設計

BtoB商材は、情報収集をする「担当者」と、決裁を行う「責任者」が異なるケースが多々あります。そのため、それぞれの立場に向けたコンテンツを用意する必要があります。

  • 担当者向け: 業務効率化の具体的手順、他社ツールとの機能比較表、設定マニュアルなど(現場の課題解決)
  • 決裁者向け: 導入によるコスト削減効果のシミュレーション、セキュリティ要件、導入事例(投資対効果と信頼性)

カスタマージャーニーマップを作成し、顧客が「課題認知」から「情報収集」「比較検討」へと進む各フェーズで、どのような疑問を持ち、どのキーワードで検索するかを可視化します。その上で、現行サイトのコンテンツを「活かす」「リライトする」「削除する」「新規作成する」に仕分け(棚卸し)してください。

営業連携を前提としたMQL定義とサイト導線設計

マーケティング部門が「リードを獲得しました」と喜んでいても、営業部門から「アポにつながらないリストばかりだ」と言われてしまっては意味がありません。リニューアルのタイミングで、営業部門と「どのような状態のリードならアプローチしたいか(MQLの定義)」を握り直すことが不可欠です。

  • 資料請求・問い合わせ: ホットリードとして即座にインサイドセールスへ通知する連携フローを組む
  • ホワイトペーパーダウンロード: まだ検討段階が浅い可能性があるため、ステップメールで育成(ナーチャリング)してから営業へ渡す

このように、フォームの入力項目やCV後のサンクスページの設計も含めて、営業プロセスとWebサイトをシームレスに接続する設計を行いましょう。

BtoBサイトリニューアルを成功に導く具体的な手順と失敗パターン

戦略があっても、実行段階で躓いてしまうケースも少なくありません。ここではBtoB企業が陥りやすい失敗パターンと、その回避策について解説します。

失敗パターン1:リソース不足によるコンテンツ放置と回避策

最も多い失敗が、リニューアルオープン直後からサイトの更新が止まってしまう「ゴーストタウン化」です。「毎週ブログを更新する」「月に1本導入事例を追加する」と計画していても、通常業務との兼ね合いでリソースが確保できず、結局放置されてしまいます。更新が止まればSEO評価は徐々に下がり、リピーターも離れていきます。

回避策

  • 無理のない更新計画: 最初から高い頻度を目指さず、リソースに見合った現実的な運用ルールを定める
  • 外部リソースの活用: 社内だけで完結させようとせず、記事制作やホワイトペーパー制作をアウトソースする予算をあらかじめ確保しておく

こうした恒常的なリソース不足の課題に対しては、コンテンツ制作の体制構築支援や、貴社内に入り込んで実行を担う人材常駐の活用も有効な解決策となります。

失敗パターン2:KPIがバラバラでPDCAが回らない構造

「PV数」や「セッション数」ばかりを追ってしまい、「商談数」や「受注数」への貢献度が見えなくなるパターンです。マーケティング担当者はPV報告を行い、経営層は売上報告を求めるため、会話が噛み合わず、Webサイトの評価が不当に低く見積もられる原因になります。

回避策

  • KGI(重要目標達成指標): 売上、受注数
  • KPI(重要業績評価指標): 商談数、MQL数、資料請求数
  • モニタリング指標: PV、セッション、CTR

これらをツリー構造で整理し、「どの指標が改善すれば売上が伸びるのか」のロジックを明確にしておきましょう。

成功事例から学ぶ業種特性別のサイトアプローチ(IT vs 製造業)

BtoBと一口に言っても、顧客の業種特性や検討スタイルによって最適なサイト構成は異なります。

事例A:ITソリューション企業(デジタル技術に精通した顧客層)

ターゲットが自ら積極的に検索し、課題解決方法を探しているケース。

  • 戦略: 「オウンドメディア型」のサイト構成。SEO記事で幅広い検索ニーズを拾い、専門的なホワイトペーパーでリード情報を獲得する
  • 成果: 潜在層からのアクセスが増加し、リード獲得数がリニューアル前の3倍に

事例B:部品メーカー(現場業務を重視する顧客層)

ターゲットが特定の型番や仕様で検索する、あるいはカタログを求めているケース。

  • 戦略: 「データベース型」のサイト構成。製品検索機能(スペック検索)を充実させ、詳細な仕様書やCADデータを会員限定でDL可能にする
  • 成果: 設計担当者の利用頻度が向上し、図面へのスペックイン(指名買い)が増加

このように、自社の顧客が「情報を読みたいのか」「データを使いたいのか」を見極めることが成功の鍵です。

リニューアルの価値を経営層に説明する方法

リニューアルには数百万円から数千万円の予算がかかります。経営層から「その投資でどれだけ売上が増えるのか?」と問われた際に、納得感のある説明をするための準備が必要です。

事業成果を見据えたKPI設定と測定期間

BtoBマーケティングにおけるWebサイトの成果は、以下のロジックで考えます。

  1. 目標受注金額の設定: リニューアル投資額を回収するために必要な売上利益
  2. 逆算シミュレーション:
    • 必要受注数 = 目標金額 ÷ 平均受注単価
    • 必要商談数 = 必要受注数 ÷ 商談受注率(例:20%)
    • 必要リード数 = 必要商談数 ÷ リード商談化率(例:10%)

これにより、「リニューアルによって月間のリード獲得数を現在の50件から80件に引き上げれば、1年で投資回収が可能」といった具体的な数値目標が導き出せます。なお、SEO効果が表れるには時間がかかるため、測定期間は最低でも「6ヶ月〜1年」の中長期スパンで設定することを説明しておきましょう。

経営層・事業責任者を納得させる稟議資料作成の3つの論点

稟議を通す際は、「デザインが古いです」という定性的な理由ではなく、以下の3つの視点で「事業課題」として語ることが重要です。

  1. 機会損失の可視化: 「現在、スマホ対応していないことで、モバイル経由のアクセスの●%が離脱しており、月間●件のリードを逃している」といった損失を数字で示す
  2. 競合との比較: 「競合他社AはWebサイトで〇〇なコンテンツを提供しており、検索順位で負けている。これが営業時のコンペ敗退の一因になっている可能性がある」と危機感を醸成する
  3. 資産としての価値: 「広告費はかけ捨てだが、Webサイトのコンテンツは資産として残り、将来的な顧客獲得コスト(CPA)を下げる投資である」と説明する

サイトリニューアルの実行リソース確保と外部パートナー選定基準

いざリニューアルプロジェクトを始めようとしても、社内にWeb制作やSEOの専門家がいない場合がほとんどでしょう。外部パートナーの選定は、プロジェクトの成否を分ける重要な決断です。

恒常的なコンテンツ制作リソース不足への対策

リニューアルプロジェクト中は、要件定義、原稿作成、チェック作業など、通常業務に加えて膨大なタスクが発生します。社内メンバーだけで乗り切ろうとすると、本来のマーケティング業務や営業活動がおろそかになる危険があります。

  • コンテンツ制作の切り出し: SEO記事や事例インタビューなど、手間のかかる制作業務はプロのライターや制作会社へ依頼する
  • ディレクション代行: 制作会社との折衝やスケジュール管理を行うPM(プロジェクトマネージャー)機能を外部委託する

一時的に外部リソースを活用することで、社内メンバーは「自社の強み・訴求ポイントの整理」や「社内調整」といったコア業務に集中できます。

支援実績豊富な外部ベンダーを見極める5つの評価軸

制作会社には「デザインが得意な会社」「システム開発が得意な会社」「マーケティングが得意な会社」など、それぞれ強みがあります。BtoBサイトのリニューアルであれば、以下の基準で選定することをおすすめします。

  1. BtoBの実績:
    BtoB特有の購買プロセス(検討期間が長い、複数人決裁)を理解しているか
  2. 戦略設計の有無:
    言われた通りに作るだけでなく、「誰に何を届けるか」の戦略から一緒に考えてくれるか
  3. SEO・技術力:
    301リダイレクトや構造化データなどの技術的なSEO要件を実装できるか
  4. リニューアル後の支援:
    公開後の分析やコンテンツ制作などの運用支援メニューがあるか
  5. 同規模企業への支援実績:
    自社に近い従業員規模や業界での成功事例を持っているか

単に「制作費が安い」だけで選ぶと、戦略なきサイトができあがり、後から修正コストが膨らむことになりかねません。

サイトリニューアル後の効果測定と運用PDCAの回し方

リニューアル公開日はゴールではなく、スタートラインです。公開直後からデータを計測し、改善のサイクル(PDCA)を回すことで、初めて成果が生まれます。

リニューアル後の効果測定で見るべき重要指標(SEO/MQL/商談数)

公開後1〜3ヶ月は、特に以下の指標を重点的にモニタリングします。

  • SEO指標(Google Search Console): 「表示回数」と「クリック数」。特に旧サイトで流入が多かった主要キーワードの順位変動を注視し、急落している場合はリダイレクト設定やタグ設定を再確認します
  • CV指標(Google Analytics): 「フォーム到達率」と「完了率(CVR)」。デザイン変更で導線が変わったことにより、ユーザーがフォームまで辿り着けなくなっていないかを確認します
  • 事業指標(SFA): 「リードからの商談化率」。リニューアルによってリードの質がどう変化したかを営業部門からのフィードバックを元に検証します

サイト公開後のPDCAを自走させるための組織体制構築

PDCAを回すためには、マーケティングチームと営業チームの定期的な連携が必要です。

  • 月次定例会の実施: アクセス解析データと営業状況(商談数・受注数)を突き合わせる会議を設ける
  • 営業フィードバックの反映: 「お客様から『サイトの事例が見やすかった』と言われた」「逆に『製品スペックが探しにくくなった』と言われた」といった生の声を、即座にサイト改善(UI修正やコンテンツ追加)に反映させる体制を作ります

FAQ:サイトリニューアルのSEOに関するよくある質問

最後に、サイトリニューアルに関してよく寄せられる質問にお答えします。

サイトリニューアルで順位が落ちる期間はどのくらいか?

Googleが新しいサイト構造を完全に理解し、再評価するまでには一定の時間がかかります。適切に301リダイレクトなどの処理を行っていても、公開後2週間〜1ヶ月程度は検索順位が一時的に不安定になる(数位〜十数位程度変動する)ことが一般的です。これはGoogleの仕様上の挙動であり、設定にミスがなければ徐々に元の水準、あるいはそれ以上に回復します。

ただし、2ヶ月以上経っても順位が戻らない、あるいは圏外に飛んだままの場合は、設定ミスやコンテンツ評価の低下が疑われます。早急な専門家による調査が必要です。

URL構造を変更する場合の注意点は?

URL構造を変更する場合は、必ず301リダイレクトを設定してください。また、できるだけ現在のURL構造を維持することをおすすめします。変更が必要な場合も、重要なページのURLは極力変えない、階層を深くしすぎないといった配慮が必要です。

まとめ

BtoBサイトのリニューアルにおいて、SEO順位を守り、さらに商談数を増やすためには、技術的な対策と事業戦略に基づいた設計の両輪が不可欠です。

  1. 守り: 301リダイレクトや「noindex」確認など、移行時の技術的チェックを徹底する
  2. 攻め: ペルソナ・カスタマージャーニーに基づき、営業連携を見据えたコンテンツと導線を設計する
  3. 体制: 作って終わりではなく、継続的に運用・改善できるリソースと体制を確保する

見た目を変えるだけの「模様替え」で終わらせず、事業成長を牽引する強力な「エンジン」としてのWebサイトを構築しましょう。

もし、「社内にSEOや戦略設計に詳しい人材がおらず、何から手をつければよいかわからない」「リニューアルプロジェクトを主導できるリソースが足りない」とお悩みであれば、ぜひ一度ご相談ください。

守りのSEO対策を完了させたら、次は攻めの戦略設計が不可欠です。2,000社以上の実績で培われた体系的なノウハウに基づき、BtoB企業の事業成長に貢献してきたferretソリューションが、リニューアルを成功させるための戦略設計からコンテンツ制作・運用まで、一貫してご支援いたします。

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菊池 貴行(きくち たかゆき)
菊池 貴行(きくち たかゆき)
金融機関、メディア運営会社を経て2018年より株式会社ベーシックへ入社。 ferret Oneカスタマーサクセス部にて、オンボーディングチーム立ち上げメンバーとして活躍し、顧客の「BtoBマーケティング」の立ち上げ支援を行い、 担当社数は累計120社以上。 製造業・ITサービス・コンサルティングサービスなど、有形から無形の幅広い業界の企業に対して、各社の事業理解から組織状態など踏まえた顧客に 寄り添った戦略設計や施策の設計などマーケティング支援を行う。 現在はマーケティング部にてセミナーの企画から講師を担当し、これまでに支援してきた豊富な経験をもとにした、実務に使えるセミナー内容に定評がある。

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