BtoB導入事例の制作で成果を出すには?戦略設計・インタビューのコツからROI試算まで徹底解説

「事例を作っても、ただの営業資料の域を出ない」「リソースもノウハウも足りず、制作が頓挫してしまう」

これは、BtoBマーケティング担当者が共通して抱える、「導入事例制作」の深い悩みではないでしょうか。

自社のソリューションやサービスが、顧客の課題を解決し、実際に成果を生んだ「成功の物語」である導入事例は、リード獲得や商談時のクロージングにおいて、最も強力なコンテンツの一つです。しかし、制作過程のどこかに「戦略の抜け」や「ノウハウの不足」があると、せっかくの時間と労力が「作るだけ」で終わってしまう「施策の目的化」に陥りがちです。特に多忙なマーケティング部門にとって、「費用対効果(ROI)を経営層にどう説明するか」という壁も立ちはだかります。

本記事は、2,000社以上のBtoB企業をご支援してきた弊社の豊富な実績と知見に基づき、導入事例を「受注最大化の戦略ツール」へと昇華させるための全手順を、実践的なノウハウとともに徹底解説します。単なる制作手順ではなく、制作前の戦略設計、顧客の生の声を引き出すインタビューのコツ、そして稟議を通すためのROI試算方法までを網羅。記事を読み終える頃には、貴社の抱える「成果が出ない」「リソース不足」といった課題を解決し、次に取るべき具体的なアクションが見えているはずです。

本記事の要点

導入事例を単なる営業ツールで終わらせず、受注最大化に繋げるための重要な要点は、以下の4点です。

  • 戦略不在からの脱却: 制作前に、「ペルソナ」と「カスタマージャーニー」を再定義し、「誰の、どの課題を、どのタイミングで解決する事例か」という戦略的位置づけを明確にすること。
  • 事業貢献するKPI設定: 事例の「制作数」ではなく、「事例を閲覧したリードの商談化率受注貢献度」など、事業成果に直結するKPIを設定し、効果を可視化すること。
  • 「生の声」を引き出す質問術: インタビューでは、サービス導入「後」の美談だけでなく、「導入前の具体的な課題と当時のペイン」に深く踏み込む質問設計で、読者の共感を呼ぶリアリティを追求すること。
  • 制作体制の最適化とROI可視化: 内製と外注の損益分岐点を見極め、リソース不足を解消する最適なパートナーを選定すること。さらに、事例制作のROIを算出し、経営層の合意形成を得る準備を整えること。

BtoB導入事例の制作が「営業ツール」で終わる根本的な原因

多くのBtoBマーケターの方が、導入事例の重要性は理解しつつも、「作っても成果に繋がらない」「営業部門で上手く活用されていない」といった課題に直面しています。

これは、貴社の努力やリソースが不足しているわけではありません。問題の多くは、制作フェーズに入る前の「戦略設計」に抜けがあることに起因します。弊社の2,000社を超えるBtoBマーケティング支援実績から見ても、事例が成果に繋がらない企業には共通した根本原因があるのです。

制作が目的化する3つの失敗パターンと共通点

導入事例の制作が、いつの間にか「作ること」自体が目的化し、事業成果に貢献しない失敗パターンは主に以下の3つに集約されます。

失敗パターン

共通する課題(戦略の抜け)

パターン1: 制作ありき

「誰に」「何を」見せるかのターゲティングが曖昧。協力してくれた顧客の事例を順番に公開しているだけで、ターゲット顧客の課題と合致していない。

パターン2: 美談で終わる

導入後の成功話ばかりで、「導入前の深い課題や具体的なペイン」が描けていないため、読者が「自分と同じ状況だ」という共感を生まない。

パターン3: 営業連携の欠如

制作後、事例の存在がマーケティング部門で止まり、「営業部門に活用する仕組みや教育」が浸透していない。

これらの失敗に共通するのは、「戦略なき施策の実行」です。事例は本来、営業活動をスムーズにし、見込み顧客の背中を押すための「クロージングコンテンツの最上位」に位置づけられるべきものです。しかし、ペルソナやカスタマージャーニーにおける役割が不明確だと、結果的に「なんとなく作るコンテンツ」となり、工数だけがかかる重荷になってしまうのです。

成果に直結させるために必要な「戦略設計」の重要性

成果の出ない導入事例から脱却するためには、制作前の「戦略設計」こそが最も重要です。

戦略設計とは、単に「事例を何件作るか」を決めることではありません。「事業目標から逆算し、どのフェーズのどんな課題を持つ顧客に、何を訴求すべきか」を明確にするプロセスを指します。この初期の設計が甘いと、制作物の品質が高くても、ターゲット顧客に届かず、商談化にも貢献しないという事態に陥ります。

事例制作も例外ではなく、まずは「誰に響く事例を作るか」という設計図を描くことが成功への第一歩です。体系化されたノウハウに基づいた考え方で、制作の土台を固めることが不可欠です。

受注を最大化する導入事例制作の「戦略設計」3ステップ

ここからは、導入事例を「作るだけの施策」から「受注を最大化する戦略ツール」へと変貌させるための具体的な3ステップを解説します。この手順を遵守することで、事例が事業に貢献する確度を飛躍的に高めることができます。

ペルソナ・カスタマージャーニーに基づく事例テーマの明確化

制作に着手する前に、「誰に読んでほしいか」と「読んだ後にどう行動してほしいか」を明確に定義しましょう。これが事例制作における「ペルソナとカスタマージャーニーの設計」です。

検討フェーズと事例の役割

事例で解決すべき顧客の課題

事例のテーマ例

検討初期(情報収集)

そもそも課題の解決方法がわからない、サービスの存在を知らない。

「◯◯業界の生産性向上」に成功した事例(業界の課題解決にフォーカス)

検討中期(比較・検討)

類似サービスとの違いがわからない、自社に導入できるか不安。

「既存システムとの連携」に成功した事例、「業界特化の課題解決」事例(機能・連携にフォーカス)

検討後期(意思決定)

費用対効果や失敗リスクを懸念している、最後の決め手が欲しい。

「導入後の具体的な数値効果」事例、「企業文化の違いを乗り越えた」事例(ROI・安心感にフォーカス)

事例は、特に検討中期〜後期において、「自社と同じような課題を持つ企業が、実際に成功した実績」として大きな影響力を持ちます。ターゲットとするペルソナが、顧客のどの課題に直面しているかを明確にし、それに合致したテーマを選ぶことが重要です。

営業連携を前提とした事例コンテンツの戦略的位置づけ

マーケティング部門が制作した事例は、最終的に営業部門が活用して初めて「受注貢献」というゴールに到達します。このため、事例は「営業部門が」「商談の特定フェーズで」「顧客の不安を解消するため」に活用することを前提として設計しなくてはなりません。

具体的には、MAツールで顧客の閲覧履歴を確認し、「料金ページと競合比較コンテンツを閲覧したリード」に対して、「費用対効果にフォーカスした事例」をインサイドセールス(IS)がアプローチ時に提示するといった連携が効果的です。事例を単なるWebコンテンツではなく、「営業プロセスにおける強力な武器」として位置づけ、部門間でシームレスに連携させることが重要です。営業部門が「使いたい」と思えるよう、事例の場所、訴求ポイント、活用すべきタイミングをまとめた「事例活用マップ」を作成し、共有することが求められます。

事業貢献度を高めるKPI設定と目標値の決め方

「今月は事例を3件制作する」というKPI設定は、典型的な「施策の目的化」の兆候です。導入事例のKPIは、必ず事業成果に直結する指標(アウトカム)を設定する必要があります。

KPIを設定する際は、以下の視点を取り入れてみてください。

課題の視点

成果指標(KPI例)

目標設定のポイント

リードの質

事例閲覧後の「MQL数」、「商談化率

事例を読んだグループと読まなかったグループで比較し、20%〜30%の改善を目指す。

営業効率

商談あたりの平均「受注単価」、「リードタイム」の短縮

営業部門から「事例の有無で単価が〇%上がった」「受注まで〇日短縮できた」というフィードバックを得る。

事業貢献度

受注貢献件数」、事例起点「LTV(顧客生涯価値)

MAツールで事例閲覧をスコアリングし、最終的な受注にどれだけ寄与したかを定量的に追う。

「MQL数」や「商談化率」といった具体的な数字目標を設定し、公開後1か月、3か月といった期間で効果測定を行い、PDCAを回すことが、導入事例を事業貢献するコンテンツにするための絶対条件です。このKPI設定は、後述する経営層への「ROI(費用対効果)の説明責任」を果たす上でも極めて重要となります。

制作フェーズで失敗しないための実践ノウハウ

インタビューのコツ」は、多くのBtoBマーケターが検索する重要なノウハウです。ここでは、表面的な情報ではなく、顧客の「生の声」を、コンテンツの武器にするための具体的な実践ノウハウを解説します。

顧客の「生の声」を引き出すためのインタビュー構成と質問のコツ

「インタビューを断られる」「当たり障りのない話で終わってしまう」といった失敗は、インタビュー準備と質問設計の段階で回避できます。最も重要なのは、顧客に「協力したい」と思ってもらうための配慮と、読者に「これは自分事だ」と感じさせるための質問設計です。

成功するインタビューのための3つのコツ

  1. インタビューは「導入前のペイン」から入る:

    • 導入後の話から入ると、単なる「製品自慢」になりがちです。まず「導入前の御社の最も痛かった課題、現場で困っていた具体的な状況や感情(ペイン)」から質問を始めましょう。
    • 良い質問例: 「あの時、A部門の〇〇さんが一番困っていた具体的な業務は何でしたか?」「解決策を他社製品も含めて検討されていた中で、最も懸念されていた点は何でしたか?」「当時、この課題を解決できないことに対して現場はどんな危機感を持っていましたか?」
  2. 成功の「具体的な裏側」を聞く:

    • 「導入後、KPIが20%改善しました」という成果の裏側にある、「具体的な手順やアクション、苦労話」を聞き出します。「その20%改善のために、貴社内で特に大変だったこと新しく始めたことは何でしたか?」「導入前の懸念が解消された瞬間は、どんな時でしたか?」と、事実だけでなく、その背景にある努力や感情を掘り下げましょう。
  3. 「失敗談の回避」の質問で共感を呼ぶ:

    • 多くの読者は「失敗したくない」と思っています。「導入を迷っている方に、過去の貴社と同じ失敗をしないためにアドバイスするとしたら?」という質問は、顧客の権威性を高めつつ、読者の検討リスクを解消する貴重な情報になります。

インタビューは顧客との共同作業であり、「自社の事業成長に貢献する事例を一緒に作る」という協力意欲を引き出すことが、成功の鍵です。

執筆・デザインで押さえるべきBtoB事例特有のポイント

インタビューで得られた「生の声」を、ターゲット層に響くコンテンツに仕上げるには、BtoB事例特有の表現・構成のポイントがあります。特に、技術リテラシーが低い可能性がある製造業などの担当者もターゲットに含まれる場合は、細心の注意が必要です。

  • 課題と解決策は「数字」でつなぐ:

    • 抽象的な表現(例:「業務が効率化しました」)ではなく、「〇〇という課題を、この機能で△△という手順で解決した結果工数が20%削減されました」と、具体的な事実と数字でロジックを補強しましょう。事実と客観的なデータで主張を裏付けることが、BtoBコンテンツに求められる信頼性(E-E-A-T)を担保します。
  • 「課題→解決策→成果」の構成を徹底:

    • 導入前の課題(読者の共感)」→「製品・サービスの選定理由と導入の壁(信頼性の担保)」→「導入後の具体的な解決策と成果(行動喚起)」というストーリーを明確にし、読者が途中で離脱しない構成にします。特に、製造業などのローリテラシー層には、解決策の部分をステップ形式の図解で示すなど、視覚的に分かりやすい工夫が有効です。
  • 客観性と権威性を高めるデザイン:

    • 顧客の顔写真だけでなく、サービス導入後の具体的な業務フロー図成果のグラフを多用し、客観的な裏付けと専門性を示すことが重要です。グラフを使う際は、単位や比較対象を明確にし、データの信頼性を高めるよう意識しましょう。

事例公開後のチェックリストと効果測定のPDCA

事例は公開したら終わりではありません。むしろ公開後の「活用・測定・改善」のプロセスが、そのコンテンツの価値を決定します。SFA/MAと連携し、リードの検討フェーズに応じて事例を最適なタイミングで出し分けるノウハウが必要です。

公開後1か月で実行すべき3つのアクション

  1. 営業部門へのフィードバック体制の構築:

    • 営業会議で「どの事例が商談で特に役立ったか」「顧客はどの部分に関心を示したか」といった定性的なフィードバックを週に1回収集する体制を作ります。このフィードバックを元に、次に制作すべき事例テーマを企画します。
  2. MAツールでのスコアリング設計:

    • 事例の閲覧履歴に対し、他のコンテンツ閲覧よりも高い点数(例: 5〜10点)を付与するスコアリングルールをMAツールに設定し、事例閲覧をMQLへの重要なシグナルとして活用します。特に「検討後期」の事例を閲覧したリードには、より高いスコアを設定すべきです。
  3. 既存リードへの能動的な配信:

    • 事例テーマに合わせたセグメント(例: 特定の業界、特定の課題を持つリード)に対し、メールマガジンやステップメールで事例を能動的に届け、リードの検討段階を引き上げるナーチャリング施策として活用します。この際、配信後の開封率・クリック率・CV率を測定し、メール文面やタイトルに活かすPDCAを回すことも忘れないでください。

BtoB企業が抱える「リソース不足」の壁を乗り越える方法

BtoB企業にとって、事例制作は「ノウハウ不足」と「工数」というリソースの壁に直面しがちです。この壁を乗り越えるには、内製・外注の境界線を明確にした最適なリソース戦略が不可欠です。

内製・外注の損益分岐点と最適なリソース戦略

事例制作における内製と外注の損益分岐点は、「戦略の策定」と「顧客の協力意欲を高めるインタビューノウハウ」の有無によって決まります。

項目

内製が向いている場合

外注が向いている場合

戦略・企画

ペルソナ・ジャーニーが明確で、制作目的を自社で明確に設定できる場合。

制作目的・ペルソナが曖昧」で、戦略設計から専門家の知見を取り入れたい場合。

インタビュー・執筆

顧客との信頼関係が深く、「社内の人間が話を聞く方が本音を引き出しやすい」場合。

インタビューやライティングのノウハウが不足」しており、「工数確保が困難」な場合。

コストと品質

外部コストは抑えられるが、マーケティング担当者の「人件費と工数超過リスク」が高い。

初期コストはかかる」が、品質とスピードが安定し、「社内リソースのコア業務への集中」が可能。

結論として、特に戦略が定まっていない場合や、質の高い事例を安定的に量産したい場合は、外注を活用する方が費用対効果が高いケースがほとんどです。外注は単なる制作代行ではなく、ノウハウと工数を「購入」する「リソース戦略」として捉え、自社は「戦略設計」「顧客へのインタビュー依頼」などの「コア業務に集中」すべきです。

コンテンツ制作支援パートナー選定の3つの評価軸

パートナーを選定する際は、単に制作実績や費用感だけでなく、貴社の抱える根本課題である「戦略不在」と「リソース不足」を解決できるかを基準に評価する必要があります。

以下の3つの評価軸に基づき、パートナーを比較検討してください。

  1. 「戦略設計」へのコミットメント:

    • 単に言われた通りの記事を作るだけでなく、「制作前のペルソナ定義やカスタマージャーニーへの位置づけ」から、戦略立案に深く関与してくれるか。これができないパートナーは、貴社の事業貢献度を高める事例を作れません。
  2. BtoB特有の「ノウハウと実績」の豊富さ:

    • BtoB領域」に特化し、貴社と同規模(中堅・中小企業)の課題解決実績が豊富か。特に、顧客の「生の声を引き出すインタビューの具体的な質問設計ノウハウ」など、再現性のある手法を持っているかを確認しましょう。
  3. 「柔軟な支援体制」の有無:

    • 記事制作だけでなく、「Webサイト構築、MA導入支援、営業連携のプロセス設計」まで、貴社のフェーズに合わせて支援範囲を柔軟に変えられるか。リソースが逼迫した際に、「人材常駐オプション」などがあるか。

導入事例制作の費用対効果(ROI)を算出し稟議を通す具体策

BtoBマーケティング担当者の最重要課題の一つは、「施策の投資対効果(ROI)を経営層に説明し、稟議を通す」ことです。導入事例制作の投資は、単なる制作費ではなく、「営業効率の改善」と「受注貢献」というリターンを生むための先行投資として可視化しなくてはなりません。

経営層を納得させるROI試算の考え方とテンプレート

事例制作のROIは、以下の計算式で概算できます。重要なのは、制作コストだけでなく、「得られる具体的なリターン(売上貢献)」を定量的に示すことです。

事例制作のROI試算テンプレート(概算)

指標

計算式

備考

制作コスト(C)

制作費(内製人件費+外注費)× 事例数

内製人件費は、作業時間×人件費単価で工数超過分も計上すべきです。

事例閲覧リードの受注率増加分(ΔR)

事例閲覧リードの受注率 − 事例非閲覧リードの受注率

過去データや支援実績に基づき、仮説値を置く(例: 5%→10%へ5%増加)。

受注貢献売上(S)

年間新規リード数 × 平均受注単価 × 受注率増加分(ΔR)

事例コンテンツによって増加した売上貢献を定量化します。

ROI

(受注貢献売上(S) - 制作コスト(C)) ÷ 制作コスト(C) × 100%

制作コストの何%の売上を創出したか」を示す指標です。

このROI試算で最も重要なのは、「事例閲覧リードの受注率が、非閲覧リードに比べて〇%向上する」という「仮説と根拠」を提示することです。たとえば、適切に設計された事例を閲覧したリードは、そうでないリードに比べ、「受注率が1.5倍〜2倍近くになる」ケースが多く確認されており、この実績に基づいた裏付けが、稟議の説得力を高めます。

従業員300名規模の製造業の成功事例(社名非公開)

従業員300名規模の製造業A社は、「営業担当者が提案時に提示できる、権威性のある資料がない」「ITツールの導入に慎重な顧客が多く、最後のクロージングに時間がかかる」という課題を抱えていました。

A社はまず、戦略設計フェーズで「低リテラシーの現場担当者が抱える具体的な不安」を解消することを目的とした事例テーマを複数設定しました。次に、インタビュー代行とライティングを専門性の高いパートナーに依頼し、「導入後の数値効果だけでなく、導入前の社内説得プロセス」にフォーカスした事例を制作。

その結果、以下の定量的成果を得ました。

  • 事例公開後3か月で、事例閲覧を契機とした商談数が前月比150%に増加。
  • 営業部門への事例活用の浸透により、商談から受注までの平均リードタイムが約20%短縮
  • 特に、費用対効果にフォーカスした事例は、競合との最終比較で顧客が納得する強力な根拠となり、受注率向上に大きく貢献。

これは、リソースやノウハウに課題を抱えていた企業が、「戦略設計と実績ある外部リソースの活用」によって、導入事例を「作るだけ」で終わらせず、事業成果に直結させた好例です。体系化されたノウハウと中堅企業の成功事例を持つferretソリューションのような支援を導入することで、社内の説得力と信頼を獲得し、導入ハードルを解消できるのです。

まとめ

本記事では、BtoB導入事例制作を「作るだけの施策」から「受注を最大化する戦略ツール」へと変えるための、「戦略設計、インタビューノウハウ、リソース戦略、そしてROI試算のすべて」を解説しました。

重要なポイントは、「制作技術」以前に、「誰に、いつ、何を訴求するかという戦略設計」にあります。リソースが限られる中堅・中小企業のマーケティング担当者の方こそ、場当たり的な制作に工数を割くのではなく、「最初に戦略を固め、その戦略に沿って制作・活用を一気通貫で実行できる体制」を築くことが成功の鍵です。

もし、貴社が「戦略設計のノウハウがない」「事例制作のリソースが足りない」「営業連携のプロセスが定まらない」といった課題を抱え、自社内での解決が難しいと感じていらっしゃるなら、「戦略設計からコンテンツ制作、そしてMAを活用した営業連携までを一気通貫で支援する」パートナーへの相談が解決への最短ルートです。

BtoBマーケティングの課題解決に豊富な2,000社以上の実績を持ち、貴社のフェーズに合わせた柔軟な支援体制を持つferretソリューションが、貴社の導入事例制作を強力にバックアップします。

まずは、貴社が抱える具体的な課題についてお聞かせください。

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導入事例制作に関するよくある質問(FAQ)

Q. 顧客にインタビューを断られた場合、どのように対応すべきですか?

A. 顧客がインタビューを断る主な理由は、「工数負担」「公開NG情報への懸念」「メリットの不明確さ」の3点です。以下の対応を試みてください。

  1. インタビュー形式の簡略化: 1時間程度のWeb会議や、アンケート形式など、「顧客の負担が少ない形式を提案」します。
  2. 顧客側のメリット提示: サービスサイトへの企業ロゴ掲載や、「Webサイトへのアクセス流入」など、事例公開による「顧客側の具体的なメリット」を明確に伝えましょう。
  3. 匿名での掲載交渉: 企業名や担当部署名を匿名にする、写真掲載を控えるなど、「公開範囲を限定する交渉」を行うことで、協力を得やすくなります。

Q. 動画事例と記事事例はどのように使い分けるのが効果的ですか?

A. 顧客の「検討フェーズと商材の特性」によって使い分けるのが効果的です。

コンテンツ形式

向いているフェーズ・目的

特徴

記事事例

検討中期〜後期、「論理的な情報」が必要な顧客。

導入前の課題、解決のロジック、定量的な成果」を深く掘り下げて伝えやすく、SEO対策としても機能します。

動画事例

検討初期〜中期、「エモーショナルな訴求」や「製品の利用イメージ」を伝えたい顧客。

担当者の「熱意や表情、実際の操作画面」など、記事では伝えにくい情報をリアルに伝え、記憶に残りやすい点が強みです。

まずは記事で論理的な裏付けを行い、特に「キーマン(決裁者など)向けに熱意を伝える」目的で動画を活用するのがおすすめです。

Q. 導入事例の制作期間の目安はどれくらいですか?

A. 戦略設計から公開までの制作期間の目安は、以下の通りです。ただし、顧客側の確認や修正の工数によって大幅に変動します。

  • 内製で制作する場合: 企画・インタビュー依頼〜公開まで3〜4か月が目安です。
  • 制作代行パートナーに依頼する場合: 企画確定後、1.5〜2.5か月での公開が目安です。

制作期間を短縮するためには、「顧客からの原稿確認と写真素材の提供をスムーズに行うための事前準備」(確認期日の設定、協力依頼時のメリット訴求など)を徹底することが重要です。

菊池 貴行(きくち たかゆき)
菊池 貴行(きくち たかゆき)
金融機関、メディア運営会社を経て2018年より株式会社ベーシックへ入社。 ferret Oneカスタマーサクセス部にて、オンボーディングチーム立ち上げメンバーとして活躍し、顧客の「BtoBマーケティング」の立ち上げ支援を行い、 担当社数は累計120社以上。 製造業・ITサービス・コンサルティングサービスなど、有形から無形の幅広い業界の企業に対して、各社の事業理解から組織状態など踏まえた顧客に 寄り添った戦略設計や施策の設計などマーケティング支援を行う。 現在はマーケティング部にてセミナーの企画から講師を担当し、これまでに支援してきた豊富な経験をもとにした、実務に使えるセミナー内容に定評がある。

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