BtoBオウンドメディア運用代行会社の比較11選|重要なのは「戦略から伴走するパートナー選び」
「オウンドメディアを立ち上げたものの、思うような成果が出ない」 「記事数は増えているのに、質の高いリード(MQL)や商談につながらない」
現在、多くのBtoB企業のマーケティング担当者が、こうした課題に直面しています。コンテンツ制作も行っているにもかかわらず成果が伸び悩む背景には、リソース不足やノウハウ不足だけでなく、もっと根本的な問題が隠れていることが多いのです。
それは、「誰に・何を・どのように届けて、どうやって事業成果(売上)に結びつけるか」という「戦略設計」が曖昧なまま、記事制作などの「作業」だけが先行してしまっているという点です。
本記事では、2,000社以上のBtoBマーケティング支援実績を持つ専門家の視点から、単なる「作業代行」ではなく、事業成果に直結する「戦略的パートナー」としての運用代行会社の選び方を解説します。失敗しないための選定基準や、経営層を説得するための考え方まで、明日からの実務に役立つノウハウを網羅しました。
貴社のマーケティングを「コスト」から「売上を生むエンジン」へと変えるためのヒントとして、ぜひお役立てください。
この記事の要点
- 成果が出ない根本原因は「施策の目的化」と「戦略の不在」にある
- BtoB企業は「作業代行」ではなく、戦略から伴走できるパートナー選びが重要
- BtoB特有の購買プロセスを踏まえたKPI設定と営業連携が成功の鍵
- 運用代行費用を「コスト」ではなく「投資」と捉える考え方で社内合意を得る
目次[非表示]
- 1.この記事の要点
- 2.BtoBオウンドメディア運用代行が失敗する根本的な原因とは?
- 3.成果最大化を実現する「戦略設計」と運用代行の関わり
- 4.BtoB企業の課題を解消する運用代行の業務範囲と支援体制
- 4.1.運用代行の業務範囲と切り分け方(コンテンツ・SEO)
- 4.2.リソース・状況別に選ぶ最適な体制(制作代行 vs 人材常駐)
- 4.3.2,000社以上の実績から見るBtoB企業に最適なリソース確保策
- 5.【BtoB特化】オウンドメディア運用代行会社のおすすめ比較11選
- 5.1.BtoBマーケティングに特化した運用代行会社の選定基準
- 5.2.おすすめ運用代行会社一覧(主要10社の特徴と強み)
- 5.3.①XINOBIX株式会社
- 5.4.②株式会社THE MOLTS
- 5.5.③株式会社LUCY(バズ部)
- 5.6.④株式会社Faber Company
- 5.7.⑤ナイル株式会社(ナイルのSEO相談室)
- 5.8.⑥株式会社PLAN-B
- 5.9.⑦株式会社イノーバ
- 5.10.⑧株式会社テクロ
- 5.11.⑨CROCO株式会社
- 5.12.⑩株式会社ニュートラルワークス
- 5.13.⑪株式会社ベーシック(ferretソリューション)
- 6.経営層の合意を得るための考え方と社内稟議の進め方
- 7.オウンドメディア運用代行に関するよくある質問 (FAQ)
- 7.1.契約期間や途中解約に関する注意点
- 8.まとめ
BtoBオウンドメディア運用代行が失敗する根本的な原因とは?
多くの企業が運用代行を利用しながらも失敗してしまう背景には、共通する構造的な問題があります。まずは自社の状況と照らし合わせ、成果を阻害している根本原因を特定しましょう。
施策の実行が目的化する「戦略不在」の罠
最も多い失敗パターンは、オウンドメディアの運営自体が目的化してしまうケースです。「週に2本記事を公開すること」や「PV(ページビュー)を増やすこと」がKPIとなり、本来の目的である「リード獲得」や「商談創出」がおろそかになっていませんか。
戦略不在のまま運用代行に「記事作成」だけを依頼しても、検索順位は上がるかもしれませんが、自社のサービスを検討してくれる見込み顧客(リード)は集まりません。特にBtoBでは、PVの多さよりも「決裁権を持つ担当者」にいかにアプローチできるかが重要です。コンテンツSEOと運用が分断され、それぞれの数値だけを追っている状態では、事業成果への貢献は見込めないでしょう。
組織・リソース課題が生む「ノウハウのブラックボックス化」
BtoB企業では、マーケティング担当者が3〜5名、あるいは兼務で1〜2名というケースも珍しくありません。リソースが不足しているため、運用代行会社に「丸投げ」してしまうことが起こりがちです。
しかし、戦略の企画から制作、分析までをすべて外部に依存すると、社内に知見が蓄積されません。これを「ノウハウのブラックボックス化」と呼びます。担当者が代行会社の成果物をチェックするだけの管理者になってしまうと、代行会社との契約終了時や担当者変更時に、メディア運営が立ち行かなくなるリスクがあります。自社に何を残し、何を任せるかという線引きが重要です。
成果に直結しないKPI設定と営業連携の欠如
「マーケティングチームはリード数を目標にしているが、営業チームからは『質が悪い』と言われてしまう」。これはBtoBマーケティングで頻発する課題です。原因は、マーケティング部門と営業部門の間で「どのようなリードが商談化しやすいか(MQLの定義)」の合意が取れていないことにあります。
本来、マーケティングの目標は営業と連動していなければなりません。しかし、運用代行会社が営業現場の声を知らずにPVやCV(コンバージョン)だけを追う施策を行うと、この溝はさらに深まります。営業連携を無視したKPI設定は、組織間の対立を生むだけでなく、マーケティング投資の無駄遣いにつながります。
成果最大化を実現する「戦略設計」と運用代行の関わり
成果が出ない現状を打破するために最も効果的なのは、小手先の記事改善ではなく、土台となる「戦略設計」の見直しです。運用代行会社を選ぶ際も、この戦略部分にどう関与してくれるかが成果を分けます。
事業目標から逆算するKPI・MQLの再定義
まず行うべきは、経営目標(売上目標)からの逆算です。「年間売上〇億円」を達成するために必要な「受注数」はいくつか。その受注を得るために必要な「商談数」、そして商談を生むための「MQL(有望リード数)」はいくつか。このように数字を分解していくことで、オウンドメディアが月間に獲得すべきリアルな数値が見えてきます。
単に「問い合わせ」すべてを成果とするのではなく、インサイドセールスが架電すべき「資料請求」や「ホワイトペーパーダウンロード」など、リードの質(確度)に応じたKPIを設定しましょう。
BtoB特有のリード育成に必須なペルソナ・カスタマージャーニーの再構築
BtoB商材は検討期間が長く、意思決定に複数の人間が関わります。そのため、「誰の、どんな課題を解決するのか」というペルソナ設計と、認知から購買に至るまでのカスタマージャーニーマップが必須です。
例えば、「情報収集段階の担当者」と「比較検討段階の決裁者」では、求める情報の粒度も信頼性の基準も異なります。既存のペルソナが「30代男性・会社員」といったBtoCのような粒度になっていないでしょうか。企業規模、役職、抱えているミッション、決裁フローまで解像度を高める必要があります。この設計図があって初めて、各フェーズで作成すべきコンテンツの内容が決まります。
実行フェーズの成果を左右する戦略設計の重要性
どれほど優秀なライターを起用しても、設計図(構成案やペルソナ)が間違っていれば、刺さるコンテンツは作れません。逆に言えば、戦略設計さえ強固であれば、その後のコンテンツ制作や運用はスムーズに回り、成果が出やすくなります。
自社だけでこの戦略設計を行うのが難しい場合は、外部の知見を借りるのが近道です。特にBtoB領域では、業界特有の購買プロセスへの理解が不可欠です。「ferretソリューション」では、2,000社以上の支援実績から導き出されたメソッドに基づき、貴社の現状に合わせた戦略設計からサポートしています。戦略という「土台」を固めることが、遠回りのようで最短の成果創出ルートです。
BtoB企業の課題を解消する運用代行の業務範囲と支援体制
リソースや予算に限りがあるBtoB企業では、運用代行会社をどう活用するかが重要です。「何を依頼し、何を自社でやるか」を明確にしましょう。
運用代行の業務範囲と切り分け方(コンテンツ・SEO)
運用代行の業務範囲は多岐にわたります。
- 戦略・企画:ペルソナ設計、KW選定、サイト構造設計、KPI策定
- コンテンツ制作:記事執筆、ホワイトペーパー制作、導入事例取材
- 分析・改善:アクセス解析、リライト提案、CRO(CV率改善)
全てを依頼すれば高額になります。自社の弱点が「記事を書くリソースがない」ことなのか、「分析ノウハウが不足している」ことなのかを見極め、必要なピースだけを補完してくれる柔軟なサービスを選ぶことが重要です。
リソース・状況別に選ぶ最適な体制(制作代行 vs 人材常駐)
依頼形態には大きく分けて「成果物納品型(制作代行)」と「プロジェクト伴走型(人材常駐・コンサル)」があります。
形態 | 特徴 | 向いている企業 | 注意点 |
|---|---|---|---|
制作代行型 | 記事やWPなどの成果物を納品。単価が明確。 | 戦略は自社にあり、制作の手だけが足りない企業 | 戦略がないと質の低い記事が量産される恐れがある。 |
伴走支援型 | 定例会議等でPDCAを回す。プロ人材がチームに入るイメージ。 | 戦略設計から不安がある企業。ノウハウを内製化したい企業 | 担当者との相性が重要。費用は月額固定になりやすい。 |
デジタル技術に精通した体制があり、社内にディレクターがいるなら制作代行型でコストを抑えられます。一方、現場業務を重視する業種など業種特性によってはデジタルマーケティングの知見が少ない場合もあり、その際は伴走支援型で全体の方向修正をしてもらう方が安全です。
2,000社以上の実績から見るBtoB企業に最適なリソース確保策
BtoB企業において最も成果が出やすいのは、初期段階では「戦略と伴走」に投資し、軌道に乗ってからは「制作リソース」に投資するハイブリッドな進め方です。最初から記事本数だけを追う契約はお勧めしません。
まずは戦略設計と体制構築をプロと一緒に行い、社内リソースで回せない部分(例:専門的なライティングや分析設定)をアウトソースする。この柔軟性が長期的な成功の鍵です。「ferretソリューション」は、コンテンツ制作代行からプロ人材のアサイン、戦略顧問まで、貴社のフェーズとリソース状況に合わせて必要な機能を柔軟に提供し、社内にノウハウが蓄積されるよう支援します。
【BtoB特化】オウンドメディア運用代行会社のおすすめ比較11選
ここからは、BtoBマーケティングに強みを持つおすすめの運用代行会社を紹介します。自社の課題に合ったパートナーを選定してください。
BtoBマーケティングに特化した運用代行会社の選定基準
選定時は以下の3点を必ず確認しましょう。
- BtoB専門の知見があるか:BtoCとは異なる購買プロセス(決裁フロー、長い検討期間)を理解しているか。
- 記事以外も相談できるか:記事制作だけでなく、ホワイトペーパーや営業連携まで視野に入れているか。
- 戦略への関与度:言われた通りに作るだけでなく、「そのキーワードは狙うべきではない」といった戦略的な提言をしてくれるか。
おすすめ運用代行会社一覧(主要10社の特徴と強み)
※価格やサービス内容等の詳しい情報については下記URLより各社公式HPへお問い合わせの上ご確認ください。
①XINOBIX株式会社

- 特徴:オウンドメディアに特化し、戦略設計からサイト構築、記事制作、運用まで一括支援。編集会議による継続的な改善プロセスを持つ。
- 強み:SEO戦略に基づいた高品質なコンテンツ制作と、内製化支援に定評があります。
②株式会社THE MOLTS

- 特徴:BtoB、特にSaaSやHR Tech領域に強いデジタルマーケティング支援会社。
- 強み:単なる納品ではなく、CVや流入といった「数字」に強くコミットする姿勢。戦略立案から実行まで一貫対応。
③株式会社LUCY(バズ部)

- 特徴:有名メディア「バズ部」の運営元。SEOコンテンツマーケティングの先駆的存在。
- 強み:非常に厳しい基準をクリアしたライターによる高品質な記事制作。コンテンツSEOで圧倒的な集客を目指す企業向け。
④株式会社Faber Company

https://www.fabercompany.co.jp/
- 特徴:SEO分析ツール「ミエルカSEO」を提供し、ツール活用とコンサルティングを組み合わせた支援を行う。
- 強み:独自の分析データに基づいた改善提案が可能。コンテンツの内製化(自社で作れるようにする)支援も得意。
⑤ナイル株式会社(ナイルのSEO相談室)

- 特徴:長年のSEO実績を持つ老舗。大手企業のコンサルティング実績が豊富。
- 強み:大規模サイトのSEO戦略設計や、信頼性の高いコンテンツ制作力。
⑥株式会社PLAN-B

https://www.plan-b.co.jp/solution/seo/content/
- 特徴:SEO、広告、Web制作を総合的に手掛けるデジタルマーケティング会社。
- 強み:サイト構築から記事制作までワンストップで対応可能。特定の業種に限らず幅広い実績を持つ。
⑦株式会社イノーバ

- 特徴:BtoB専業のコンテンツマーケティング支援会社。CMSの運用支援も行う。
- 強み:「伴走型」の支援スタイル。戦略立案からコンテンツ制作、リードナーチャリングまでBtoBマーケティング全体をカバー。
⑧株式会社テクロ

- 特徴:BtoB向けのSEO、コンテンツ制作、メールマーケティングを支援。
- 強み:リード獲得後のナーチャリング(育成)施策まで対応できる点。Web制作とマーケティングをセットで依頼可能。
⑨CROCO株式会社

- 特徴:大規模なライターネットワークとコンテンツ制作支援ツールを持つ。
- 強み:大量記事制作や専門的な記事作成に対応可能。コピペチェックなど品質管理体制が整っている。
⑩株式会社ニュートラルワークス

- 特徴:Web制作とSEOを組み合わせた改善が得意。
- 強み:UI/UX(使いやすさ)の改善とSEO施策を連携させ、CVRを高めるアプローチ。IT/Web業界に強い。
⑪株式会社ベーシック(ferretソリューション)

- 特徴:BtoBマーケティング支援実績2,000社超のノウハウを体系化した「伴走型」支援サービス。
- 強み:「戦略設計」を最重要視し、ペルソナ策定からKPI設計、営業連携までをサポート。「ただ作るだけ」ではなく、事業成果に繋げるための戦略パートナーとして、コンテンツ制作や人材不足の解消まで柔軟に対応します。
- おすすめの企業:戦略が定まっていないBtoB企業、施策がマンネリ化している企業、リソース不足を解消したい企業。
経営層の合意を得るための考え方と社内稟議の進め方
良いパートナー候補が見つかっても、社内で予算承認が降りなければ始まりません。特に経営層は「記事作成に月数十万円」というコストに難色を示すことがあります。これを突破するには、コストを「投資」に変換するロジックが必要です。
運用代行費用を「コスト」から「投資」に変える考え方
稟議書には、「いくらかかるか(費用)」だけでなく「いくら儲かるか(投資対効果)」を明記しましょう。以下の流れで考えます。
- LTV(顧客生涯価値)の算出:1社の顧客が生涯で自社にいくらの利益をもたらすか。
- 目標CPA(顧客獲得単価)の逆算:LTVに基づき、1件のリード獲得にかけられる許容コストを算出。
- シミュレーション:運用代行によって月間〇件のリード増が見込めれば、〇ヶ月で元が取れ、年間で〇〇万円の利益貢献が見込める。
「月額費用」ではなく、「リード1件あたりの獲得コスト(CPA)が、広告出稿よりも安くなる」または「受注率の高いリードが増えるため、営業効率が上がり売上貢献する」という文脈で説明することが重要です。
オウンドメディア運用代行に関するよくある質問 (FAQ)
契約期間や途中解約に関する注意点
Q. 契約期間の縛りはありますか?
A. 多くの運用代行会社では、半年〜1年程度の契約期間を設けています。SEOやコンテンツマーケティングは成果が出るまでに時間がかかるためです。ただし、3ヶ月ごとの更新など柔軟に対応してくれる会社もありますので、事前に確認しましょう。
Q. 途中解約した場合の成果物はどうなりますか?
A. 納品された記事やコンテンツの著作権がどちらに帰属するかは契約書によります。一般的には納品・支払い完了後にクライアントに移転することが多いですが、トラブルを防ぐために契約前に必ず条文を確認してください。また、情報は鮮度が命ですので、半年〜1年ごとの定期的なリライト(更新)方針についても、運用会社と事前に握っておくことを推奨します。
まとめ
本記事では、BtoBオウンドメディア運用代行の選び方と活用のポイントについて解説してきました。
- 戦略の重要性:成果が出ない最大の原因は「戦略不在」。実行の前にペルソナやKPIの再設計が必要。
- 選び方の基準:自社のリソース状況に合わせ、「制作代行」か「伴走支援」かを見極める。
- 社内合意:費用対効果を数値で示し、経営層に「投資価値」を伝える。
BtoB企業が限られたリソースで成果を最大化するためには、単なる作業者ではなく、貴社のマーケティング戦略に深く関与し、ノウハウを共有してくれるパートナーが必要です。もし現在、「何から手を付ければいいかわからない」「戦略設計から相談したい」とお考えであれば、体系化されたノウハウを持つ専門家の力を借りることを検討してみてください。













